新書725 職場の紛争学 実践コンフリクトマネジメント 実践コンフリクトマネジメント (新書725)

  • 朝日新聞出版 (2019年7月12日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (232ページ) / ISBN・EAN: 9784022950291

みんなの感想まとめ

職場の紛争解決をテーマにした本書は、実際の事例を通じてコンフリクトマネジメントの手法を紹介しています。著者が自身の経験を基に、トラブルの原因究明の流れを描くことで、読者はリアルな職場の人間関係を感じ取...

感想・レビュー・書評

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  • 職場では対立が多く発生する。皆それぞれ仕事に対して求めるものは異なるし、仕事を通じてスキルを身に付けようとするもの、愛社精神から自己犠牲も厭わないもの(最近はほぼ見かけなくなった)、兎に角、給料さえもらえれば良くて、可能な限り楽していたいもの(これは流石に淘汰されていく環境だが)。そんな社員たちが互いを見て、残業ばかりやって効率悪いと考えてしまったり、報告してこないメンバーを見て、アイツサボってると考えてしまう事もあるだろう。確かに会社では成果が求められるから、作った実績の大きさだけで判断・評価できればそれに越した事はない。実際には部下を何名も抱え、それぞれが異なるスキルを活用して、全く違う領域の仕事に対峙する様な事はよくあるから、それを横ら並びで評価せよと言われても簡単な事ではない。うまく調整し、部下同士のわだかまりを解消し、皆んなが評価に満足、ハッピーなんて事は夢のまた夢だ。上司と部下、チームのメンバー同士、社員と外部の協力事業者、自部員と他部署の部員。皆それぞれ自己の願望も会社に対する要求も、与えられた環境も、上位からの指示内容も、プレッシャーの大きさも違う。加えて個人が歩んできた人生、受けた教育、育った家庭環境、持っている能力の高さ、価値観や考え方も異なるから、これで対立(コンフリクト)が発生しないわけがない。
    本書はそうした職場で発生する紛争と、解決手段としての「コンフリクトマネジメント」について、事例と実践方法を紹介している。事例は仮名などを使って伏せてはあるが、全く自分の職場に起こっていることを観察されているんじゃないかと思うくらい、ピッタリ当てはまる。正に私のチーム内の誰かと全く同じ様な考え方や行動をする者が存在するから、すごくイメージしやすく、その心の内なども、いつも想像しているものと似通いすぎている。どこの職場でも同じようなものかと諦めたくもなるが、昨今人手不足で猫の手も借りたい(実際の部下は皆優秀な人材ばかりである)様な状況、辞められて仕舞えば、また採用から育成まで長時間かかる事を考えれば、対立を上手く解消して、それぞれの最大パフォーマンスを引き出させた方が、間違いなく良いに決まってる。
    とは言え、各社員とは隔週で1on1をやって、なるべく要求を聞き出そうと試みるが、忙しさにかまけて、その場凌ぎになっていることに気づく。そんな自分への反省も込めて本書を読みながら、納得できる事も数多くスラスラと読み進められた。
    先ずは何年管理職をやっても難しさを感じる「コンフリクト」を上手に解決しながら、少しでも多くの社員がそれぞれに合った状況で持つ能力を活かせるよう環境を整えたい。その参考書として大変役に立つ一冊である。

  • コンフリクトマネジメントを現場で学びたい人にとっては有益だが、読書の時間がなく、中核的な概念から学びたい人にとっては読んでいて少し飽きるかもしれない。

  • 事例はわかりやすかった。最後の理論編もよかった。事例については、見立てだけでなく、その後紛争をどう解決したのか?も書いてほしかった。

  • コンフリクトマネジメント面白い
    方法ではなく実例の紹介なのが小説みたい
    解決するわけではなく、原因究明の流れを追っている
    著者の人すごい
    ちゃんとリアルタイムに相手の表情や仕草、態度、話し方を分析して対応を変えてるの良くできるなって思う
    コーチングのスキルも持っているのか、あんな会話できない
    参考文献に鈴木有香さんの本が挙がっていた、やはりコンフリクトマネジメントといえばこの方?
    もっとコンフリクトマネジメントの本を読んでみよう

  • 経営人事コンサルを務める著者が、自身の関わった職場トラブルの事例から「コンフリクトマネジメント」の手法を説いた一冊

  • コンフリクト(Conflict)とは衝突・対立・葛藤を含む広い概念。
    「オーナー社長vs.大企業OB」「ゆとり社員vs.バブル上司」「専門志向vs.上昇志向」「営業トップvs.経営層」「『意識高い系』部下vs.実直上司」「女性総合職vs.男性上司」などの事例が紹介される中で、当事者双方の主張・言い分、そしてそれらのもととなる立脚点や価値観が解説されています。
    また、最終章ではそれらコンフリクトの分析や解決のための枠組みや考え方が紹介されています(≠ケースの解決法そのもの(答え)ではありませんが。)
    組織内でオンブズマン的な役割の方や、キャリアコンサルタントの方にご一読をお勧めします。

  • 特に印象に残った箇所は以下のとおり。
    6
    多様な価値観を持ち、様々な処遇体系で雇用される人材をマネジメントするためには、組織への忠誠心を煽ったり、上昇志向を刺激したりする従来型のマネジメント手法はもはや通用しない。
    生きがいや健康のためまったりと高年齢者が働く上で予算する事項は現役世代と異なることが多い。
    高年齢者の場合、自分のものの見方や解釈の仕方が強固に出来上がってしまっているため、本質的に様々なコンフリクトを起こしやすい人材。

    52
    たった数年の違いでも世代ごとに従うべき規範や思考パターン、行動様式が少しずつ異なっている。世代を一つまたぐとギャップは思いの外大きい。
    とりわけ職業観、上下関係ジェンダーなどには世代間ギャップが色濃く出る。これが職場でのコンフリクトを頻発させる要因となる。
    職場における世代間ギャップを顕著に感じるのはゆとり世代とバブル世代だ。
    58
    ゆとり世代の考え=「上司は部下を助けるもの。
    仕事がうまくいかないのは上司がきちんと教えて教育してくれないから。」

    女性は条件や認知の対立を感情の対立とを直結させる傾向が強い

    72
    上司の役割の捉え方に大きな違いがある。
    ゆとり世代は上司は部下をサポートするものという役割認識を持っている。
    部下の仕事の穴を埋めてあげるのが上司の役割なので、仕事の不備を厳しく注意するのはそもそも間違いだというスタンス。
    バブル世代は上司は最初の関門チェックポイントだと思っている。部下はそれを乗り越えるために入念に準備をして挑むべきというスタンス。
    上司の役割認識は世代間ギャップを象徴するものであり、世代によって意見が見事に分かれる。
    バブル世代以上とその下の世代で真っ二つに意見が分かれる。

    上司の役割認識の差は、「仕事ができないのは上司が教えていないからだ」と考えるゆとり世代のスタンスと主体的に学ばないからだというバブル世代のスタンスの違いにも現れ、コンフリクトを引き起こしている。
    ゆとり世代は、上司のサポートが当然あるものという前提の上に考えている。
    仕事の評価に関する対立点についても、上司の役割認識の違いの影響を受けている。
    ゆとり世代は仕事をとにかく早く仕上げることが最善だと認識し、この点を評価して欲しいと考えている。
    その背景には、提出したものに不備があっても上司が補強するからだという考え方がある。
    バブル世代は、じっくりと検討し上司が納得する精度の高い案を持ってくることを期待した。
    このように双方の認識が根本的にズレたまま、それをすり合わせせずに日常業務を進めていれば、双方の溝はどんどん大きくなり、解決が難しい感情の対立へと進んでいく。
    74
    ゆとり世代が受けた教育では、人は平等なのである。先生も生徒も同じ目線で協調的に問題を解決することが良しとされ、人に上下があることは徹底的に好ましくないものとされてきた。
    ゆとり世代が理想とする上司像は、強いリーダーではなく、支援的、協調的上司である。この世代が叱られ慣れていないと言われる所以である。

    ゆとり世代さとり世代が理想とする上司像:上司は部下をサポートするもの。
    強い上司ではなく、支援的、協調的上司である

    148
    地味で面白くなくても人生の一時期必死で勉強しなければプロにはなれない。
    162
    財務の仕事に必要な知識は多岐にわたる
    習得するには何年もかけて地道に実務経験を積み上げていく必要がある
    業務知識の補充は地味な勉強を続けていかなければならない

    170
    結婚、出産、育児、子供の進学、親の介護など公私の私における役割分担は年齢とともに変化する
    職場という公の場所において、女性は私を優先せざるを得ない局面が男性より多くありがち。
    職場では、皆が公仕事を優先していると思い込む男性とライフステージによって公私の優先順位が入れ替わる女性との間ではどうしても摩擦が生じやすい
    179
    会社にいる間中ずっと子供が気になります
    独身時代などはオフィスにいるときは仕事が最優先でしたが、今ではオフィスにいても子供が最優先です

    202
    考え方や価値観が異なる人とはなかなか話が噛み合わない
    認知の対立ではなぜ相手と話が噛み合わないのかを理解するところから始めなければならない
    相手と同じ立場に立って共感し相手を理解することが、認知の対立のひとまずのゴールである
    222
    コンフリクトを分析する際
    ①対立する立脚点(意見が対立する点)を見つけ、②それぞれの意見が対立する点について、なぜそのような主張するのかを探る、③話の流れから双方の認識方法や価値観に関連して譲れない世界観を把握しておく、④そして双方のニーズに焦点を当てて問題を捉え直すことが必要である

  • 【目次】(「BOOK」データベースより)
    事例1 オーナー社長vs.大企業OB-「自分の給料分は利益を上げてください」「なぜ、私が営業をやるんだ!」/事例2 ゆとり社員vs.バブル上司ー「何でも手落ちと責められてもう限界!」「まず上司の壁を突破するのは仕事の基本」/事例3 専門志向vs.上昇志向ー「社内飲み会に出ていてはスキルが保てません」「将来の幹部には社内人脈が大事だ」/事例4 営業トップvs.経営層ー「これだけ部下の話を聞きヤル気を引き出しているのに」「マネージャーは具体的な問題解決が第一」/事例5 「意識高い系」部下vs.実直上司ー「地味な下積みを続けるのは時間のムダです」「財務の仕事を任せるには10年勉強しないと」/事例6 女性総合職vs.男性上司ー「幼い子供がいるのに宿泊出張は無理です」「一般職の倍近い給料の総合職としてどうか」/コンフリクトマネジメント入門“理論編”

  • 理論は少々。(特定できないように仮称になっているものの)実例が具体的で、「自分がこの状況に置かれたらどう振る舞うか」と思わず考えたくなる。

  • コンフリクト・マネジメント

  • 自分の仕事の事例に引き付けて考えると、ここまで極端なケースはないものの、もっと小規模で似たような事例はいろいろあるように思います。どうしても自分の目線”だけ”で考えてしまいがちで相手の考えのベースにある価値観や主義信条といったものまで慮るのが難しい。表面的には合意や納得を得られているかもしれないが心の深いところでは”コンフリクト”が残ったままになっている状態はきっとあるんでしょうね。本の末章にコンフリクトマネジメントとして、
    ①条件の対立
    ②認知の対立
    ③感情の対立
    といった3つの軸をあげそれぞれ解消のポイントが示されていますが、より重要なことは著者のように関係者の思いの丈を出し切ってもらえるようなヒアリングにあるような気がします。まずは本当の意味で相手のはなしを”聞く”という姿勢がもっとも重要ですね。

  • 職場で起こりうるコンフリクトの類型を、リアルでわかりやすいケースで解説。

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