グリコ・森永事件「最終報告」 真犯人

著者 : 森下香枝
  • 朝日新聞社 (2007年9月7日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784023302624

グリコ・森永事件「最終報告」 真犯人の感想・レビュー・書評

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  • う〜ん…ぶっちゃけ、あんましやった…。
    この著者の文章が合わんかったんかな…。

  • 近くまで迫ったのではないか
    一橋より真実味がある
    作者の勇気にオマケして
    4.5点

  • ゾクゾクしながら読みました。

  • つまんなさすぎて途中で読むのを断念したので感想もない

  • 事件の内容をちゃんと知らなかったので、過度な期待や幻想を抱いていたが、そのハードルを超えることはなかった。

  • グリコ森永事件は犯罪としては全て時効が成立している。しかしそれでもなお、この事件が世間の耳目をいつまでも集めていられるのはやはりその劇場型犯罪によるものが大きい。

     この事件ののちに模倣犯は全て逮捕された。ただ唯一グリコ森永事件の犯人だけが完全犯罪に成功しているのである。あれだけのパフォーマンスがあればどこかで犯人逮捕に至る糸口がありそうである。いや、ところどころあともう少しという瞬間はあった。犯人としても余裕で逃げ切れたわけでは無いだろう。それでも手がかりが多ければ最終的にはしっぽをつかまれて終わりそうである。にもかかわらずである。

     投入された延べ捜査員、捜査対象者を考えればそれはオウムや3億円事件の比では無いだろう。いわば日本の警察の威信をかけた追跡を逃げおおせた犯人にある種のヒーロー性を感じてしまうのも理解できなくは無い。青酸カリを混入させた菓子も結局は覚醒剤混入と書かれた警告を貼り付けることで被害者は出ていない。また犯人自体もこの事件では金額的な戦利品は得ていない。そういう意味では効率はかなり悪い。

     また、犯人一味は少なくとも7人はいると思われ、また脅迫テープに吹き込まれた女性や男児はいまもって正体が分かっていない。これだけいればどこかで秘密が漏れそうであるが、漏れていない。これは犯人の結束が単なる金銭による結びつきでは考えられない。だから最初のグリコ事件になんらかの因縁にまつわることがありそうだと考えられる。

     考えれば、事件の最初から果たして金銭目的だったかはかなり疑わしい。グリコの社長を誘拐し、誘拐身代金を要求するが、そもそも社長宅に押し入ったところで社長の子供がいたのだ。誘拐した後の手間を考えれば、大人よりも子供を誘拐した方がいいはずである。

     完全に時効を迎えた今、糾弾というよりも、単純に犯人の顔を見てみたいと思う人は多いだろう。もしかしたら、脅迫テープに声を吹き込んだ男児が何か告白してくれるのではないかと思うのである。

     この本ではある事件の犯人が、グリコ森永事件の犯人の一味であったと結論づけている。なるほど、いろいろな蓋然性はあると思うが、そこで記されている犯人の行動は口が堅いとは言えない。箝口令であれだけの鉄の結束を見せた犯人が例え親しい人であるとはいえ事件に直接関わりの無い相手にそれほどの意味も無く暴露をするとは考えにくいのである。

     あれだけの劇場型だったのである。今はまだ当事者が生存し暴露すれば迷惑を被る人がいるのかもしれない。しかし、最後の一人になったときには最後の「劇」を見せてくれるのでは無いか。あのタイプライターで事の一部始終を記し、その時が来るまで誰かが保管して公表するつもりなのかもしれない。

     グリコ森永事件は犯罪は終わっても、社会的な事件としては終わっていないと思う。

  • 史実である事件を追い求めた作品。

    個人的興味?で追い込みの度合いにムラが感じられることもあるが、著者の信じた方向性はギリギリまで追い込む執念が感じられる。

    かなりの新情報があり、読み進めるにつれドキドキしてくるが、最終的には多くの謎が残り「全貌は??」と少し寂しくなってしまう感がある。

    風化したはずの事件なので、調査は不可能に近いだろうが、続編に期待してしまう。

  • 以前から気になっていた「グリコ森永事件」に関する本を始めて手に取ってみたのだけど、警察や脅迫状について詳しい背景が書かれていてとても面白かった。
    (面白いっていうのも変かな?)

    初期の怪人21面相のキャラクターが良かった。

  • プロローグ 「史上、最大の銀行強盗」
    第1章 かい人21面相
    第2章 キツネ目の男
    第3章 そして、誰もいなくなった大捜査線
    第4章 真犯人
    あとがき

    **********

    『レディ・ジョーカー』に触発されて読んだ本。

    初めは「グリコ・森永事件」ではない事件が取り上げられていたけれど、それが急転直下、「グリコ・森永事件」の真犯人につながる。
    『レディ・ジョーカー』を読んでいると、ほぼこの事件のことが小説になっていることがわかる。
    ただ、舞台が関西が関東に移っただけ。

    時効をむかえて真相は藪の中。

  • 1984年、私が京都で大学生だった頃、事件は起きた。
    グリコの社長誘拐事件を発端に、次々と関西の企業が狙われた悪質な恐喝事件。
    青酸カリの入ったお菓子が店頭で見つかり、そこには「どくいり きけん たべたら しぬで かい人21面相」の貼り紙があった。
    森永も狙われて、森永の製品は店頭から撤去され、ニュースでは、エンゼルパイが大量に廃棄され、つぶされていた。
    私はその映像を見て、犯人に激しい怒りを感じた。エンゼルパイになったたくさんの卵やそれを生んだニワトリたちにかわって、犯人を憎んだ。
    犯人が利用したとされる百万遍のコピー屋の上のフロアに「ワープロ京都」という店があった。ワードプロセッサーが高価だった頃で、コピー機のようにワープロを並べて、時間貸しする店だ。私が大学で参加したサークルの先輩は大学へはほとんど行かず、そこの雇われ店長をしていたのだが、警察がやってきて、キツネ目の男を見かけなかったかと、そればかりか、彼が犯人の仲間である可能性まで含めて、執拗に捜査されたと彼は言っていた。
    だが世間を震撼させ、警察による大規模な合同捜査があったにもかかわらず、結局、犯人は捕まらぬまま、一連の犯罪は時効をむかえた。
    森下香枝さんというこの記者は、この著書の中で、あの事件の真相と真犯人をかなりの説得力と信憑性でもって導き出してくれる。よくありがちな憶測だけで語られる話ではなく、膨大な資料と忍耐づよい取材によって、裏付けられた事実だけをわかりやすく並べてある。
    ここに語られる物語は、詳細で鮮明で、そして憶測の類がなく、警察の掴んだ証拠と、証言者たちの語る言葉を丁寧に縫い合わせるように描かれていく。
    これだけの証拠と証言を集めてまとめあげた、その労力と執念にまずは敬意をささげたい。
    語られた真実をつないだだけで、語られなかったことまでも漠然と見える気がした。


    それでも、どうしても星を5つつける気にはなれない。いろんな事情を察したその上で、どうしても不快感を持たずにはいられない。それは、真犯人の描き方が、ともすれば、飄々とこの世を自由に生きて過ぎた、愉快な男に見えてしまうからだ。

    この話の中には、事件にかかわった他の人たちやその家族も登場する。仮名になっているとはいえ、全て実在する人たちだ。むしろ、その人たちが協力的に証言してくれたからこそ、真実を手に入れることができたのだろう。だから、本書で犯罪を暴く上で、今、まっとうな生活を生きている彼らの立場には、十分すぎるほどの配慮が必要だったのもわかる。
    さらには、真犯人の本当の姿、つまり、優しく穏やかで人から愛される部分だってあるのだということを書いてほしい、それが、真相を語る上での条件だということもあったろう。
    また、文章の上ではルポライターとして中立に、あくまでも証言者である友人・身内の言葉であると紹介するにとどまり、けして自分の意見を挟んでいるわけでもない。友人・身内の言葉であれば、肩をもつのも当然だし、そこまでは真実といえる。

    それでも、それらの言葉をあえて紹介するこの構成に、著者自身のギリギリの恣意性を感じずにはいられない。末吉鉄之助という日本名と本名の韓国名を仮名まで充てて言及しておきながら、「鉄ちゃん」という呼称をひたすら使い続ける構成にもだ。
    そこには、私たち読者を、犯人末吉鉄之助ではなく、友人、あるいは兄、あるいは夫、鉄ちゃんという、身内としての視線から見せることによって、まるで警察が敵で、鉄ちゃんがヒーローであるという錯覚を与える意図があるのではないかと勘ぐってしまう。

    たしかに、この鉄ちゃんという男が、こんな事件を起こし、社会の正義に真っ向から刃向かうのには、彼自身の生い立ち、在日という立場の不当な扱いが根底にある。むしろ、彼が犯罪へと悪へと生きたのは、きっとそれだけが理由なのだろう。
    本人の人柄や才能がどんなに優れていても在日韓国人であるという、ただそれだけで差別され不当な扱いを受け続けたのだろう。そのことへの恨み、憎しみ、日本社会への反感、それは、日本で日本人として生きる私などが想像もつかないくらい壮絶な思いなのだろう。
    自らのうえに、日本という国家は正義を果たしてはくれない。彼にとって、警察は日本と言う国家の偏った正義の象徴であったかもしれない。刺し違えても警察を翻弄したことが、せめてもの復讐だったかもしれない。
    本人がこの世を去った今となっては、それらすべての心情をうかがうことはできないし、記事にもできない。それであっても、もう少し深くほのめかしてもよかったのではないだろうか。おそらく、あの記述でここまで読みとる読者はそうはいまい。

    そして、たとえ根底に差別という深い苦しみがあったとしても。
    彼を犯罪へ悪へと追い詰めたのが、たとえ、日本という国であり日本人であったとしても。
    それでもやはり犯罪は犯罪なのだ。誘拐や脅迫は深い精神的トラウマを被害者家族に残す。父親を目の前で誘拐された子供たちにどれほどの傷を残したのか。さらに事件に絡んで滋賀県警では本部長が定年退官と同時に焼身自殺している。
    「どくいり たべたら 死ぬで」とは、けして石川五右衛門のようなヒーローではないのだ。誰一人傷つけずに、金持ちから金だけとって、貧しい人に配り歩くヒーローなんかではない。
    このルポルタージュから真実を推測するに、そもそもグリコの社長が狙われたこと自体が逆恨みではないか。粗悪な設備をグリコに売りつけ、付近一帯を汚染させたことが、発端ではないのか。
    どんな立場で関わったにせよ、その犯人の一人を「鉄ちゃん」などと、親しみを感じるあだ名で語るべき話では、断じてないと私は思う。

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