堕ちた翼 ドキュメントJAL倒産

著者 :
  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784023308107

作品紹介・あらすじ

"放漫経営のDNA"はいかにしてナショナルフラッグを破綻へと導いていったのか?戦後最大とも言われるJAL倒産。赤字路線、労働組合、企業年金など様々な問題を抱えながら、本当に再建できるのか?会社更生法申請から現在までの軌跡を辿り、真実に迫るノンフィクション。

感想・レビュー・書評

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  • “放漫経営のDNA”はいかにしてナショナルフラッグを破綻へと導いていったのか?本書は『戦後最大の大型倒産』とも言われるJAL倒産を追ったノンフィクションです。彼らの姿から自らも襟を正したく思います。

    ここ最近、ずっとJALが経営破綻に至るまでの本をいくつか読んでまいりました。どの本にも共通していえることは歴代経営陣の『不作為』と赤字路線の拡大。強力な力を持つ労働組合がいくつも存在し、それぞれがお互いに反目しあっているということ。高すぎる従業員の給与や企業年金。その他もろもろは書いている人によって若干の差があるのですが、おおむねこういったところが『戦後最大の大型倒産』を招いたのだろうな、というのが現時点での実感です。

    現在はどうなのかは内部の人間ではありませんので詳しくはわかりませんけれど、経営再建に向けて『血を流しながら』がんばっているものであると信じております。本書の中には民主党の政権交代以降、当時の前原国土交通大臣に委嘱された「タスクフォース」の動向や、官邸、財務省、金融機関はそれぞれどう動いたのか。 そういうことに関しても事細かく書かれてあってその点は読み応えがございました。個人的には最後のほうに出てくる辻本清美議員が自身の実家が商売を営む商家で何度も大きな浮沈を経験していらしている、というだけに
    『(中略)お金がないということがどういうことかわかるんです』
    という言葉が本当に重みを持っているものでした。
    JALの経営再建に取り組み始めたころの稲盛和夫氏が経営陣に向かって
    『君たちこんなんじゃ八百屋の経営だってできないよ』
    とおっしゃっていたことをこの言葉から連想してしまいました。

    この文章を書いている現在ではJALがまた上場するのかがわかりませんが、かつての『ナショナル・フラッグ・キャリア』としての矜持を持ちつつ、『健全』な会社として生まれ変わり、厳しい国際競争を勝ち抜いていっていただけることを、及ばずながらこの場を借りてお祈り申し上げます。

  • 登場人物が多い上にストーリー仕立てがあまり上手じゃないからか、ぷつぷつ切れている印象で読みにくかった。JALの中の人だけではなく外の人も含めて、利権っぷりが激しくて読んでて色々げんなりした。まあ、国策企業なんてそんなもんなんだろうなぁ、今はどうなんでしょね。

  • ◯出会い
    日経BP ビジネスプロフェッショナルの教科書ひて紹介

  • [その鶴は、黒い]日本における戦後最大規模となったJALの倒産。ナショナル・フラッグともてはやされ、華やかさを伴う憧れの的となったその企業は、いかにして坂を転がり落ちていったのか。会社更生法の申請までをめぐる政財界の動きと合わせて詳細に記した作品です。著者は、『ヒルズ黙示録 検証・ライブドア』などの作品で知られる大鹿靖明。

    本書で詳述されるJALは、まさに絵に描いたように典型的な没落組織の姿。責任の所在が判然としない企業体系、バブルの上げ潮に押される形での放漫財政、そして社内における小派閥の乱立...。「あのJALが...」と倒産時のニュースを見ながら思ったものですが、あまりのひどさに、その内部事情を知っている者からすれば「あのJALね」という感想を抱いていたのかもしれません。

    どのような経路をたどって法的整理に落ち着いたかという点も本書の読みどころの1つ。発足間もない浮ついた空気感の中で、いささか「唐突に」民主党政権が対応を余儀なくされたということが浮き彫りにされています。また、いざというときには市場や世論の動向などから、政府が取れる政策の範囲がそこまで広くはならないんだなということを再確認させられました。

    〜JALの体質の最大の特徴は、本来責任を負うべきはずの経営幹部たちが自身の在任中に問題と正面から向き合わず、後続の者にツケ回しし、傷が拡大する点にある。〜

    大鹿氏曰く次はメディアだそうです☆5つ

  • JALが倒産するに至った背景を
    綴ったドキュメンタリー本。

    なるべくしてなった、
    典型的な経営破綻過程や
    日本企業の問題点を学ぶうえで
    とても参考になる一冊。


    第1章 政権交代
    第2章 タスクフォース
    第3章 タスクフォースⅡ 失速
    第4章 寄生産業
    第5章 負の遺産
    第6章 ダッチロール
    第7章 二次破綻リスク

  • とりあえずJALがちゃんとできなかったのがわるい、みたいなかんじによめました。

  • JAL再建の舞台裏を詳細に綴った本。

    航空産業のビジネス環境やビジネスモデルについての記述はあまりなく、あくまで再建の舞台裏で官邸・官庁・タスクフォース・企業再生支援機構・金融機関・米航空事業会社・JALの各プレイヤーが、どのような状況下で、どのような思惑の下、どのように振る舞ったかを細かく記述していく(ただし、JALの過去の経営については、1章割いて説明している)。

    数多い関係者へのインタビューに支えられた興味深い裏話を基に、各人の思惑や行動原理を鋭く炙りだしている点は称賛に値する。

    しかし、全体をいちストーリーとして見た場合、些か焦点が定まっていない印象が拭えない。そもそもの事実関係が山場に欠けるというのはあるだろう。
    実際、結局のところ事の顛末は、
    ①官庁とタスクフォースが、政投銀の貸し渋りと資金ショートへの懸念から、法的整理を避け、私的整理を推していた
    ②ところが、JALや官僚に不信感を抱いていた菅から、「私的整理ではJALに対する責任追及が甘くなる、ケシカラン」という鶴の一声があがった
    ③菅を始めとする官邸の主導で、渋っていた政投銀を折れさせ、彼らの融資による資金ショートの回避が決定し、法的整理へと舵が切られた
    というだけである。

    であれば、もう少しコンパクトにまとめてもらったほうが良く、記述が不必要に詳細に過ぎる嫌いがある(例えば、結局覆されることになるタスクフォース案に150ページ弱も費やす必要はあったのか?)。

    とは言え、JAL再建に関してはこれ一冊読めば、裏舞台を含めて何が起こったのか大体分かると言う点で、価値のある本ではある。

  • JALの倒産までがよく分かった。JAL変わったわけではなく、まだ2次倒産があるのではないか、まだまだ経過を見守っていく必要がある。次はマスコミが崩壊するという予測はどうなる。

  • 努力は退屈で往々にして実を結ばない     

    そして、責任を取るべき人達は見当違いの努力しかせず、悪評紛々、といったような話。あちこちに気を遣ってか、曖昧模糊としたところもあるが、それが実相なのだろう。

  • 緊迫感が伝わってきて非常におもしろかった。
    「チケット売って、飛行機飛ばして、整備すればOK、技術革新等は航空機メーカーが勝手にやってくれる。やる気は育たない」
    たしかにそうだと思った。最終章で次はメディアだと言っているが、そのとおりだと思うし、ほかにもいいぱぱいありそう。Appleとか、、

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