電気自動車ウォーズ 日産・三菱・トヨタ・ホンダのエコカー戦略

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  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784023304864

感想・レビュー・書評

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  • 最初は「電動自転車の充電施設をどう整備していくか?」っていう自分の課題から、「電動自転車の充電設備は電気自動車の充電施設と兼ねられていくハズだ」になって情報収集のために読み始めた本でしたが、個人的には未来の可能性にワクワクしながら読むことができました。まだまだ混乱期にあってどんどん書かれていることは変わっていっていると思うけど、各社の思惑を俯瞰しながら読めるので、とてもいい一冊だと思いました。

  • 自動車会社の部品と関連のある業界に身を置いているので、将来の自動車像についはビジネスの存続にもかかわることでもあり、非常に興味があります。巷に出回っている多くの情報を総合すると、近い将来(20年以内)はまだハイブリッドがエコカーの中では主流で、電気自動車は脇役のようです。

    しかし日本メーカ(日差、三菱)は、ハイブリッドで遅れた分を電気自動車で取り返すべく、戦略的に導入することを考えているようです。特に日産の取り組みは注目すべきで、米国政府及び欧州開発銀行からの低利融資も決定していて、それによる工場建設も進んでいるようです。今後のルノー日産の動きには目が離せないと思いました。

    以下は気になったポイントです。

    ・トヨタにとってEVは、THS(トヨタハイブリッドシステム)からエンジンをとるコンセプト、FCVにこのTHSをつけると燃料電池ハイブリッド車のコンセプトになる(p25)

    ・トヨタは他社と比較しても電子化の依存度が極端に高い会社でTHSは複雑なシステム、THSではブレーキを踏むと、回生ブレーキと油圧ブレーキを併用する(p28)
    ・電気自動車の実際の走行距離は、燃費測定モードの6割程度(アイミーブ:160キロとして100キロ程度)である(p32)

    ・電気自動車の電池寿命(10年15万キロ)を過ぎても再利用することは可能、日産はそれに目をつけて太陽光・風力発電の蓄電用の再販を検討しているので、電池の残価予想が可能となる、日産リーフのランニングコストは、1キロ:約1円、ガソリン車:7.5円よりもやすく、総保有コストは補助金を考慮すると安くなると試算(p39)

    ・電気自動車の特徴:1)低速トルクが強く発進加速良し、2)ノイズ音なし、3)反応性良好、4)キビキビとした運転、5)ロールセンター低く安定性良い、は高級車の要件を具備(p48)

    ・EV用の電池は、安定して距離を走るための電池の容量(80A目標)が要求、一方HV用の電池は、瞬発力が要求されパワー(出力)が必要(p49、210)

    ・日本メーカが電気自動車用技術で優れているのは、1)リチウムイオン電池、2)永久磁石式動機モーター、3)インバータ制御、である(p51)

    ・日産の電池量産計画は、日本座間(2010)、英国(12初頭)、フランス(12中)、ポルトガル(12中)、米国(12後半)である(p54)

    ・ゴーン氏でさえ、2020年のEVシェアは(新車販売ベース)10%程度、これは自動車業界の常識、大型上級車の電気自動車は現時点では無理でHVでしかできない(p61)

    ・エコカーにおいて全方位戦略を採るのは、トヨタ、VW、GM、ルノー日産、フォード、ダイムラー、選択集中戦略は、フィアット、プジョー三菱、現代、ホンダ、マツダ、BMWである(p67)

    ・三菱は米国でのゼロ金利ローンを展開した結果、支払いができない顧客が増えたため2004年に2154億円赤字を出し、ダイムラーが同年に資本関係を解消した、その時にアイミーブの開発も進めていた(p72)

    ・三菱の独自性はEV制御システムにある、部品は外部メーカに任せる、電池:GSユアサとの合弁会社(リチウムエナジー)、モータ:明電舎、インバータ:ニチコン等(p85)

    ・i-MiEVの前についている”i”は、インホイールモーターのこと、トランスミッション、ドライブシャフトがなく独立制御ができる車両にモータを組み込んだもの(p91)

    ・三菱がインホイールモーターをあきらめたのは、開発に時間・コストがかかること、メリットは制御性アップ、居住空間が確保できること(p93)

    ・現在の自動車メーカは、小さい車:EV,中大型車はPEVで、ガソリン車は燃費改善と住み分けしている(p101)

    ・ベタープレイスは、イスラエルとデンマークで、ルノーEVを使ったインフラ構築をする予定、クルマから電池を取り外して充電された電池と交換する脱着式システム(p147)

    ・液晶テレビが24インチ:30万円、ブラウン管テレビ:7万円だったが、液晶モニタがパソコンで使われだして30→12万円となった状況に、EVと既存車の関係が似ている、パソコンに相当するのがタクシー等の法人(p151)

    ・中国BYDは、1995年創業だが、2003年に中小自動車メーカ:泰川汽車を買収して自動車産業となった(p168)

    ・垂直統合の日本メーカに対して、欧米・中国メーカは、いいとこ取りをする水平分業でエコカーの戦いをしている、中国はシンプルなシリーズ式PHVを推奨(p177)

    ・トヨタのハイブリッド商品戦略は、2010年代の早い時期に年間100万台、2020年代に全モデルに展開すること(p233)

  • 新着図書コーナー展示は、2週間です。
    通常の配架場所は、3階開架 請求記号:537.09//Ts54

  • 内容は、一般の人向け。
    各メディアを通して得られる情報以上のものはない。
    ただ、自動車メーカー各社のEV開発動向を手軽にざっくりと把握するにはちょうどよい本かもしれません。

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