課長力 逆境を突破する6つの力

著者 :
  • 朝日新聞出版
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784023308442

感想・レビュー・書評

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  • 課長とは、新たな価値を創造し、たくさんの幸せを生み出す人と定義している。部長とは違って、まだまだリスクを背負っていい地位なので、創造と変革を担うべきであると説いている。
    課長になったら、自身のプロジェクトXを持ち、何らかの突破を示すべき。ハングリー精神という言葉を表現できる人材になっていたい。

  • 第2章は読むプロジェクトX。読んでいてワクワクした。
    第3章は課長本人むけ。第4章は上層部向け。
    ヤル気を出させてくれる本でした。

  • カラーズ高田裕子さんのブログ、ビジネス・カレッジの読者としてフォローしていて、そのメイン講師である遠藤さんのアツい講義の模様が浮かび、手にとってみました。
    都内在住なら、一度は参加してみたいセミナーです。
    本書は、会社のハブであり、キーとなる層である課長に焦点をあてた内容ですが、経営層や一般社員にも十分適用できます。
    課長力とは、突破力である。
    そのベースは、ハングリー精神であり、危機的状況で何か行動を起こさなければならないという自覚を持っているか。その要因として"危機感"と"マイナーな存在"という逆境が、本書で紹介した6人の課長にあった。
    また、他の誰かのためにという「利他の精神」を持っていること。
    課長力は、以下6つの力に分解できる。
    1観察する力 現地現物を心掛け、目的意識を持ち、小さな気付きを大切にする。
    2跳ぶ力 思考や発想を飛躍させるために、顧客目線で考え抜き、思い切り外れることを恐れずに、様々な思考を組み合わせで考える。
    3伝える力 論理性と説得力を示すために、事実をベースに、必死のコミュニケーションで、伝える順番を考えながら。
    4はみ出る力 上に横に斜めに下へと縦横無尽に、理解者や共感者を増やす。衝突を恐れず、反対者を減らすべく、じわじわとそして大胆に。
    5束ねる力 コアチーム結成を目指し、まかせて育てる手法で自分の分身をつくりつつ、リーダーとして安易な妥協をしない(ぶれない)。
    6粘る力 社内常識と事業化の二つの壁を突破するために、小さな成功で満足せず、現場の小さな声に耳を傾けながら、自分が最後の砦だと自覚して行動する。
    論理的であり、且つ情熱も伝わる優良書でした。
    (一読された方、長文になってしまいすいませんでした)

  • ☆3.5
    私も創造者になりたい!と、気分が高揚する本だよ。
    課長の重要さと求められる力が非常に論理的に書かれているよ。
    各章の終わりや付録に要点がまとめられていて、課長の「突破力」を身につけるための方法が一目瞭然でまとめられている。
    しかも、実際に突破を成し遂げた課長たちの事例が具体的で、自分に当てはめて考えたらたくさんの気づきを得ることが出来たよ。
    課長に限らず、突破力を持ち、創造、変革の先駆けとなる人間になりたい人には参考になる部分がある本だと思ったよ!

  • 課長というポジションの企業における重要性と可能性を述べ、6つの具体的な成功事例を挙げてそこに見える「課長力」を形成する6つの力、会社が「課長力」を強化するための4つの仕組みを提言する。論理的に構成され、現実でも参考になる良いビジネス書と思う。

  • ・課長としてどんな仕事を成し遂げたのか、何に挑戦しようとしたのかが、その後の課長個人の「器」を決める。そして、課長の「器」の大きさが、企業の「器」の大きさを示している。
    ・自分の仕事を「さばく」こと、「こなす」ことだと考えている節がある。難題にチャレンジし、壁や障害を「突破」しようとする意欲と力量に欠ける面がある。創造や変革は、「突破」がなければ絶対に生まれまい。
     何かを「突破」するためには「強烈な主観」が不可欠である。環境が厳しければ厳しいほど、「主観」から生まれてくるオーナーシップこそが、数々の障害や壁を乗り越えるための原動力である。
    ・「突破」のプロセスこそ、人を育てる絶好のチャンスである。
    ・普段のルーチン業務を淡々とこなすだけでは、人は育たない。壁にぶつかり、障害を乗り越えることこそ、「一皮剥ける」体験である。
    ・「突破力」とは壁や障害が存在しないところでは、必要がない。壁が高ければ高いほど、障害が大きければ大きいほど、より大きな「突破力」が求められる。
    ・跳ね返されるのはある意味、当たり前。跳ね返されても、すぐに立ち上がる、「折れない心」がなくては、「突破」は果たせない。高い壁だからこそ、「突破」する価値がある。「突破」とは諦めないことである。
    ・「さばく」「こなす」ことが課長の仕事だとなってしまえば、その企業がやがて地盤沈下するのは自明である。
    ・理屈ではなく、腹の底から「よしやってみよう」と思ったとき、課長たちは動き始める。その際のキーワードは「お前が必要なんだ」「責任は俺が取る」という二つの言葉。
    ・部下を変えるなんて倣漫な気持ちでは駄目だ。まず自分が変わる。それができれば、部下たちもきっと変わってくれすはずだ。
    ・浮ついた、空虚な言葉を投げかけるのではなく、ひとりの先輩社員として、ひとりの人間として「自分が現状に立ち止まらず、いかに挑戦しようとしているか」という一人称の言葉を熱く語ることが重要である。
    ・「まかせられない」会社から「突破する課長」は生まれてこない。「まかせる」とは、課長と仕事をともにする経営上層部の「器量」が問われることでもある。
    ・「0から1」と「1から100」はまったく異なるチャレンジである。より重要なのは「0」から「1」を生もうとする人材である。なぜなら、「0から1」は最も多くの抵抗や反対にあうことが必至だからである。

  • さばく、こなす、だけではなく突破する事が大事!
    課長力は6つの力が必要。
    観察する力、跳ぶ力、伝える力、はみ出る力、束ねる力、粘る力

  • 現在企業の中で組織のフラット化が進んでいますので、この本でいうところの「課長」という定義が少し不明確なところがありますが、私は「最小限のチーム」を率いる人を課長と認識しています。

    その定義に基づけば、私も数年前からあるプロジェクトのリーダーを任されていることもあり、普段配っている名刺に書かれているものとは少し異なりますが、私はこの本でいうところの「課長」に相当することになります。

    今後のプロジェクト運営を円滑にするためにも、この本で紹介されている、課長力を構成する、6つの力が意図するものを自分なりに咀嚼してみる必要がありそうです。

    特に、課長の仕事は管理することではなく、チームを「束ねる」ことによって、チームの力を極大化させること(p155)は大切なポイントです。個人的には、6つの力の中で、「観察」「跳ぶ」「伝える」束ねる」に注力してみようと思います。

    成功していないのにギラギラ感のない(爽快感のある)秘訣=他の誰かのために頑張る(p212)、はこの本から得られた最大のポイントと認識しました。

    以下は気になったポイントです。

    ・世界最強を誇り、日本のモノづくりの代名詞でもあったトヨタ自動車がGMを追い越した途端に苦境に陥ったのは、日本経済が成し遂げてきたこの50年の成長曲線がピークアウトを迎えて、次の50年の入り口にあることを示している(p27)

    ・デュポン、ジョンソン・エンド・ジョンソンが、100年以上も優良企業として地位を確保しているのは、新たな成長曲線を自ら描き、実現するという「新陳代謝」を能動的に繰り返してきたから(p29)

    ・課長が重要な理由として、1)時間軸の長さがある、定年まで20年近くある、2)会社を変えるだけのインパクトを持ち得る大きな集団、3)リスクをとれるポジションである、こと(p33)

    ・多くの企業が「守り」に終始してしまっているのは、1)大きな成功や失敗体験が少ない、その機会自体が存在していなかった、2)上司から教えられたり、後輩に教えた経験が少ない、3)チームや組織に対する帰属意識が少ない、である(p41)

    ・自分のアイデアに賛同してくれる仲間をつくれなかったことが、敗因としてあげられる(p60)

    ・「変わっているなという人が時代を変える」、失敗しないのは、けっして良いことではない(p77)

    ・大組織の中で何かをしようとする時は、最初はあまり目立たない方がよい、ある程度までは地味にコツコツやって「いける」と思ったら組織に働きかけたほうが効果的(p83)

    ・「観察する力」を高めるためには、1)現地現物を心がける、2)目的意識を持って、じっくりと観察する、3)小さな気づきを大切に、である(p128)

    ・小さな気づきをもとに、「仮説」を打ち立てることが、種を育てて、花を咲かせ、果実を手に入れるために必要(p129)

    ・常識に挑戦して「跳ぶ力」を高めるためには、1)顧客目線で考え抜く、2)勇気をもって、思い切り外れる、3)複数の「小さな気づき」を組み合わせながら発想する、である(p135)

    ・伝える力を高めるには、1)事実を突きつける、2)熱意をもって本気でやる、3)誰に対して、どのような順番で伝えれば有効かを考える、である(p142)

    ・課長の仕事は管理することではなく、チームを「束ねる」ことによって、チームの力を極大化させること(p155)

    ・束ねる力を高めるには、1)自分の「分身=自分の思いを共有できる人」とつくる、2)ぶれない軸=目標をつくって、安易な妥協はしない、3)任せて、育てる、である(p157)

    ・6つの力とは、観察・跳ぶ・伝える・はみでる・束ねる・粘る、である(p167)

    ・成功した人にギラギラ感がないのは、「他の誰かのために精一杯努力して頑張っているから」(p212)

    2011/3/13作成

  • ■仕事術
    1.仕事には「目的」が必要である。その目的はひとそれぞれだし、目的自体に高いも低いもないが、多くの場合、それは「自分のために」である。しかし、目的が「自分のために」にとどまってしまうと突破のエネルギーが湧いてこない。

  • 課長になって丸五年、この本を読んで自分の仕事はこなしばかりで何事も成し遂げていない、突破していないことを改めて思い知りました。大変ためになりました。

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著者プロフィール

遠藤 功(エンドウ イサオ)
株式会社シナ・コーポレーション代表取締役
早稲田大学商学部卒業。米国ボストンカレッジ経営学修士(MBA)。三菱電機、複数の外資系戦略コンサルティング会社を経て、現職。2006年から2016年まで早稲田大学ビジネススクール教授を務めた。2020年6月末にローランド・ベルガー会長を退任。同年7月より「無所属」の独立コンサルタントとして活動している。多くの企業で社外取締役、経営顧問を務め、次世代リーダー育成の企業研修にも携わっている。
株式会社良品計画社外取締役。SOMPOホールディングス株式会社社外取締役。株式会社ネクステージ社外取締役。株式会社ドリーム・アーツ社外取締役。株式会社マザーハウス社外取締役。
15万部を超えるロングセラーである『現場力を鍛える』『見える化』(いずれも東洋経済新報社)をはじめ、『現場論』『生きている会社 死んでいる会社』(いずれも東洋経済新報社)『新幹線お掃除の天使たち』(あさ出版)『ガリガリ君の秘密』(日経ビジネス人文庫)など、ベストセラー書籍多数。

「2022年 『「カルチャー」を経営のど真ん中に据える』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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