オーバードーズ くるしい日々を生きのびて (朝日新書995)

  • 朝日新聞出版 (2025年3月13日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (200ページ) / ISBN・EAN: 9784022952936

作品紹介・あらすじ

風邪薬など市販薬を過剰摂取するケースが、若年層を中心に増加している。どうせ誰も助けてくれない――オーバードーズに至った「生きづらさ」の背後に何があるのか。親からの虐待やネグレクト、学校での孤立感……社会に何が足りないのか、どのようなつながりや支援が求められているのかを追う。

感想・レビュー・書評

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  • オーバードーズについて、言葉は知っているけどあまり理解できてはいなかったので、軽い気持ちで読んでみた。軽い気持ちで読んだ事を後悔した。

    虐待や自傷行為等、生々しい描写があり読み進めるのがキツかった。それだけ生きづらかったらオーバードーズして少しでも現実忘れたくなるよ。

    清原さんの薬物依存症の日々を読んでいた時も思ったけど、日本の社会って薬物依存に対する差別、スティグマが強すぎる。わたしは他人事とは捉えられないから、自分もいつそうなるかも分からないと思いながら生きているから、少しでも寛容な社会になってくれたらいいなって思う。

    子供が生きづらくてどうしようもなくてオーバードーズしてしまう世の中は異常だと思う。でもそれはオーバードーズしてしまう子供が悪いわけでは決してなく、子供が生きづらいままの社会にしている大人たちが悪いと思う。

    読後、なんとも言えない無力感を感じたけど、オーバードーズについて少し知識をつけることができたので、読んで良かったです。





    以下印象に残ったとこ(メモ)

    日本では薬物乱用者に対する差別は根強く「社会で責任を取る」となれば、画一的なマニュアルを作って管理することや、監視を強くすることに重きが置かれすぎていないだろうか。薬物乱用の場合、その根底には薬物乱用者に対する日本社会の根強いスティグマ(負の烙印)があると思う。「危険ドラッグ、大麻、市販薬、なんであっても、薬物乱用そのものを社会全体が戦いを挑むべき現象だととらえてしまっている。それは、「ダメ。ゼッタイ」の旗印のもとに、薬物を使っている人を社会から排除しようと言うスタンスから抜け出せていないことになる。」

    仕事、趣味、家族…。程度次第だが、人は何かに依存せずには生きられない。依存先を分散し、何かひとつだけにのめりこみすぎないよう、たくさんの「好き」を見つけることが大切。

    子供の頃から身に付けてほしい「ライフスキル」だ。
    本のなかには、自分が傷つき嫌だと思ったことを抱え込まずに他者に伝えていく方法や、親の期待に応えようと頑張りすぎてしまうなど、自分と相手をうまく線引きできない家族や友人関係の中にいるときには「自分と相手は違う人間なんだ」と言う「境界線」を引いて、自分の尊厳を守ること、自分が自分の一番の理解者であり、どんな感情になった時もそばにいて受け止めてくれる「自分の親友になる」と言うことなどを盛り込んだ。

    社会問題化するオーバードーズについて、「トー横の問題」「若者の問題」と語られるのは、「矮小化で責任転嫁だ」と風間さんは言う。
    子供は大人に比べて未熟な存在かもしれないけど、乱用しているのには理由があるはずだし、「じゃあそうさせたの誰よ」と言う言い分もあるはず。どんな人でも安全に生きられるように法律や制度があるはずですよね。それを整えられていないことを大人が省みる必要がある。

  • 重いタイトルだが目を背けてはいけないと思う。
    子供を持つ身としては知っておかなければいけない現実だ。
    高知県の薬剤師の方がゲートキーパーとして相談に乗るという取り組みをしていると知った。
    処方内容を管理している薬剤師だからこそできることだなと感心した。

  • 「ごほうび」だったオーバードーズ 痛みを知っているからこそ差し出せる、支援スタッフの温かい手 | AERA DIGITAL 2025/05
    https://dot.asahi.com/articles/-/255357

    5/8(木)川野由起さんの著書『オーバードーズ くるしい日々を生き伸びて』について | 文化放送
    https://www.joqr.co.jp/qr/article/152013/

    「川野 由起」の記事一覧 | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)
    https://x.gd/hwoS7

    川野 由起|くらし報道部|記者部門|先輩メッセージ|朝日新聞 Recruit Site
    https://www.asahishimbun-saiyou.com/message/archives/152

    川野由起 - 記者:朝日新聞
    https://x.gd/sFJa3

    朝日新聞出版 最新刊行物:新書:オーバードーズ
    https://publications.asahi.com/product/25287.html
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    (yamanedoさん)本の やまね洞から

  • なんでそんなことしちゃうの?

    この言葉が、さらにその人を苦しめる
    しなくていいなら、最初からオーバードーズなんてしない
    良くないことだなんて、そんなことわかってる
    でも
    今、一時だけでも、この現実を忘れたい

    死にたいって言っている人ほど、生きたいって言ってるんだよなっていつも思う

    この本に登場する人たちに私は何も言うことができないけれど
    思いきり、ただ抱きしめてあげたい
    そう思ってしまった

  • 凄惨な環境の中で、苦しみから一時的に逃れるために行うODを、薬物乱用として断罪するのではなく、その苦しみに寄り添い、支援に繋げることの大切さを訴えていて、説得力がある。ぜひ多くの人に読んでもらいたい。

  • 大学時代の知っている方が書かれたということで手に取って読ませていただいた。

    オーバードーズが止まったとしても、本人が抱える「生きづらさ」が依然としてあるという指摘を踏まえると、単なる「ダメ、ゼッタイ。」の旗印ひとつで済む話ではないなという気持ちになる。そもそもの「ダメ、ゼッタイ。」の由来が、国連の提唱する「Yes to Life, No to Drugs」から来ていて、後者だけが強調されてきたという話が興味深い。

    ダメなものはダメなのだろうけども、その後をどうするべきかという視点から薬物依存の話に日本全体が触れて来なかったがために、「そもそもなぜオーバードーズの状態にあるのか」の根本問題に焦点が当てられにくい世の中だったのだなと思わされた。どことなく去年のドラマの「新宿夜戦病院」の描写が頭によぎる。

    「オーバードーズの状態から回復したい」という言質はよく聞くが、これもそもそも「回復とは何か」とインタビューの中で提起されていた問いの重要性が響いた。10代にとっての「回復」とは、"短期的な回復としては「死なないこと」「生き延びること」"であるとする話になるほどとなった。「回復したい」ということの定義や意味を今一度考えるということでは、やはりよく使う言葉ほどしっかり確認する必要があるのだなと改めて実感した。

    オーバードーズについて使用している薬物の割合が、経年比較と年代別比較のグラフも興味深い。イメージとして、大麻や危険ドラッグによるものが多いのかなと思っていたが、10年前と比べるとそれらの割合が減少して「市販薬」「睡眠薬・抗不安薬」の割合が年々増加し、年代別でも10代・20代で「市販薬」の割合が最多となっていることに驚いた。啓蒙や普及啓発によって大麻や覚醒剤の使用割合が下がったとしても、根本にある「生きづらさ」が残り続ける限り、薬物症状の事象は生じ続けるのだなと考えてしまう。

  • オーバードーズに関する本。「やめろ!」というのは簡単ですが、ODをしている当人たちは自己治癒的な行為をしているという視点は忘れてはなりません。支援するにも、安全に自己治癒できるように、少しずつ別の方法で大丈夫なように。勉強になりました。

  • 市販薬オーバードーズ(OD)問題の現状と背景

    ODの現状と深刻さ

    子どもや若者の間で市販薬のODが増加傾向
    咳止め薬など様々な市販薬が乱用されている
    意識消失、呼吸停止、臓器障害、死亡リスクも
    全国の高校生の約1.6%が過去1年以内にOD経験(東京都小平市調査)
    販売規制の効果は限定的で、年齢確認なしで購入可能なケースも


    ODの背景にある「生きづらさ」

    家庭の問題(虐待、ネグレクト、親の精神疾患)
    学校での困難(いじめ、孤立感、不登校)
    友人関係や将来への不安
    大人への不信感や絶望、怒り
    居場所のなさや頼れる人の不在


    ODをする子どもや若者の心理

    「つらい気持ちを一時的に和らげたい」
    「目の前の時間を消したい」「楽になりたい」
    自己治療(セルフメディケーション)の一環
    苦痛からの逃避、現実逃避、孤独感の解消
    希死念慮を伴うケースもある


    社会的なつながりと支援の必要性

    安易な批判や否定ではなく痛みに寄り添う姿勢が重要
    周囲の大人たちがSOSに気づき適切な支援を提供する体制の構築
    行政や民間支援団体の連携による多角的支援
    居場所の提供、相談窓口、専門的カウンセリング
    OD経験者同士のピアサポートの場の重要性
    アウトリーチなど積極的な支援活動の必要性


    販売規制の限界と根本的対策

    市販薬の販売規制だけでは根本解決にはならない
    「生きづらさ」そのものへの対策が必要
    医療費削減のための市販薬利用促進策がOD問題を助長する可能性
    依存性の高い成分を含む市販薬の取り扱いに関する慎重な対応の必要性

  • ニュースなどでよく聞くが、その深刻さを理解できた。麻薬や覚醒剤などに比べてライトと思いきや、心身への影響は大きく、使用者の背景も理解しなければならないと感じた。

    麻薬や覚醒剤に比べると、市販されている分、敷居が低いと思われる。また、使用したら終わりと警告するだけでは理解や快復に繋がらず、海外の取り組み、薬剤師の関わりなど、考えさせられる。

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  • 2025.06.25 図書館

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