お帰りなさい朝青龍

著者 : 内館牧子
  • 朝日新聞社 (2008年1月11日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (299ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784023302716

お帰りなさい朝青龍の感想・レビュー・書評

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  • 表題からも判るように、悪名高い横綱朝青龍の、諸々の事件の最中の話題が多い。今でこそ、横綱の鑑とも言えそうな白鵬だが、横綱昇進前は、先輩朝青龍を見習い、場所前の出稽古で格下の力士をつぶしそうなカワイガリを行い、すんでで、朝青龍二代目となるところだった。当時の良識ある親方集、横審などの指導を受け当時の熊ヶ谷親方(現宮城野親方)の徹底した指導導きで、今では相撲オタクともいえるくらいの、理想を追う尊敬される白鵬に。朝青龍は左利きという言い訳で勝ち名乗りの手刀を左手で長くして来た、引退直前まで.その上、みなさんもご存知の通り土俵の上でのだめ押しや、品ない仕草、土俵外での悪行のかず数。外国人だからというのも、左利きというのも理由にならない。なぜなら右手だけで食べ物を食べる宗教国では利き手など論外だし、外国で暮らすならば、その国のし来たりをある意味敬わなければならないし、例えば野球でもその発祥地、スポーツへのリスペクト無しには受け入れられないし大成もしない.イチローはどうだろう?野球へのアメリカへのリスペクトがあるから、尊敬もされ、一流の野球人にもなっているのだ。指導者がどれだけ大事か!今では当たり前のように指導が目に見える状態で、出て来てはいるが、あの当時日本人の中では当たり前になっていて、今更と思っていた指導教育の足りなさが、本来なら長く楽しませてくれたであろう一流アスリートの半人前の人格形成で失ってしまった.これは本人と同じ位指導者の責任が大きい。今でも、為になる内容多し!

  • 内館さんの相撲に対する愛情が感じられる一冊であった。そして彼女の考えには、ちゃんと裏付けや信念があり、そう簡単には揺るがない強さを感じた。

    人間的に尊敬できる内館さんだが、一つだけ気になる点がある。信頼関係を得てない朝青龍関に対して、要求ばかり出しても、彼にとっては不快なだけで、要求の本来の意味を見出せないのではないだろうか?

    彼女の意見は、納得の行く事が多いが、結果的に、朝青龍関の欠点を突く事のみに終始している。彼が日本に来て慣れない環境で苦労した事、横綱になるまでの絶え間ない努力、魅力的な相撲内容、いい意味でユニークな気性...それをもっと表現して欲しいなと思った。きっと彼女なら、絶妙な言い回しで表現できるだろう。

    そして同時に、内館さんはそんな事、重々承知であり、これらは全て、彼女が望む結果を出すための「シナリオ」なんじゃないか?とも思う。脚本家でもある彼女には、私の想像を超える(理解の及ばない)何かがあるのかもしれない。

    さて本書は、朝青龍関から始まり、諸力士の話題、相撲に関する話題、一応相撲に関する話題...と移り変わって行く。彼女の文章はとても読みやすい。角界の貴重な裏話も多く、特に後半は面白おかしく読み進む事ができる。

    そして最後に「番付外」と言う章があるが、実はここは番付外ではなく「横綱」かもしれない。相撲界では番付が低い順から割が進む事を考えると、内館さんは、番付外と書きながら、結びの一番と考えているに違いない。

    内容としては、東北大学相撲部での(監督としての)エピソードが、とてもユニークに描かれている。相撲は相撲協会だけの専売特許ではない。相撲連盟に所属して勤しんでいる人達もいる。それは大学相撲のCクラスであってもである。

    この本を通して、「守るべきもの」と「変えるべきもの」とちゃんと明確にしておく重要性、ちゃんとした信念を持たずに、軽々と何かを口外する事の無責任さ、そして、追及する事の楽しさを教えて戴いた。

  • 【No.192】読了。

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