作品紹介・あらすじ
武士たちが残した言葉と、そこに込められた思いを、歴史小説家・火坂雅志の視線で照らす。織田信長、真田幸村、坂本龍馬など50の名言で構成。
感想・レビュー・書評
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・士を使ふに、第一の伝授あり。夏の火鉢、旱(ひでり)の傘と云ふことをよくよく味ひ、堪忍を守らざれば、士の我に服せぬものぞ。―黒田官兵衛
・必ず金銀にて人を使はんと思はるるは、人心の離るるもとなり。―大谷吉継 (金銀は世の宝の第一であるが故に、それが主となると君臣の間に金銀を仲立ちにした関係しかなくなり、実義が薄れてしまう。はじめはその家を望んで仕官した者も、金銀の方に心が奪われ、貧しかった時代のような、まことの心の結びつきが失せるであろう。)
・人材は必ず一癖ある者の中に選ぶべし。―島津斉彬
・大将、少しくつろげば、下々は大いに油断するものなり。
・使ふところは、その器に従ふのみ。
―加藤清正
・全徳の人は得難し、一失あれば一徳あり。一善あれば、一過はゆるすべきなり。
―徳川吉宗
・迂を以て直と為す。―上杉景勝
・死なむと戦へば生き、生きむと戦へば必ず死するものなり。―上杉謙信
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3.11後の気持ちの落ち込みを奮い立たせる言葉を探しつつ読んだ。
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生きるか死ぬかの時代を生きた人達の言葉は、どれも趣深い。
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[読んだ理由]==================
「スミスの本棚」で紹介があった。歴史小説家・火坂雅志。
[読んだ後の感想]==============
人物ごとに見開き2,3ページ程度に簡潔に紹介されてるので、読みやすかった。気に留まらなかったのは読み飛ばしてけば良い。
[備忘録]======================
■第一章:組織の理不尽に怒っている貴殿に、この一言
鬱憤:大石内蔵助
涙をかかへて沈黙す可し、他に策なし:中岡慎太郎
政治なるものは術(アート)なり、学(サイエンス)にあらず:陸奥宗光
我は兵を以って戦ひを決せん。塩を以って敵を屈せしむる事をせじ:上杉謙信
一忍を以って百勇を支う可く、一静を以って百動を制す可し:河合継之助
常在戦場とは「人生は全て戦場である。戦いが終わった後もしぶとく生き抜き、目先の勝ち負けよりも実利を取れ」ということだったという
■第二章:ものごとの段取りがうまくいかない貴殿に、この一言
急用のことなり、静に書すべし:小早川隆景
分別の肝要は仁愛なり。万事を決断するに、仁愛をもととして分別すれば、その思慮が理に当らざることありとも遠からず。人愛なき分別は知巧みなりともみな僻事なり
算用の道知らざる者は、諸事につき悪しきことに候。常に心懸け申すべく候事:藤堂高虎
分に過ぎたる価を以って馬を買ふべからず:竹中半兵衛
夏の火鉢、草の傘:黒田官兵衛
残すは盗なり。つかひ過して借銭するは愚人なり:石田三成
■第三章:人間関係の壁にぶつかった貴殿に、この一言
敬天愛人:西郷隆盛
一旦の約の重きことを存じて較ふれば、信濃一国は申すに及ばず、日本国を半分賜るとも飄し難し:真田幸村
愛:直江兼続
必ず金銀にて人を使はんと思はるるは、人心の離るる本なり:大谷吉継
上下万民に対し、一言半句にても虚言を申すべからず:北条早雲
人の主人は不動、愛染のごとくなるべし:朝倉孝景
人材は必ず一癖ある者の中に選ぶべし:島津斉彬
大将、少しくつろげば、下々は大に油断するものなり:加藤清正
下の功労を偸まざれ:北条氏康
上をそそうに、下を律儀に、物の筈の違はぬ様にすべし:千利休
全徳の人は得難し、一失あれば一徳あり:徳川吉宗
三人之半、少にてもかけこへだても候はば、ただただ三人御滅亡と思召さる可く候:毛利元就
当年の儀は年貢半方下され候:前原一誠
志れば迷ひ、志なければ迷はぬ、恋の道:土方歳三
ならば殿と一戦つかまつる:本多忠勝
忠義を貫くべき時は貫き、意見をいうべき時には、命を賭して物を言う。一本筋の通った武士の生き様である。
■第四章:物事が軌道に乗り始めた貴殿に、この一言
勝負の事、十分を六分七分の勝は十分の勝なり。子細は八分の勝はあやふし。九分十分の勝は、味方大負の下地なり:武田信玄
信長の代、五年三年は持たるべく候。明年辺は公家などに成らるべく候かと見及び申候。左候て後、高ここびにあおのけにころばれ候ずると見え候:安国寺恵瓊
天下布武:織田信長
茶の道は時の移るによりて改むるところあり:古田綾部
また勝ちたり:徳川家康
いっときの感情に流され、怒りを爆発させることはたやすい。だが、感情を飼い慣らせぬようでは、厳しい戦国の世を生き残ってはいけぬことを、幼少期の経験から、家康は身にしみて学び取っていたに違いない
■第五章:進むべき道に迷っている貴殿に、この一言
大飯、早食らひ、憂ひこと無用:豊臣秀吉
迂を以って直と為す:上杉景勝
★今日のママニシテ瓦解せんよりは、寧ろ大英断に出て瓦解いたしたらん:大久保利通
★面白き こともなき世に 面白く すみなすものは 心なりけり:高杉晋作
★草履片々、木履片々:黒田官兵衛
人は大きなチャンスを前にすると臆したり怯んだりする。なぜなら、チャンスは最初、ピンチのようにみえることが多いからである。少し様子を見てから走りだしても遅くはあるまい、などと自分に言い訳をして後込みしてしまう。
曇りなき 心の月を さき立てて 浮世の闇を 照らしてぞ行く:伊達政宗
いそぐなよ また急ぐなよ 世の中の 定まる風の 吹かぬかぎりは:島津義弘
今度は天下の草創なり、もっとも淵源を究め行はるべく候:源頼朝
生きるまで生きたらば、死ぬるでもあろうかと思う:前田慶次
■第六章:人生の大勝負を目の前にした貴殿に、この一言
日本を今一度せんたくしたし申候:坂本龍馬
人には余裕といふものが無くては、とても大事は出来ないヨ:勝海舟
彼のなすところを以って、これを我になせば、すなわち見たざることなし:立花宗茂
★死なむと戦へば生き、生きむと戦へば必ず死するものなり:上杉謙信
御家人巳下、軍兵等は守護の名に随い、防戦の忠を致すべし:北条時宗
是非に及ばず:織田信長
吾死するとも自由は死せん:板垣退助
★なせばなる なさねばならぬ 何事も ならぬは人の なさぬ成けり:上杉鷹山
見るべき程の事をば見つ。今は何かを期すべき:平知盛
わが罐子の蓋は名人の鋳たるもの:長宗我部元親
至誠にして動かざるものは、未だこれ有らざるなり:吉田松陰
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面白かったです。考えさせられる言葉もたくさんあって、勉強になります。ここでこの人物もってくるか!など構成も楽しめました。
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すぐ読めます!
いろんな偉人の名言が載ってます。
それぞれの生き方が面白い。
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名言集に作者さんのご意見付き。
こういうの楽しいです。
得た言葉を生かすも殺すも自分次第ですよね。
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面白いです。発する言葉からその人の思想を垣間見たような気分にもさせられ、歴史好きにはすごくお勧めです。
気になる言葉かあったら、小説でも漫画でも良いのでその人について書いたものを読んでみてください。
著者プロフィール
作家
「2017年 『左近(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」
火坂雅志の作品