結婚不要社会 (朝日新書)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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レビュー : 13
  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022950208

感想・レビュー・書評

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  •  昨今の結婚に対する社会環境を、欧米などとの比較から論じた一冊。

     全体的に、結婚に対する諸要因が丁寧に論じられている、という印象を持つ。

     結婚することの困難さが深まりながらも、一人でも生きていける環境整備が進み、なんとか結婚せずに生きていけるようになった事は一概に悪いとは言えない。

     さらに見渡した時に、よく結婚できたな、と思うような者が周りを見渡せばゴロゴロいる。

     ただ、そうした人々が総数としては多数を占めるし、そうした人々が結婚できない社会環境が問題なのであろう。

     結婚できないことを前提とした社会環境を整備し、人々の意識を変えていく事の方が時流には合っているのとは思う。

     ただし、中々変わらないであろう事は、平成史を見ればわかる。

  • 途中まで


  • なぜ,現代はここまで晩婚化あるいは未婚化(非婚化)が生じているのでしょうか。
    本書はそのことについてわかりやすく解説しています。要約力がすごいなと感心させられます。山田先生の著書を読まれたことがない方は,本書を読むと結婚の現状について理解が進むと思います。

    山田先生の著書を数冊読まれている方は特に目新しいことはないかと思います。というのも,「結婚に関するロジックー結婚難が生じる社会学的な理屈ーは,ほとんど変わっていない」(p.18)からです。

    となると,山田先生が同じことを主張し続けているにも関わらず,なかなか結婚難は解消されない。それくらい結婚難というのは難しい問題であるとも言えるわけです。

    そうであるにもかかわらず,「出会いを増やせば結婚できる」とか,「コミュニケーション・スキルが足りないから(結婚できないので)スキルを高めよう」とか,そういう話は意外に多いです。おそらくこれは,難しいからこそまずは単純化して考えているということなのだとは思うのですが,ことはそう単純ではないのでもう少し複雑に考える必要があるのだと思います。

    あるいはそもそも結婚する意味さえ問い直さないといけないのかもしれません。

    山田先生も仰るように「いまの日本社会では結婚難を解決するのは非常に困難である」(p.7)と本書を読んでますます感じます。他方,困難であるからと言って諦めてしまっては元も子もなく,困難さを見つめた上で結婚をどう考えていけるのか,ということを考えなければならないのかもしれません。

  • 「日本は一方的に離婚できない。もし夫が別の人を好きになって離婚したいと言い出しても裁判所は認めない。夫の浮気が原因で離婚するなら、多大な慰謝料をふんだくれる。世間体があるのでお金を出さないとは言えない。だから、医者と結婚したら、経済的には一生安泰だよ」P168

    社会の闇を見た気がするけど、事実だろうね

  • p3「結婚は、幸福を保証しない。」

    p.48「結婚はいわば、社会を構成する枠組みの一つです。
    その結婚をミニマムに--人類社会に共通する最低限の部分を取り出して--定義すると、「性関係のペアリングに基づく恒常的関係」と表現することができます。」

    p.49「文化人類学では、通文化的な--いつの時代、どこの地域でも見られるような--婚姻関係について、おおよそ「排他的性関係」(結婚した二人の性関係の特権的な正当化)と「嫡出原理」(結婚した二人の子どもの社会的位置づけの正当化)という二つの概念に集約されています。」

    p.57「結婚する個人にとって「経済的」と「心理的」な効果をもたらすのが結婚という行為です。」

    p.68「近代社会の最大の特徴は、「個人化」と言社会が出現します。うことができます。(中略)では、個人化によって社会はどのように変わるのでしょうか。
    結婚に関わる変化では、大きな二つの点にまとめることができます。

    まず社会経済的に言えば、近代社会では、将来にわたる生活が自動的には保証されない社会が出現します。」

  • 欧米社会は結婚不要社会、日本は結婚困難社会。日本は、状況が変わっているにも関わらず、伝統的結婚への価値観が変わっておらず、経済的安定と親密性の両方を求めているため、結婚が困難になっている。その上欧米のようなパートナー圧力がないため、親密性はバーチャルで満足し、恋人もいない人も増えているとのこと。なんだか夢がない話で、著者は良い悪いと言えないとしつつも、60歳でパートナーがいない人が3分の1という状況はさみしいのではと個人的思いも述べている。若者だけでなく、中高年の婚活もすすめるとも。
    最後に、過去は過去、過去を取り戻そうとすれば、未来を失う、というビルクリントンの言葉が引用されている。日本はもっと社会の変化に柔軟に対応していくべきだと思う。夫婦同姓といい、制度も考え方も古いままなものが多すぎる。

  • 結婚という制度が不要になったら、私もうれしい。名前変えるとか「家に入る」とか、ばからしいやん!

  • 「結婚」の根源にさかのぼった考察は「文化人類学」の様にも見え、新たな知見を教えてくれる。思わず40年以上以前の、わが身の結婚生活の端緒を思い起こしてしまった。
    結婚は属人的なものだと思いがちだが、歴史を振り返ってその変遷を辿るとその社会的位置付けの変化があらわに見えてくる。「家族社会学」とはこういうものだと教えてくれる本である。
    本書の「結婚は男性には『イベント』女性には『生まれ変わり』」との指摘はまさに身も蓋も無い赤裸々な真実だろう。
    表題は平凡だが中身は濃い本である。

  • 日本おわってんなあ

  • 結婚は必要か不必要か。
    今の日本では事実婚のように結婚しないことが税制面でも不利に働く。戦後は自由恋愛が当たり前になり全員が正社員の時代にはそれほどの格差はなかった。バブル崩壊後に非正規社員が現れて経済的格差が開いて結婚ができない層が現れる。結婚と言う固定概念や世間体などから解放されて結婚に変わるコミュニティを築く必要があるように思われました。

    当たり前のことが当たり前でなくなっていく。昨日よりも今日が少しでも良い日であれと願うことは贅沢なことなんだと思わずにはいられません。

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著者プロフィール

山田 昌弘(ヤマダ マサヒロ)

1957年、東京生まれ。1981年、東京大学文学部卒。
1986年、東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。
現在、中央大学文学部教授。専門は家族社会学。コピーライターとしても定評がある。
NPO全国地域結婚支援センター理事

【著書】
『パラサイト・シングルの時代』『希望格差社会』(ともに筑摩書房)、『新平等社会』『ここがおかしい日本の社会保障』(ともに文藝春秋)、『迷走する家族』(有斐閣)、『「家族」難民』(朝日新聞出版)などがある。

【公職】
•内閣府 男女共同参画会議・民間議員
•文部科学省 子どもの徳育に関する懇談会・委員
•社会生産性本部 ワーク・ライフ・バランス推進会議・委員
•厚生省 人口問題審議会・専門委員
•経済企画庁 国民生活審議会・特別委員
•参議院 調査室・客員研究員
•東京都 青少年協議会・委員
•同 児童福祉審議会・委員
•内閣府 国民生活審議会・委員
などを歴任。

「2016年 『結婚クライシス 中流転落不安』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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