自壊する官邸 「一強」の落とし穴 (朝日新書)

  • 朝日新聞出版
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022951304

作品紹介・あらすじ

7年8カ月に及ぶ安倍政権は幕を下ろした。しかし、次の政権も人事権を手に霞が関を「恐怖」で支配する。能力本位とはいえない恣意的な官僚登用に疑問と不安がささやかれ、ワクチン接種をはじめとするコロナ対策の迷走は続く。官邸は官僚たちの仕事ぶりに不満を抱き、官僚たちは官邸を恐れ萎縮する。国家中枢の〈今そこにある危機〉を朝日新聞取材班が徹底リポート!相互不信の内幕に、生々しい証言の数々で迫る大反響連載「未完の最長政権」の書籍化。御厨貴・東大名誉教授、中北浩爾・一橋大教授、牧原出・東大教授、精神科医の斎藤環・筑波大教授のインタビューも収録。

感想・レビュー・書評

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  • 読了 20210918

  • 「官邸主導」「強い官邸」が実は民主党政権下で実現された仕組みだったにもかかわらず、政権交代後の自民党・安倍政権でそれが効果的に機能し、はからずも長期政権化に資することになったという見方を知れたのが収穫だった。
    これを読むと55年体制は本当に過去のものになったんだなぁという感慨と、もしかすると日本政治にとっては政権交代が政治家をダメにする要因だったのかも知れないという感想を持ってしまって、身も蓋もない気分……

  •  安倍政権を扱う新聞連載の書籍化。書名は元々「首相官邸vs.霞が関」のようだったが、最終的にこうなった。官僚との関係だけでなく党、党内では石破、また支持者との関係も扱っており、また18年総裁選とコロナ禍を「安倍1強の揺らぎ」と評しているので、現在の書名となったのだろうか。
     政と官、友と敵、(外交における)功と罪、変容した自民党、と各章のタイトルからほぼ想像されるとおりの内容だ。安倍総理自身に加え官邸官僚、また菅長官の人事権行使も記述。和泉補佐官や杉田副長官など菅政権にも残った人々も登場。後書きでは「問題点の多くは菅政権と地続き」とあるが、両政権を比較する本が将来出たら読んでみたい。

  • 東2法経図・6F開架:312.1A/A82j//K

  • 政治主導のかけ声の下 ①官邸機能の強化、②小選挙区制
    、③人事局を完成させ、安倍晋三で完成される。

    そして、首相に直言できるものは多様性は失われる。

    つまるところ、リーダーシップが発揮しやすくなるという点で、統治システム改革は進んだが、属人性に左右されることに。
    つまり上に立つリーダー次第では、大きく良くも悪くも振れるということだ。

  • 2021/8/14読了。

  • 朝日新聞で連載されていた気がするが、全部を読んではいなかったので、書籍化されたものを読んでみた。
    第二次安倍政権に対する評価は色々あろうが、この間、全般的には、経済成長が続き株価も上がり、何となくこれでいいのではないかという気分があった。他方、官邸官僚の跋扈、政治と行政、もっと言えば、官邸と省庁との力関係が一方的になり、官邸の意向を気にするヒラメ役人が増えたし、そういう人が出世するようになったようにも見える。かつての族議員が跋扈し政官財のトライアングルが力を持った時代が良かったかと言えば疑問だが、官邸一強の歪みが出てきており、それが現在の閉塞感につながっているような気がしてならない。

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