私は無実です 検察と闘った厚労省官僚村木厚子の445日

  • 朝日新聞出版
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レビュー : 13
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784023308466

作品紹介・あらすじ

2009年6月14日、"厚生労働省の星"との呼び声も高かった女性局長が大阪地検特捜部に逮捕された。逮捕容疑は、虚偽有印公文書作成・同行使。実態のない障害者団体に偽の証明書を発行するように部下に指示した、というものだった。しかし、逮捕直後から一貫して、「私はこの事件に関与していない」と容疑を否認していた。

感想・レビュー・書評

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  • 事実は小説より稀なり。なんていうけど、この本を読むと強い憤りを禁じ得ません。この本が出版されたのは厚生省の村木さんの無罪が確定する前です。なのに。

    検察官個人の問題に帰するには余りにも不合理です。

    で、我々が気をつけなくてはいけない事は、、、
    クリアな日記をつけて、開示する。
    役人に言われた書類にサインしない。
    役人を信用しない。

    そんな日本って寂しいですよね。優秀な国家公務員の皆様、立ち上がってください。

  • この事件について書かれているのですが、村木さんを逮捕し、5ヶ月も拘置所に入れて犯罪者にでっち上げようとする過程が詳しく書かれています。
    村木さんは取り乱したり気落ちせず、強い信念と精神力で最後まで闘って、無罪となります。

    こんな酷い話はないと思いますが、村木さんは「この事件をどのように自分に取り込むかは自分次第」と話されていて、どんな時でも学びにしてしまうのが印象に残りました。

  • P19より。
    「私は多くの官僚や役人と呼ばれる人の中に飛び込んで仕事をしてきたけど、ほとんどの障害者団体は、役所と対立する立場で要望・要求をする側なんです。だから役所の人は要求団体と距離を置くのがふつうなんやけど、厚子さんはぽーんと自然にふところに入っていくの。官僚でありながら障害者団体にもファンが多いのは、厚子さんくらいやと思うわ。彼女のような公務員を失うのは日本の大きな損失やで」

  • 正義を貫くはずの検察が、自ら組み立てたストーリーを基に架空の犯罪を仕立て上げてしまった郵便不正事件(村木さん事件)に関する真相に迫ったドキュメンタリー。
    「何が彼女を容疑者としたのか」という点を考えさせられた。
    後から覆られる関係者の自白、根拠のない検察のストーリー、面白おかしく伝えるワイドショーなど、、
    第三者が、一人の人の人生をあまりにも軽々しく扱ってしまうこと
    すでに村木さんの無罪判決がくだされてから1年以上が経過したので、この本から感じたことをちらほらと。
    1.人間の記憶は曖昧だ。
     村木さんが起訴されるきっかけは、物証ではなく様々な証言。
     その証言はあいまいな記憶から生み出されていた。
    2.ぶれないことは難しい。
     拘置所と裁判所で発言のぶれが大きい事件だったが、
     ほぼ村木さんだけは一貫して無罪を主張していた。
     何らかの拠り所、自分自身を信じ抜くことができなければ、
     決してできないだろうと思った。
    3.証拠の可視化は必要だ。
     物証が無くても、自白を証拠として採用する仕組みがある以上、
     自白を得るまでの過程の可視化は必須だと思った。

    読んでからすぐにレビューを書かなかったので、ちょっと支離滅裂だけど、警察や検察は、市民の主権を制限する立場にあるのだから、その行使は誰からも疑われない、きちんとした証拠に基づいて欲しい。それを思った。

  • なぜ検察はここまで暴走したのか? なぜ関係者は次々と供述を翻したのか?この本は『村木事件』の発生からその顛末までを丹念な取材を重ねて書き下ろされたものです『売れなくてもいいから出す』という矜持に乾杯!

    いわゆる『村木事件』とはいったいなんだったのか?その疑問について丹念な取材をかさね。売れないことを承知で出版した版元の覚悟に敬意を表したいと思います。

    事件が発生してから周辺の人間が逮捕され、村木厚子氏のところにまで検察の捜査が及び、取調室や裁判の様子がここには克明に描かれておりますが、『ストーリー』に何が何でも容疑者の『証言』を当てはめていこうとする彼らと『自分は断じてやっていない』と主張する村木女史との攻防は本当に行き詰るものでありました。よく『取調室で検察官と向き合うのは全人格をかけた戦いである』という話を聞きますが、まさにその言葉がふさわしいものであるなと感じました。

    僕はこの本で村木女史の経歴を知ったのですが、地方の国立大学からキャリアとして入省し、以来、仕事にまい進していたのだなと。末は女性初の事務次官といわれながらもこういう形で『塀の中』に落ちてしまった彼女の心中はいかばかりであったろうと思わずにはいられませんでした。

    ハイライトは裁判の際に検察官から「ゴメンナサイ」してしまえば執行猶予がつく。あなたの犯した罪はたいしたものではない。と『ささやいた』時にそれを認めるくらいだったら「恋に狂って殺人に問われたほうがまし」と啖呵を切った場面でした。僕の頭の中にある村木女史のイメージでは、とてもそんなことをおっしゃる方だとは思えないので、よほど腹に据えかねるものであったのだろうな、ということと、取調べがいかに過酷だったのだろうなということ。そして、彼女がその半生をかけて取り組んできた仕事に対する矜持を感じました。

    この『村木事件』は日本の検察捜査の歴史の中でも重要な意味を持つものであると思いますので、こういう『記録』を残してくれた方々に深く感謝いたします。

  •  こう書けばこうなるよね,という話かなぁ。公判の様子は伝わってきたけど,週刊誌臭さが拭えないと思うのは偏見ですかね。。。なんというか,すぐに検察万歳も書けそうな気がしてしまう。

  • 検察の不祥事が続いているがその象徴ともいえる事件の内幕を描く。
    独善、思いこみ、メンツ、そういったものがエリートである検察官僚を支配している。
    私たち普通の市民にとってもこのことは他人事ではない。

  • 実態のない障害者団体「凛の会」の郵便料金不正事件に端を発した、現役厚生労働省の局長である村木さん逮捕、そのドキュメントである。
    詳細な取材をもとに書かれており、臨場感がある。
    検事もヒトの子、すべてが善人ではない。
    冤罪は検察によって作られるその決定的なノンフィクション。

  • 人生には災難や、まったく身に覚えがない罪を着されることがある。しかし、その経験を自分のなかにどう取り込むかは自分次第だ。

  • 一気に読み終わる。正義って何だろう。この国の闇を垣間見た気がした。個人をスケープゴートにして終わらせようとしているが、組織の犯行だということがよくわかる。この本を、このタイミングで出したことに感謝。

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著者プロフィール

1966年、大阪府に生まれる。ジャーナリスト。
大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。
著書に『無法回収』(椎名麻紗枝との共著、講談社)、『内部告発──権力者に弓を引いた三人の男たち』(鹿砦社)などがある。

「2010年 『闇に消えた1100億円』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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