損保の闇 生保の裏 ドキュメント保険業界 (朝日新書 956)
- 朝日新聞出版 (2024年5月13日発売)


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本 ・本 (296ページ) / ISBN・EAN: 9784022952677
作品紹介・あらすじ
ビッグモーター問題、カルテル疑惑、悪質勧誘、レジェンド生保レディの不正、公平性を装った代理店の手数料稼ぎ……。噴出する保険業界の問題に金融庁はどう動くか。当局と業界の暗闘の舞台裏、生損保の内実に迫った渾身のドキュメント。
感想・レビュー・書評
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最近の損保と生保で構造的に発生した社会問題に鋭くメスを入れて原因を分析します。この1冊で直近の生損保問題はカバーできますね。適正な損害填補という保険の本質的な理解をおろそかにし、商品と営業主体で経営を進めたこと、に尽きるのではないでしょうか。
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2024.10.26
この本の指摘が違うとかいうことは全くない。
だけど、朝日新聞という組織が総括していないサンゴの件とか押し紙とかマスコミの一員に言われてもなあといつも思ってしまう。筆者ではなく、筆者の属する組織の問題。
すると、この本に取り上げられているそれぞれの個人と組織も同じでは? -
非常によく調べて、従来ありがちなひたすら正義を振りかざした声高の糾弾型のものとは異なり、事実を積み重ねた冷静な筆致となっている。それ故に、保険業界関係者には耳が痛いところが多いに違いない。
特に損保ジャパン(SJ)の社内事情に関しては、おそらくはかなりの内部協力者からの情報を得て書いたと思われる部分が多くある。
しかし、株式持ち合いといい、取引先の販売協力といい、保険業界に限った話ではなくて、どこの企業でもある持ちつ持たれつの関係、個人のご近所付き合いの延長線みたいな日本的風土がもたらしたところでもあるような気がする。
こうした、もともと農作業に由来するとも思える「ムラ社会」での関係性でビジネスをやっていくことから本当に脱皮できるのか、さしあたり政策保有株を全廃するとは言っているが、緩やかとはいえ旧財閥まがいの企業グループを形成している大手損保は、グループ・トップの銀行株をすべて手放すことができるのか、ちょっと見ものである。
なおこの本では損保メインで書かれていて、生保はわずか50頁少々しか割かれていない。
しかも、巨大な資産を抱える生保業界が国債のみならず米国債の消化について、旧大蔵省から財務省の現在に至るまで、多大な「協力」をして、まさに持ちつ持たれつの関係であることは一切触れられていない。
そこが節税商品という名の脱税商品を監督当局が商品認可をしてきた根本のところにあるのだが。
新書の紙数の限界もあるのだろうから、第二作を期待する。
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生損保のリアルが知れた。
特に損保ジャパンとBMとの関係性、また4大損保の関係性、大樹生命第一生命の社員の保険金詐欺事件に関しては興味深かった。 -
ビックモーターと損保ジャパンが自浄能力なしに落ちるところまで落ちていくプロセスが克明に記されていてとても勉強になった。スピード感と臨場感があって面白かった。
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生々しい。以上。
(そしてすごい取材力) -
保険業界に居る人間は必読と思う。朝日だからと舐めてはいけない。内部にいれば、なるほどこうしたやり取りがあっただろうなと得心しながら読める。規制業界、創造性が他に比べて必要ない業種が故に起こるコンダクトリスク、利益相反。人材が枯渇している、あるいは意図的に能力がない人材を保険分野に充てる金融庁、その為業界大手に調査研究を依存している歪な構造などメスを入れるべき点は多々ある。取材もだが、筆致が良くスラスラと読める。
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まるでサスペンスドラマかのような話しだが現実
慣れない業界なのでなかなか頭に入ってこない部分もあったが興味深く読んだ -
会社を知るために読んだ
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保険業界を俯瞰するのに良い一冊。