ドラッカーの教えどおり、経営してきました

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  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784023308909

感想・レビュー・書評

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  • *「業績は企業の内部には生じない」「業績は、企業の外部の顧客に、市場に依存する」。
    *営業で一番大切なことは、顧客に会う時間をいかに長く取れるかである。ドラッカーは、「人材は、雇うことができる。ところが時間は、借りたり、雇ったり、買ったりして増やすことができない」として、そのかけがえのない時間が失われているとしたら、何に時間がとられているのか、まずはそれを明らかにすべきといっている。営業の場合、顧客に会う時間が少なくなる一番の理由は、移動に時間が食われてしまうからだ。一般に営業マンは、勤務時間の2割以上、人によっては5割以上を移動に費やしているといわれている。営業マンは顧客に会ってナンボであって、利益を生まないムダな移動時間は、可能な限り短縮しないといけない。週によって訪問するエリアを決めて、そこを重点的に回るように指導した。その結果、ムダな移動が減って、多ければ1日に10軒以上も回れるようになったのだ。
    *会議は原則でなく例外にしなければならない。みなが会議をしている組織は何事もなしえない組織である。時間の4分の1以上が会議に費やされているならば、組織構造に欠陥があると見てよい。会議が時間の多くを要求するようになってはならない。
    *兼務の禁止。権限が明確でない組織はダメになる。
    新しい事業を立ち上げるとき、企業はしばしば有能な人材にその責任者を兼務させる。しかし、これはやめたほうがいい。どんなに有能であっても神様ではないのだから、二つの仕事をパーフェクトのこなせるなどということはあり得ない。必ず仕事に優先順位をつけて、そのときどきで力を配分するようになる。結果、どちらも中途半端になるのだ。組織の「権限」と「責任」は明確であるべきで、兼務は禁止すべきなのだ。誰かに兼務させるような新規事業なら、はじめからやらないほうがいい。そもそも企業が本気で新しい事業をやるなら、誰かに片手間にやらせるのではなく、最初から社内のエースをその事業に投入すべきである。「真に一級の人材は、その仕事から引き出して別の仕事の基礎作りに振り向ける。なぜなら、最高の能力、最も困難な作業、卓越した想像力を必要とするのは、物事を軌道に乗せる仕事であるからである。軌道に乗っている仕事の無事な運営を維持するのは初歩の仕事であり、二級の人材でも一級の人材と同程度の正しく遂行できる仕事なのである」
    *エースえお投入する意義はそれだけにとどまらない。新規事業の責任者に専任させることで、それまで二番手だった人材が必ず頭角を現すようになる。「人は課された要求水準に適応する」。つまり、人は要求のレベルに応じて成長するのである。
    *成果をあげられない者は、容赦なく異動させなければならない。さもなければほかの者を腐らせる。組織全体に対して不公正である。そのような上司の無能によって成果と認知の機会を奪われている部下に対して不公正である。何よりも本人にとって意味なく残酷である。
    組織で働く者は、「どのような貢献ができるか」を自問しなければならないのである。そうやって自らをマネジメントし、常に会社の利益に貢献できるよう努力すべきなのだ。
    *心地よくなったら変化を求めよという。「日常化した毎日が心地よくなったときこそ」あるいは何の刺激もない退屈な毎日になったときこそ、それまでとは「違ったことを行うよう自らを駆り立てる必要がある」ということだ。その意味では、何かを変えて成果がでるかどうかは二の次でかまわない。
    *「企業の内部には❝利益原点❞は存在しない。あるものはただ、❝努力原点❞である」「効率的な企業は、技術部門にせよ、販売、製造、さらに人事部門にせよ、業績を生む機能をもっていないことを知っている」つまり、組織のなかには利益を生む部署などはない。それは組織の外、すなわち顧客のところにある。だから焦点は企業の内部ではなく、外部に合わせよ、ということだ。「利益とは外部=市場に埋もれたニーズ」。
    *「人材は企業の規模と無関係である」
    *有能な人びとは強みのうえに仕事を築き上げる。こうした人びとの設問は、❝自分のできないことは何か❞、または❝彼のできないことはどんなことか❞ということではなく、❝自分にできることは何か❞、そして❝彼のできる仕事は何か❞という問題である。
    *「人事がうまくいかなかったときには、動かされた者を無能と決めつけてはならない。人事を行った者が間違ったにすぎない」「重要な仕事をこなせない者をそのままにしておいてはならない。動かしてやることが組織と本人に対する責任である」
    *「企業という最も柔軟で流動的な組織でさえ、経営管理者や専門職たちを、同じ仕事、同じ環境に閉じ込めようとする傾向がある。閉じ込められているほうは、当然飽きる。彼らは、燃え尽きたのではない。違う種類の問題を与えられ、新しい土に植え替えられることが必要なだけである」
    *相手(顧客)のことを考えない仕事では、決してうまくいかない。「イノベーションは常に市場に焦点を合わせなければならない。市場ではなく製品に焦点を合わせたイノベーションは、新奇な技術は生むかもしれないが、成果は失望すべきものとなる。」

  • 学者やコンサルタントが書いているマネジメント本よりも、ずっと現実、実例に即しており、実感がこもっている。原典の引用もあるので、どの理論をベースにしているかわかるし、原典に当たって深掘りすることもできる。

  • キヤノン電子の酒巻社長が、どのようにしてドラッカーを理解し、実際の経営で実践していたのか、わかりやすく教えてくれる本です。
    大企業の経営者が、ドラッカーを通して、いかに経営を見ているのか?がわかる良い本だと思いました。

  • キャノン電子の社長である作者は入社以来のドラッカー信奉者。ドラッカーの思想を、実際の仕事、経営にどのように落とし込んできたかを、すべて実例を挙げながら解説していく。ドラッカー思想のエッセンスが現実の経営を通して理解できる、画期的な入門書。

  • ドラッガーの言葉を引用しつつ、自分の経営体験談を語る本。
    なんだけど、肝心の体験談の部分がどうにも自慢ぽくなってしまい、読んでて若干鼻につく。
    大部分は引用と解説なので、じゃあ原典なり解説本なり読めばいいんじゃないか、という感じ。

  • セミナーで聞いた酒巻さんのドラッカーに関する著書を読んでみた。彼は同期との学歴コンプレックスから自分が専門性では周りに勝てないと感じるが、ドラッカーの著書を読むことで、周りの力を使うことを自分の武器にすることに気づく。その後もドラッカーの教えに従い、業務を進めていき様々な改革を成し遂げている。ドラッカーは利益至上主義ではなく、会社は社会に奉仕する必要性を説いており、この点が海外より日本で受ける理由かもしれない。時間があったらドラッカーの著書を読んでみようかと思った。

  • キヤノン入社の初任給でドラッカーの『経営の適格者』を買って以来のドラッカリアン、酒巻久。キヤノンでの仕事、キヤノン電子での経営でドラッカー思想を実践してきた著者が、具体的な事例をとおして、そのエッセンスについて解説する。

    第1章 利益の出し方
    第2章 自ら動く社員をつくるマネジメント
    第3章 変化を捉える企業戦略

  • キャノンをどう高収益企業に変えたのか?

  • もう少しドラッカー本の活用指南をしてくれている書籍内容かと期待したのですが、その部分は少々当てが外れました。

    しかしながら、経営者としての多大なる実績を残してきている著者ゆえの、経営者に対するメッセージとして読み解くとまた違った部分が見えてきて参考になる個所がいくつかありました。


    第1章「利益の出し方」で出てくる、

    目的、目標は短くわかりやすく

    は当たり前のことなのですが、なかなかできないケースがあります。
    読んでいた日もある考え事をしている中で、どうしても文章を整えることに最後は意識が向いてしまい、シンプルさに欠けるものになりかかっていました。

    この章の当該部分をよんでハッと気づくことができました。

    第2章に出てくる3人の石工の話は、エッセンシャル版マネジメントに出てきた話の引用ですが、そちらの本を読んだときには感じなかった、第2の石工の問題点が、今回はっきりと認識できました。
    やはり読み手のレベル、意識の持ち方で本の解釈に違いが出る、ということを改めて実感するところになりました。

    そしてさらに第2章に出てくる、メール活用の問題点、これも実感を持って理解、自分の行動を改めねばと思う部分になりました。


    やはりこの本は、鉛筆片手に、読みながら感じることをどんどん書き込んでいって自分の血肉にしなければいけない本です。

    1回目はそれをせずに読んでしまったので、近いうちに再読が必要。
    経営を考える上でよい本であること、間違いなしです。

  • 近頃ドラッガー本が色々仕事で助けてくれる。この本は最近雑誌で紹介されたので読んでみた。著者本人の経験談がドラッガーの考えに基づき実践されているので、読んでいて著者のいわんとする内容が理解しやすかった。また、随所にドラッガーの言葉がでてくるので、「あ、こんなこと言っていたな。」とか思い出せたのが良かった。年始から良い本にめぐりあえました。

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