新・リーダーのための教養講義 インプットとアウトプットの技法 (朝日新書)

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  • 朝日新聞出版 (2019年9月13日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784022950192

感想・レビュー・書評

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  • 松岡敬同志社大学学長の言葉。
    〈ここでいうリーダーとは、どこかの会社や業界のトップという意味ではありません。そうではなく、それぞれが進んだ分野で活躍する場面の中で、先を見据え、何が大切なのかを読み取り、状況に応じて適切な判断が下せ、それに向かって努力を続けられる人物になっていただきたいのです。〉

    というわけで、同志社大学の学生の中から24人が選ばれ、琵琶湖で4日間の合宿が行われました。
    ゲノム編集(野口範子)AI(多久和英樹)といった同志社大学教授の講義もありましたが、メインはやはり東郷和彦さんと佐藤優さんの講義と学生のディベートでしょう。

    東郷さんは外務省ソ連課長、欧亜局長を歴任し、北方領土交渉について熟知しています。
    この二人の当時のお話は、読んでいてドキドキするものでした。
    ちなみに、佐藤優さんは刑務所に入っていましたが、東郷さんは亡命したそうです。
    東郷さんのお祖父さまは死刑は免れたものの獄死しました。

    私は佐藤優さんの本をすでに80冊読み、北方領土交渉の説明は何度も何度も何度も読みました。
    その都度わかったような、でも実はどうも曖昧だったのです。

    しかし!
    今回ついに、ちゃんと理解できた、と言えます。
    というのは学生さんのレポートが、私にわかる内容になっていたからなのです。

    神学部3年生のYさん。
    このYというのは、イニシャルではなくて、XYZのYです。
    私はこの部分を見た時、このYさんというのが、今まで佐藤優さんの本に何度かでてきた、たしか静岡出身(?)の女子大生ではないかと思いました。
    「どうして?」と聞かれても
    「佐藤優を知る女(←私)の直感」としか言えません。

    私はこのYさんに、ものすごく期待しています。
    それで最初に書いた「リーダー」ですけど、自分はそういう人間になっていると自負しています、狭い世界ですが。
    自画自賛。

  • 署名や副題から、佐藤氏によるビジネスや勉強に
    対するテクニックの伝授のようなに感じますが、
    全く違います。

    同志社大学で実施された実践的特別講義の内容が
    そのまま書き起こされただけですが、これが非常
    にハイレベルです。

    インプットとアウトプットの技法などという、あ
    りきたりなビジネス書で取り上げられているよう
    な内容とは全く異なります。

    本当にエリートを育てるための講義なのです。

    主に佐藤氏のライフワークでもあった北方領土
    問題を中心に、学生たちがもし自分が外交官であ
    ったらどのように振る舞うか、というような対話
    型の授業が続きます。

    その他にも、歴史、AI、ゲノムまで多岐にわたり
    それについていく学生達も本当にしっかりと勉強
    していて感心してしまいます。

    まだまだ日本の若者も捨てたものではないな、と
    感じる一冊です。

  • 同志社大学での集中講義を収録したもの。
    ゲノムのとこも数学のとこも完全にお手上げなので、勉強せねば…と思いました…
    北方領土の問題はさすがに結構頭に入ったかもしれない。逮捕時のこともっと詳しく読んでみたい。

  • 久しぶりに佐藤優本を読んだが、これは題名より中身が良かった。特に、主にロシアとの激しい外交戦について東郷和彦氏を交えた生々しいやり取りを大学生向けに講義しているところ。北方四島についての交渉は、まだ決着してない、現在進行形の課題であるが、ソ連(ロシア)との交渉の生々しさ、落とし所を探しながら国益を取りに行く姿勢など、最近ではテレビやニュースではほぼフォーカスの当たらない所の裏側だけに、刺激的。経済的な視点だけで、四島を得るメリットがないと言い切る経済学者に対して、それはそう言う立場の人はそう言うだろうとして、これは国として必要な闘いなのだと言う立ち位置など、自身の視点が経済的な観点かつ、本当に経済的な理由としての裏付け無く、ただ感じていただけなのかもとか、考えるきっかけになる。『交渉の達人』を並行で読んでいたのだが、ビジネスにおける交渉より、国の在り方すら変える可能性のあるこちらの方が重みが違うなと。

    さらにプーチンが、四島について歩み寄りを見せていた事も、クリミア半島併合から、ウクライナへの侵攻も含めて考えると、空恐ろしい人だなと感じてしまった。今の日本で、この複雑系の国際関係のパワーバランスって取れてるのかな?とか無用な心配をしてしまった。

    ゲノム編集とAIについての講義もあったが、ロシア外交戦の分量と内容の濃さが際立つ。

    世界と戦うための頭脳は、若い人たちだけではなく、おじさんもおじいさんになっても、鍛えておかないといけないですね。

  • 同志社大の3泊4日の合宿。日露外交、ゲノム編集、AIをテーマに繰り広げられるディベート。専門性を越えた知を身につけた、将来のリーダーを育てるために、佐藤優、東郷和彦らが講義する。特に日露交渉に関しては手厚い。

  • 教養をもつことで個別の問題を全体的な視野から考えられるようになって、いまの複雑な問題にも立ち向かえるのではと思った。教育で必要なこととか、外交の舞台裏についても詳しく書かれていて面白かった。自分まで講義に参加できてるみたいだった。

  • 本書では、佐藤優さんが伝授するインプットとアウトプットの技法を知ることができます。本に書いてある内容を実践すれば、しぶとい脳をつくることができます。

    本書には、知識が役立つ理由やディベートの効果的なやり方、教育の技法など、幅広くのっています。

    本書の内容はやや堅いですが、考え方や論理的思考を身につけるのにもってこいの1冊です。

  • 同志社大学から選抜された「新島塾」の学生に対して、理系文系を超えた「統合知」としての教養の意義を伝える講義。

    まず、外交官として不足している基礎学力は、「数学」「論理学」「哲学史」だと佐藤優氏はいう。つまり外交官に必須のディベートには、膨大な知識量と論理的な思考力と思考の鋳型形成、つまり個別の問題を束ねて総合的に見て考え、適切な判断が下せる力―「統合知」―が必要だという。
    ドイツ語で広い意味での「科学」(Science)を「ヴィッセンシャフト(Wissenschaft)」と言う。ヴィッセン」は「知識」、「シャフト」は「体系を持っている全体性」。中世では、「博識」と対立する「体系知」を意味した。断片的な細かい知識をたくさん持っていても、「体系知」につながっていなければ意味がない。哲学はいっさいの断片的な知識を一つの「体系知」に組織するWissenschaftであるべきだと考えられた。
    つまり、重要なのは断片的な知識ではなく、「体系的」「統合的」に組立、考えられるかどうかということ。

    この教養講義の核となる、日ソ外交については、歴史的な事実と交渉の経過、今後の展望を講義。こちらは実務を担当してきた方々だけあって、生々しいリアルな論調の展開が進む。それを受けての学生のディベートもレベルが高い。

    北方領土問題の発端は、「日ソ中立条約」有効期間中にソ連に一方的に破棄・参戦(1945年8月8日)されたこと、「サンフランシスコ平和条約」の締結(1951年9月8日。ソ連は署名せず)で「南樺太と千島列島の放棄」が書かれたこと。この条約締結当時、日本は「国後・択捉」を「南千島(千島列島の一部)」と考え、両島を放棄したと考えたことにある。一方「歯舞(無人島)・色丹」は、北海道の一部と考えられていた(1956年に「日ソ共同宣言」が出されて国交を回復したが(平和条約締結後日本へ歯舞群島と色丹島を引き渡すと明記)、平和条約は締結されていない)。

    この「教養講義」は、「北方領土問題」から、ゲノム解析を題材とした生物学、AIを題材とした数学の講義の様子が伝えられている。
    今後のプログラムはどのようになるのだろうか。 大物の登壇を期待したい。

  • 『リーダーとは、それぞれの分野で活躍する場面の中で、先を見据え、何が大切なのかを読み取り、状況に応じて適切な判断が下せ、それに向かって努力を続けられる人物』。社会情勢を読み解く力をつけるために、教養は必要。

  • 佐藤優氏の本としては、比較的すんなり読めた。講義内容を文章化したものだからか?

    自分がこの手の知識に欠けている事を痛感させられると同時に発奮もさせてくれる。

    特に北方領土を巡る交渉経緯は、さすが当事者であるためか真に迫る内容。


  • ロシアに関する難しい記述があったけど、あそこでめげる人も結構いるんじゃなかろうか。
    個人的には佐藤ワールドにどっぷり浸らせてもらったけど。
    それにしても同志社ってこんなレベルの高い講義設けているんだ。
    生徒が羨ましい。

  • うーん

  •  学生たちへの合宿をまとめたもの。ハードなスケジュールで、講義を受けた学生たちの力の付き具合も感じる濃密な内容だ。
     東郷大使とディベートの回が面白かった。私がいま、その場にいても学生たちのように発言をして纏められはしないだろうなと思う。基礎知識の足りなさを大人になって悔やんでもしょうがないけど、優秀な学生たちに未来を任せてしまいたくなっている、どうしようもない自分もいることが本書を見ていて分かった。
     よい年をした自分に出来ることは、自分の仕事のスキルアップすることと、新聞やニュースの内容を理解してディベート出来るくらいまで高めたい。著者が言っていた通り、基本的な知識がないと世の中が分からなくて、ニュースに踊らされてしまう。国民全体の基礎能力が上がれば、今とは違った開けた日本が見えてくるかもしれない。

  • 東郷和彦と佐藤優が各々の著作で語ってきた北方領土にまつわる事柄が、両名の講義と議論で語られる。答え合わせみたいでおもしろい。にもかかわらず、このことが書名にも表紙にも載っておらず、帯の裏表紙側にちょっと載っているだけという奥ゆかしさ。個人的には大団円くらいのインパクトなんですけど。

  • ここ数年の佐藤氏の著書(著述ではないが)の中では一番ワクワクする内容だった。特に東郷氏と共同で講義を行う2日間。烏滸がましいとして本人はこの呼称を嫌うだろうが、これはまさに佐藤塾である。ここで選抜された24人は是非この経験を生かして欲しいし、そういう境遇に恵まれたことは自分の努力と神の差配として感謝の心を持って今後も学び続けて欲しい。私にはこの講義についていける自信は全く無いが、逆にどこまで通用するのか、また自分がどれだけ浅慮な人間なのかを見つめ直すべく打ちのめされてみたいという欲求が湧いてくる。

  • 自分の世界や視野の狭さに気づかされ、日本とロシアとの関係性から流れを知って驚き、知識の深さを少しでも感じることができた感じです。

    P67 文理融合が重要。
     知識によって、怖がらなくてもいいものを知識で補う。
     参考書:「地方上級“教養試験”過去問500」

    P71 統計が重要

    P82 世界史

    何年に何があったかということと、
    歴史的な流れを掴むために
    参考書:「世界史詳覧」

    ★そのほかの参考図書
    ・論文の書き方 (1977年) (講談社学術文庫)
    ・知の技法 東京大学教養学部「基礎演習」テキスト
     発売日:1994年04月08日
    ・新しい高校生物の教科書
    ・新しい高校物理の教科書
    ・新しい高校化学の教科書
    ・新しい高校地学の教科書
    ・論理的に考え、書く力 (光文社新書)
    ・生き抜くための高校数学
    ・試験に出る哲学
    ・いま大学で勉強するということ
    ・千夜千冊エディション 文明の奥と底

    ★教育とは、感化をうけること

  • 長崎がウラン型、広島がプルトニウム型
     プルトニウムの抽出は簡単だが、起爆は非常に難しい。実験の必要がある

    国際公務員 必要条件 修士号と政府での勤務歴5年 日本人は殆どいないので優遇される

    中国語をマストにしているのが三菱商事

    国連の公用語は 英語、フランス語、スペイン語、ロシア語、中国語、アラビア語

    核爆発は地上500mくらいで爆発されないと大きな被害はでない。 一度も核をミサイルに搭載して爆発をさせたことはない

    世界史詳覧

    日本の交渉 相手が譲歩してきたときに、それを相手の弱さとみて、自分たちのハードルを上げるという傾向が、今までの日本の失敗

    佐藤さん 組織では仕事をしないと決めている

    僕は北方領土を解決するには、短期的にはいろいろと方法があるけど、中長期的には教育を強化して、領土について、国家について根源から考えることが大切だと思う

    人間の認識は非対称だ。学生は教師が覚えてほしいことはまったく覚えていなくて、くだらないことばかり覚えている
    教育っていうのは関係に入ることだ。君と僕は信頼関係には言いてたことをもう1回確認できた。そのことを思い出せてくれてありがとう
    樋口和彦先生

    文理融合が大切 かつてドイツも大学改革をして、専門学校、工科大学、専科大学をつくって
    反旗を翻したのはフリードリヒシュライルマッハー 哲学史

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著者プロフィール

1960年1月18日、東京都生まれ。1985年同志社大学大学院神学研究科修了 (神学修士)。1985年に外務省入省。英国、ロシアなどに勤務。2002年5月に鈴木宗男事件に連座し、2009年6月に執行猶予付き有罪確定。2013年6月に執行猶予期間を満了し、刑の言い渡しが効力を失った。『国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて―』(新潮社)、『自壊する帝国』(新潮社)、『交渉術』(文藝春秋)などの作品がある。

「2023年 『三人の女 二〇世紀の春 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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