何かのために sengoku38の告白

著者 :
  • 朝日新聞出版
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感想 : 50
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784023309203

感想・レビュー・書評

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  • ニュースであの映像を見たときの怒りを思い出した。
    尖閣諸島事件をさらう本として良い。
    事件の対応に納得できる時がくるのだろうか。

  • 一色さんは、素晴らしい方ですね
    政治的なことは関係なく、当然のことをしたと言われていますが、その事情が書かれています。

  • 尖閣ビデオを流出させた著者。
    You Tubeに投稿するきっかけ、投稿前後の行動などについて書いている。
    元々本も出そうと考えていたらしい。

    本書を読んでみると、たんに国防に関することだけではなく、多くの問題が集約されていることが分かる。
    日本政府のリーダーシップの欠如、日本の組織の意思決定の遅さ、公務員という仕事の矛盾、マスメディアの腐敗と衰退。
    そして特に戦後日本を繁栄させてきた55年体制が限界にきていること。
    日本国民がひとりひとり真剣に考えなければいけないだろう。

  • 流出ビデオのこの件に関して、あまりにも私は知らなさすぎるため、本を読んで学習したいと思った。

  • 尖閣諸島における中国漁船と海上保安庁の巡視船の衝突ビデオを投稿した元・海上保安官、「sengoku38」こと一色正春氏による告白手記である。尖閣諸島問題の話題がやや下火になったタイミングでの出版に、この問題を風化させたくないという著者の執念を感じる。

    ◆本書の目次
    これ、わしがやったんや
    中途採用で海上保安官になった
    そもそも尖閣諸島とは
    事件の始まりの事件
    中国人船長逮捕
    東シナ海ガス田の濁った海面
    私が尖閣ビデオを目にした日
    世界に対して面子を失った日本
    侵略を開始した中国
    なぜビデオが国家機密なのか
    私がやらねば
    ビデオ公開前夜
    11月4日、実行
    ビデオ公開翌日
    私が行った罪証隠滅行為
    私がやりました
    取り調べは続く
    海上保安庁から脱出
    考えるということ
    ハンドルネームの意味は・・・
    海上保安官人生が終わった
    公開の意味
    終結

    モノローグ形式で語られる出来事の真相は、非常に理路整然としており、日本のジュリアン・アサンジのようなキャラクターを期待すると肩透かしをくらう。しかし、その普通さが物語るのは、組織の中で普通に生きるということが、いかに難しいかということでもある。そういった意味において、本書は著者が身を呈して投げかけた組織論とも言える。

    著者が主張しているのは、機密漏洩と称されたビデオが、はたして本当に国家機密なのかどうかである。その個人の問いかけに対し、組織としての回答は曖昧で、責任の所在も不明瞭な様子が描かれている。そもそも、現場の最前線にいる保安官に、「発砲した後に撃った弾を戻せというような命令が発せられると考えている人間と、撃てば英雄になれると考えている人間では、結果はおのずと見えてくるであろう。」などと思われるようでは、日本というのは「組織の体」をなしているのか、疑問を抱いてしまう。組織の原理や定型に潜む危うさは、無知を上回るものなのである。

    与えられた命題を突き詰めると、「組織の命令が明らかに間違えていると思ったとき、個人はどう振る舞うべきなのか」というところに行きつく。簡単には答の出る問題ではないし、自分に置き換えても、その時になってみないと分からない。しかし、その時が訪れてしまった著者の体験は、広く共有され、議論されるべきものであるだろう。

    ちなみに、著者は本書でハンドルネーム「sengoku38」の意味を、最後まで明らかにしていない。次の一手を用意しているということなのだろうか。刮目して見ていきたい。

  • 気持ちはよくわかる。しかし、今の日本人は考える力や機会を失っていて、一色さんの思うような議論にならなかったのだと思う。本人目線からすると、途轍もないことを告発するとしても、国民からするとたくさんある事件、スキャンダルの中のone of themなのでしょう。本書に書いてあるような思いを知らせた上で告発した方が効果的だったような気がします。
    一色さんの告発には大賛同。これがなかったら、民主党のアホさ加減も露呈されなかったのだけど、これって対外的にどれだけ活用できているんだろうか?宣伝ベタな日本なのは相変わらずなのかな。
    昨日の産経で安部さんがやっと公開するって出てたよな。頑張ってほしい。

  • 【動機】Kindleで試し読みしたらおもしろくて。
    【内容】日本の外交について国民ひとりひとりが考えて行動してほしいという思いと、それを実現するためにみずからのとった行動が書かれている。
    【感想】力強い物語だった。信頼の根本的なものは、自分の自分に対するそれかもしれない。

  • 一色氏がビデオ流出するに至った経緯と彼の思いが克明に描かれている。これを読んでいると日頃から感じている日本の病んだ組織体制を改めて痛感する。省益あって国益なしではなくむしろ彼の言う通り『国益あって省益なし』でなければいけない。国家の隠蔽体質に快刀乱麻を断つ筈が(もしくは問題提起程度にしろ)、黒い影に操られたマスコミの的のズレた報道によって彼の目的は果たされず、その後震災もあってうやむやになっていることはとても残念。
    Sengoku38の意味はここでも解明はされない。がっかり。

  • 一色氏の思いが伝わる。

  • sengoku38という人物に焦点が当てられ、問題の本質があまり語られることなく、この事件への社会的関心が薄らいでしまったのは問題だと思った。

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