いちばん受けたい授業

著者 :
  • 朝日新聞出版
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784023304505

作品紹介・あらすじ

いい先生って?いい授業って?「お手紙のいいところは?」と問いかける国語、折り紙で図形を見つける算数、太陽の光で目玉焼きを作る理科、ゲームで覚える英語…など。全国各地の小学校の意欲的な先生と授業を教科ごとに紹介。花まる先生76人のノウハウ公開。

感想・レビュー・書評

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  • 自分なりに、興味を引きつけるためのポイント掘り下げに役立つ書籍。
    折に触れて読みかえす。

  • 様々な先生の授業の特徴が簡潔にまとめられていてすごく参考になった。

  • [墨田区図書館]

    ■国語
    ・漢字:[一番]縦の中心線で折るとぴったり重なる漢字は?→木、土、日、田、山、谷…多いと200文字。横/縦に動かすとぴったり重なる漢字は?→朋、羽、弱/圭、炎など。

    ・漢字:[一番]2人で漢字大会、6年間全部の漢字表を2人1組で見て、プリントから見つけ出す。(電車が止まる場所です。駅。)

    ・漢字:[感動]漢字ビンゴ。お題(サンズイ)に沿って、3×3マスに好きな漢字を記入して、一人一文字ずつ発表していく。そのほかにも、「力」や「丁」をつけると違う意味になる漢字(田)を考えさせたり、「王」「求」「予」「里」の四つで出来る熟語(野球)を推察させたりする。

    ・漢字:[感動]反復メソッドを軸とし、6年生181文字を、1授業で20字ずつ(音読10回、指書き5回、空書き5回、なぞり書き3回、書き順5回)、4月中旬までの10日間の授業でまず教え、次からはプリント(表裏約40字分の熟語、答えを見ていい)をどんどん書かせ、読ませ(漢字ドリルの熟語を3分間でどれだけたくさん進めるかが目標)、どんどん進めさせる。そしてたまに飽きさせないために、クイズ的に楽しく教えていく。

    ・語句:[一番]国語辞典の読み方を読んで、その言葉を当てる。ことわざも1つ読み、意味を覚える。

    ・表現:[一番]テーマ(岡本太郎の「壁は自分自身だ」など)を設定したフリートークや字数制限(200文字)つきの作文。
    「初め」はどうして伝えようも思ったのか、「中」には伝えたいことの説明や中身、「終わり」は自分が思ったことや考えたことを盛り込む。付箋にメモ書きし、B4構成シートに貼っていく。

    ・表現:[一番]語り絵ゲーム。①違う、下手、ココなどは言ってはダメ、②消しゴムは使わず一度描いた線は消さない、③周囲の人を見ない。

    ・表現:[感動]翻訳法。読んだ物語を、日記、朗読劇、ペープサート(紙人形劇)、漫画、紙芝居、詩、五七五詩など、他の形に作り替える表現活動。劇など複数人以外のものは、一人一作品。

    ・論理:[一番]桶屋が吹けば〜のリンクゲーム→そんなの繋がらないゲーム

    ・百人一首:[一番]最後の5分に行う。

    ・ユーモア詩:[一番]

    ・読み取り:[一番]音読→思ったことを書き出させる→隣の人の意見も赤で追記する。
    先に読み取りの手法を教えてから、①会話文にこめられた思いの違いに注目する②登場人物の行動の意味を前後の文から推測するする③書かれている言葉を別の言葉に置き換える。

    ・コミュニケーション:[感動]褒め言葉のシャワー。1人の子を前に立たせ、その子への「褒め言葉」が浮かんだ子から次々に起立して発表するという形式。「優しい」などの単純表現ではなく、具体的な事例と多彩な表現を使うように指導することで、日頃から「観察力」、「語彙力」が養われていくし、順番ではなく全員が次々とシャワーのように発言することで、授業中の発言力も高まる。多面的な人間の価値観もつき、自分も客観視できる。


    ■算数
    ・九九版ジオボード:[一番]あわせて十になる数は同じ形になる。

    ・四角の内周と外周:[一番]一辺40cm四方の四角の中で半径10cmの円を転がすと、一辺20cmの四角形。でも外側で転がすと、角の形は弧を描くので、40cm×4+半径10cmの円周。

    ・大きな数:[感動]先生考案の20枚カード(10枚は左上に0~9の1桁の数、右下に0が1つ、残りの10枚には左上に「55」など2桁の数、右下に00の数)を2人1組で5枚ずつ選んでもち、数の大きさを競う。すると最初の数が小さくても桁数が大きければ勝つ(大きな数となる)など、楽しいゲームに。

    ・算数手品:[感動]あれ?と思える問題を出すことで、驚きから探求心をかきたてる。例えば、好きな3桁×7×11×13(=1001)をやらせると、繰り返す数に変身することで驚きを覚える。

    ■理科
    ・腕の模型:[一番]ベニヤ2枚、フック8本、輪ゴム4本で、後ろに曲がらないよう板を少し重ね、ゴムを表にも裏にもクロスさせて4箇所につける。

    ・内臓の模型:[一番]ストッキングを使って等身大の人型の上に配置する。食道は白、大腸は黒、胃と小腸は肌色。

    ・季節見つけビンゴ:[感動]3×3マスそれぞれに、課題(春:黄色の花、鳥の鳴き声、木の芽、土から出てきた生き物…、夏:ツバメの巣、ヒョウタンのつる、種のある草…)を書いておいて、そのマスの課題を近くの自然の中から見つけて、マスの中にスケッチし、名前も調べて書いたら、先生に提出できる。

    ・「たとえ」の表現:[感動]観察や実験の中で、身近なものに置き換えて説明した、「たとえ」の表現をたくさん弾きだす。イメージする絵や言葉の表現を通し、観察眼や科学的思考力を高めることを重視するから。

    ■音楽
    ・毎回聴音:[一番]先生の弾いたピアノの音をドレミで歌わせる。

    ■図工
    ・私の椅子:[感動]木工作に力をいれ、木工の基礎を教える4年生の「箱作り」では、1枚の「杉板(185cm×15cm×15mm)」から「木取り(木箱の側板2枚、底板1枚、持ち手の側板2枚を、節を避けてどう切り出すか考える)」させ、「用の美」を意識して木表(樹の時の外側)が作品の外側に来るように10時間で作らせ、最後にどこでどう使うか考えさせる。そして6年生では卒業までに私の椅子を一人一脚作らせる。約束は一作業ごとに先生に見せて合格をもらってからでないと次に移れないこと。

    ■体育
    ・走る仕組み:[感動]通常トップスピードになるのは誰でも同じ、11m~12m。そして全力で走る時の歩幅は身長以上。身長よりも短い歩幅の人は、ハードル(6m/7m)を4歩(=1.5m/1.7m)で走ることで、歩幅を意識して大きくすることができる。リレーではバトンパスが大事だが、その理論も同じ。第二走者のトップスピードの位置(=走り出してから10mくらいの位置)でパトンを渡せるようにすると良い。そのために、第一走者がどの位置に来た時に第二走者が走りだせば、トップスピードの位置で追いつくのかを鬼ごっこで確認→調整する。
    ・かき数調べ:[感動]3年生まではどんな泳ぎでもいいから、前よりも長く。高学年は楽に長く泳ぐ工夫を。クロールなら手のかき数、平泳ぎなら、足のけり数を友達に数えてもらって、なるべく減らす努力をすることで、より伸びのある泳ぎが出来る。また、スイム駅伝(4人で10mずつ、5分で計何m泳げたか)をすると
    、互いに見て、教え合い、学び合う機会になる。

    ■英語
    ・暗記カルタ:[感動]2人1組で、9ヶ国の国旗と国のかたちが描かれたカードを1:1で取り合う。

    ・質疑応答:[感動]爆弾ゲームと称して、音楽のなっている間に、先生の問に答えてから、爆弾を隣の子に渡していくゲーム。音楽が止まって爆弾が爆発したら、事前に決めておいたお金を没収される。

    ・絵本制作:[感動]「Whose Nose and Toes?」を元に、5年生が2年生に自作絵本による英語クイズを実践。クイズの前には簡単な自己紹介(名前、年齢、好きなものなど)も行う。

    ・旅行ごっこ:[感動]関東や近畿など地域ごとに6班に分かれ、店員と旅行者になって会話(いきたい都道府県や移動手段、交通費、地域の名物など)する。途中、クイズ(県の形から県名をあてるなど)に正解すると、交通費が安くなったり、お土産がもらえたりするワクワク要素も盛り込む。[←社会で都道府県の勉強をしているのでそれと関連付けさせた]、"What's Nagano famous for?"→"It's famous for apples and lettuce."で終わらず、"delicious, yummy"、景色なら"beautiful"などの一言を付け加え、クイズの結果に応じて先生が作成した16のフレーズ("Better luck next time.", "Good job!", "Go for it!"など)を使ったりする。数字の数え方が難しいという2年時には、瓶に30個くらいのビー玉を入れて手でつかませ、その個数を英語で数える活動を毎朝させたら1年間でかなり上達した。

  • 良い先生に当たるばっかりがイイこととは思わないけど、
    こ~ゆ~の読むと、やっぱこんな先生に受け持って貰いたいなぁ…と思ってしまう。

  • いろんな創意工夫を凝らして頑張っている先生方がたくさんいた。そんな先生にわたしもなりたい。

  • 朝日新聞で連載されている、全国のプロ教師(有名、無名どちらも)を紹介する記事をまとめた本。
    主に、記者が参観した一つの授業の記録と、教師のインタビューを織り交ぜて書かれている。

    字数が限られているので、それぞれの先生の本質までは迫れていない印象だが、たくさんの尊敬すべき先生達の存在と基本方針が知れ、有意義だった。「机間指導で、一人一人の書き込みに二重丸や花丸をつけていく」「ヒントボード」「子どもに気付かせる授業」等、初任研で教わったような基本の教育技術も知れる。

  • この本に出ている先生達の授業に共通しているのは、上手な「導入」の仕方。いかに、子どもたちの興味を引き出せるか?それぞれの切り口が面白い。

    • kazuhiro1224さん
      共感します
      ほんとに受けたくなる授業がたくさんありますねっ
      共感します
      ほんとに受けたくなる授業がたくさんありますねっ
      2011/03/06
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著者プロフィール

2005年朝日新聞社入社。総合プロデュース室・メディアディレクター。
週刊朝日記者として教育系記事等の執筆を担当した後、データ ベース事業部でデジタル商品企画開発に従事する。その後、新規事業部門「メディアラボ」で子ども向け教育サービス「朝日こどもニュース」を立ち上げた。
朝日新聞社のグループ企業との連携によって、新聞業にこだわらない子ども向けサービス開発を担当している。
『はじめての論理国語』シリーズの制作に携わりながら、多数の子ども向けワークショップ講師を務める。


「2017年 『これからの論理国語 小1~小2レベル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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