不全世界の創造手(アーキテクト) (朝日ノベルズ)

著者 :
制作 : こいでたく 
  • 朝日新聞出版
3.73
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本棚登録 : 170
レビュー : 16
  • Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022739087

作品紹介・あらすじ

物作りを愛する少年・祐機の夢は、自分で自分を複製するフォン・ノイマン・マシンの実現。地方都市で才能をもてあます彼の前に天才投資家の娘・ジスレーヌが現れた。「あなたの力と未来に投資させて」。-二人は強力なマシンと資金を武器にして、世界生産を支配する国際組織「GAWP」に立ち向かう。創造性に満ちた、真に豊かな地球は誰が造るのか?リアルSFの旗手が書き下ろす、近未来青春物語。

感想・レビュー・書評

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  • 主人公がスーパーマンすぎて入ってこない
    その割に、思想は浅い

  • 読んでいて、何かがしっくりこないと感じた。ライトノベルにはそぐわないものを、無理矢理ライトノベルの文法で書いているというか。
    ライトノベルだから深刻な主題は描けない、というわけではないのはよくわかっている(つもり)だから、ライトノベルにそぐわない主題を扱ってるから、なんていう安易な言い方はしたくないんだけど、印象としてはまさにそれ。この著者は、ライトノベルも、アダルトも両方ちゃんと書きわけられる人だとこれまでの作品から感じていたから、なおさら、この作品にはなぜそんな印象を感じてしまうのか、自分でも不思議に思う。このストーリーは、アダルトなSFで読んでみたかった。
    あと、Uマシンの話に、ジスレーヌの特異能力の話を絡める必要があったのだろうか?「他人の将来性が視える」というアイデアが、単にこの小説を回すための「道具」としてしか使われていないのが惜しい気がする。この能力のことはこの能力のことで突き詰めれば、面白い短編でもできそうな気がするのだが。

  • ラノベ的表紙と題名に思わずヒいたが、読んだらすごく面白かった。創造することのワクワクとトキメキを感じさせる素晴らしい作品!(『第六大陸』と同じ感想だな(汗) ラノベ的演出仕立てはたぶん10代向けを意識したのかも。そしてぜひ若い子に読んでほしいね!

  • 自己増殖型の汎用機械を考案した少年が、人の潜在的経済価値を見抜くという特殊能力を持った少女に見出され、その汎用機械と未来を切り開いていくお話。

    労働力の自動化がある程度進んで、
    一人がある程度働くと、10人分ぐらいの全消費をまかなえるようになって、その生産物品の配分に眼の色を変えなくてもすむようになってくると、世界は一段階幸せな方向に進むのではないだろうかというのは、
    私の思索の一つのテーマなのだけど、それを上手に組み立ててくれたお話。
    小川一水先生の構成力って素晴らしいです。

  • うーん!これは凄い!! 主人公の祐機(技術オタクの発明バカ)が周囲の無理解にめげずに研究開発を続け、最終的には世界のあり方を根本的に変えてしまう、というお話、かな? 今の資本主義の世の中、いかに効率よく資本を投下して利益を回収するか、ということばかりが優先されている。 この小説の中では、それをより分かりやすくGAWPという国際組織にして象徴している。 [more] 主人公の実家の町工場も、このGAWPの介入によってつぶされてしまう。 生産性の向上の名の下に実施される合理化で、お金では計れない様々な価値、主人公はその中でも特に「ものづくりの楽しさ」を奪われたことに強い怒りを覚える。 これが主人公の原動力になっていく。 ヒロインである天才投資家を得て、彼の発明した「自己複製する汎用ロボット」Uロボットが世に送り出され、脅威の生産性(従来工法の10倍とか30倍とか)を発揮していくわけだが、またしてもGAWPに目を付けられて、妨害を受けた挙句、技術を盗まれてしまう。 そんな中、主人公は世界のあちこちでUロボットを使って治水や土壌回復などの大規模工事を完成させていくが、仕事を奪われた地元の労働者の強い反発を受けるようになる。 技術革新によって生産性が向上すると、より少ない労働力で、同等以上の生産が行われるようになるため、(生産規模が拡大しない限り)既存の労働者は職を失うことになる。 主人公はかつて同じようにして町工場をつぶされた経験があるためこれらの反発も理解できるため、ジレンマを抱えることになる。 そんな経験を経て、次の言葉へとつながって行く <blockquote>「善かれと思ってしたことで、必ず誰かが文句を言う。手をつければつけただけ壊れていく。何もしなければますます悪くなる。 そこにあえて手を加えるんだ。」</blockquote> そして最終舞台のソマリアへ。 GAWPの自己複製ロボット(ロバ)は暴力に対して力で制圧を図る。 一旦はそれで問題が解決したかに見えたが、人々は略奪以外に生きる術を持たなかったため、より困窮していった。 一方、主人公は造水&農耕&情報通信の機能を持たせたUロボット(子馬)1千万体分をソマリアへ送る。 それも無料で。 誰もが無料で安全な水、主食、教育を得られるようになったソマリアは、その後大きく変わっていく。 というところでこの小説は終わる。 確かに資本主義経済は非常に有効なシステムだ。 特に、様々なリソースを集中的に投下して大きな成果を得る必要のある事業を行う上では不可欠である。 しかし、確実にそこから零れ落ちてしまう、救えないものが数多く存在していることも、また事実である。 この本を読んで、改めてそんなことを考えさせられた。

  • 12歳にしてモノを創る事に目覚めた少年。
    このままいけば好きなように創っていけるはずだった道を
    ある日簡単に壊してくれた人物。
    それに対抗するのに、少女と出会い、再び創る事に没頭していったのですが…。

    創る事にしか興味がない主人公と、その『友人』をしている少年と
    お金を出す担当の少女。
    面白いくらいにまったく性格が一致しない3人組です。
    一番いらっとくる発言者は『友人』なのですが
    一番見当ハズレの事を言って笑えるのも『友人』です。

    相手にしなくてはならないのは一人の人物であり
    世界であり、アメリカであり…。
    きれいに終わっている最後も、特に違和感なく
    面白かったですw

  • 著者の本はこれが二冊目。前に読んだ「天涯の砦」とは大分毛色が異なる。(http://booklog.jp/users/yokozawa/archives/4152087536
    こちらはSFファンタジーといった内容。
    天才少年と天才少女がタッグを組み、世界を席巻する活躍をし、厄介な敵が現れて・・
    結構ありきたりでカバーイラストのように、そのままアニメになりそうな設定だとも言えます。
    といっても後半になるにつれ社会的、政治的な話題も出てくるのでそれなりに読み応えがありました。
    マストな一冊とは言えませんが、少年少女の王道的な設定が好きな人には楽しめる一冊だと思います。

  • 自己複製可能な機械(VNマシン)を発明した少年祐機は人や物事の将来性、成長性が見える少女ジスレーヌに見出され世界各地の生産の在り方を、VNマシンによって少しずつ変えていく。
    しかし、人の創造性に重きを置く祐機は、世界の生産性向上のみを追求するGAWPという国際組織と対立を深めていく、やがてソマリアにてGAWPは軍事・治安目的のVNマシンを送り込み平定しようと試みるが祐機は・・・

    細部にはこだわらず楽観的に過ぎるかなと思えましたが、少年向けライトノベルということなら良いのかも知れない。答えが明確に提示されたわけではないけど悪くない終わり方だったと思います。
    けれど、本格SFという点で物足りなかったので評価はこれくらい。

  • 経済と工業。

  • 2009/01/28-2009/01/29

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著者プロフィール

小川 一水(おがわ いっすい)
1975年生まれ。岐阜県出身。男性。1993年、17歳で応募した第3回ジャンプ小説・ノンフィクション大賞に、「リトルスター」で佳作入選。1997年、『まずは一報ポプラパレスより』で作家デビュー。
2004年、 『第六大陸』で第35回星雲賞日本長編部門を受賞。2006年、 『老ヴォールの惑星』に収録されている「漂った男」で第37回星雲賞日本短編部門を受賞。 『老ヴォールの惑星』は「このSFが読みたい!」ベストSF2005国内編で1位にも選ばれた。2011年、「アリスマ王の愛した魔物」で第42回星雲賞日本短編部門を受賞。2014年に『コロロギ岳から木星トロヤへ』で第45回星雲賞・日本長編部門賞を受賞。

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