- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022951038
作品紹介・あらすじ
小さな島は大人の学校だ。消えゆく風習、失われた暮らし、最後の一人となった島民の思い──大反響書籍『秘島図鑑』(河出書房新社)の著者が日本全国の離島をたずね、利他的精神、死者とともに生きる知恵など、失われた幸せの原風景を発見する。
感想・レビュー・書評
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日本列島に点在する小さな離島。
無人島、有人島、ひとりだけの島に旅して、出会う人々。
暮らす理由、生活、風習と、失われるものを見い出す記録。
序章 離島の人口が減っていく
第1章 人ー有人島と無人島のあいだ
第2章 風習ー今も息づくもの
第3章 歳月ー失われゆくもの
終章 万物との対話
大まかな離島地図、参考文献有り。
日本には7000近い島がある。
その多くは無人島だが、有人島もある。
しかし、時代とともに人口が減り、無人化する島もあるし、
人口がひとりだけの島、再有人化した島もある。
そんな島々への旅行記&人との出会いのノンフィクションです。
たったひとりでも島に人が暮らすことの貴重さ。
その暮らしは、島とともに生きられる喜びが。
島の歴史、独自の文化や風習、島の「個性」を継ぐ、者たち。
子どもが子どもを呼ぶ、守姉の風習。
船で島を離れる惜別の光景は、送る人&送られる人の思いの情。
新島の流人墓地への「だんとう」の風習。
失われてゆく北方領土の生活の記憶。
無人島の電話ボックス、屋久島の温泉ではない瀬風呂跡。
過疎化、想定外の災害、対外事情や歴史の変遷等、
過去も現在も未来も、時の流れの移ろいはあれども、
大いなる自然に抱かれる離島の風景は、ただ、そこにある。
不思議な想いを抱かせる、心に響く何かを、秘めて。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
●今や小学校のない島は全国で約4割、中学校は約5割。医療施設のない島は全国で4割近く。
●総数6,852島。有人の418島のうち、人口が増加している島は35。石垣島は増加している。
●五島列島にある黒島。人口1人。定期航路は週に1回。電気は通っている。携帯電話も通じる。
●沖縄の前島。1962年に無人化して以降、約40年ぶりとなる有人化。
日本軍が入りがなかった前島では、「集団自決」を招いていない。
●八丈小島は過疎化が進み、1969年無人島になった。91人の住人が一斉に島を離れる。島に残された10頭ほどのヤギが、やがて約1,000頭にまで異常繁殖した。
●愛媛県の由利島。二神島から南8キロの無人島。1975年に無人島になっても公衆電話は残り続けた。2012年頃からダッシュ島として利用されるようになった。 -
旅行記でもあるが、現在の日本各地の「島」をいくつか取り上げての民俗学的状況報告になっているのでは。
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「不思議な島」を巡る旅ではありません。
「島旅」は不思議な感傷を呼び起こさせること
を意味しています。
日本全国で過疎が進んでいるのですから、島で
の過疎化は本土の比ではないと思います。
しかも最後は「無人島化」してしまうのです。
戦後に無人島化したのは138島です。2020年
時点で日本の島は6852(この数値は根拠が不
明で、諸説あるそうです)の内、有人島は何と
418しかないのです。
たったの6%の有人島率なのです。
そんなはかない運命を持つ島を訪れることに
よって感じる不思議な思いが本書には込められ
ています。
日本という島国に固有の文化が生まれたのと同
様に、それぞれの島にも独自の文化、風習が残
されています。
そんな失われつつあるもう一つの日本を巡る一
冊です。 -
【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/755273 -
行々て ここに行々 夏野かな(与謝蕪村)良い紀行文だった。おもしろかった。屋久島にまた行きたくなった。