学校制服とは何か その歴史と思想 (朝日新書)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 89
レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022950901

作品紹介・あらすじ

制服は「管理」か?それとも「個性」――か? 1960~70年代の高校紛争で一部の高校が私服化された。その後、80年代のツッパリブームや90~2000年代のコギャルブームなどで、生徒は校則に反発し服装の自由を求める傾向があった。しかし、昨今では私服の高校が制服化したり、制服における適度に厳しい校則が学校の「売り」になったりするなど、むしろ自ら管理を求めている風潮さえみられる。これは保守化する日本社会の表れなのだろうか? それとも、多様化する制服そのものが「個性」なのだろうか? 時代とともに変わる「学校制服」の水脈を辿り、現代日本の姿を浮き彫りにする。

感想・レビュー・書評

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  • 学校制服。
    もはや、郷愁しかないし、特に思い入れもない(中高そのものに)。
    とはえ中学受験をした際に、憧れた制服や、可愛いと評判だった学校はあった。
    私自身が在籍したのは地味な制服の学校であった。
    本書中で語られる制服のない学校が本命だった。
    当時こう思ったものだ。
    「頭が悪い奴は自己管理できないからこんなダサい制服に押し込められるんだな」、と。

    制服には良い面も悪い面もある。
    子供は楽だし、学校は子供達を守りやすい(それを「管理」と評することもできよう)。
    しかし、近年になって性別に違和感を感じる子供たちの苦悩や、学校の教育方針、経営状況などさまざまな面から制服が変わってきた。
    本書では、制服から「教育とは何か」を考察する。
    昔から何度もこの問いは繰り返されてきた。
    良い面はこうだ。
    頭が悪い奴は服装から縛らないとダメ、管理される方が楽、地域や保護者の目から見て安心できる、貧富の差がわからなくなる…。
    しかしそれは本当か?
    子供の視点が抜け落ちてはいないか?
    家庭環境の差は制服であっても、はっきりわかる。
    いや、かえって、目立ってしまうのだ。
    アイロンのかけ具合、サイズ、ボタン、洗濯の頻度は如実に家庭環境を表す。
    著者の言うように「指導と制服は切り離して考えるべき」(256頁)は同意する。

    私自身は、中学から現在まで制服必須だったので、あればその「立場」になれることを知っている。
    制服はモチベーションの一つでもある。
    あってもいいし、なくてもいい。
    選択肢を増やせないだろうか。
    男はズボン、女はスカートではなくどちらも選べたら良いし、正式な場やシーズンで制服着用を求めれば良いのではないか。
    何より、教育に関わる大人たちが、メリットデメリットを提示して、生徒と一緒に決めていけば良いではないか。
    先生たちはこう思っている、そう伝えてもらえたら、一緒に考えられるのに。

    個人的には上着は洗えた方がいいと思うし、スカート・ズボンは選びたい。

  • 着眼点として「制服」を取り上げたのは面白かったです。中学校・高校は日本全国にまだたくさんあるので、取材にも膨大な時間と労力がかかっていると感じました。情報が多く、読みづらいところもありました。

  • 【内容紹介】
    「制服」は誰のものか?多くの証言と資料を通して、教育と若者文化の実相を描く。学校制服は時代を映し出す鏡だ。その歴史の水脈を辿り、学校制服に内在する文化や社会、政治、経済、科学に関連する「思想」を考察する、刮目の書!

    大阪府立大学図書館OPACへ↓
    https://opac.osakafu-u.ac.jp/opac/opac_details/?reqCode=fromlist&lang=0&amode=11&bibid=2000940297

  • 第1章 制服モデルチェンジの論理
    第2章 制服誕生の舞台裏
    第3章 制服自由、伝統校の矜持
    第4章 制服復活で学校リニューアル
    第5章 制服を作る側の戦略
    第6章 制服の思想

  • ふむ

  • 学校の制服とは何か、さまざまな観点からアプローチする

    ・学校制服の歴史
    ・トレンドの変遷
    ・モデルチェンジの歴史と現在
    ・メーカーの意識
    ・制服を自由化した学校、制服を復活した学校

    勉強ができる学校は私服で、できない学校が制服?
    「服装の乱れは心の乱れ」か
    制服なら貧富の差が見えない、私服だと差が出ていじめが起きる?
    「かわいい」制服が制服による管理を超えた
    デモに制服を着て行ってはいけない?

    《本書によって高校の通学服について、知る、考える、あるいは、楽しむことができれば幸いである。》──「はじめに」より

    ちなみに制服着用学校出身の筆者は、そのコンプレックスから制服自由化、具体的には制服・私服のどちらも選べるシステムを理想と考えている

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著者プロフィール

小林哲夫

教育ジャーナリスト。1960年神奈川県生まれ。教育、社会問題を総合誌などに執筆。『神童は大人になってどうなったのか』(太田出版)、『東大合格高校盛衰史』(光文社新書)、『ニッポンの大学』(講談社現代新書)、『早慶MARCH 大学ブランド大激変』(朝日新書)、『高校紛争 1969-1970』(中公新書)、『反安保法制・反原発運動で出現── シニア左翼とは何か』(朝日新書)など著書多数。1994年より『大学ランキング』(朝日新聞出版)編集者。

「2020年 『大学とオリンピック 1912-2020』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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