フェイスブック時代のオープン企業戦略

制作 : 村井章子 
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 168
レビュー : 25
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784023309296

作品紹介・あらすじ

これまでの古い企業統治はもう通用しない。リーダーシップ3.0に必要な戦略とは何か?今、全米で最も注目されるITコンサルタントが、ソーシャルネットワーク時代で勝ち抜くためのノウハウをあまさず公開。人選から危機管理まで、企業におけるSNS活用法を一挙公開。

感想・レビュー・書評

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  • 2011年の上旬に和訳本が発売された本書。

    昨今のコンサルティングのテーマで「Enterprise Social」や「Social Media Strategy」といった分野の検討をいくつかしているのですが、本書にはそのエッセンスが多分に盛り込まれており、古くて新しい話題だなと感じています。

    元々は、「OPEN LEADERSHIP」というタイトルであり、オープンとは何か? どのようにオープンになれるのかという、大きな2つの問いに答えていく、という内容になっています。

    ◆コントロールをあきらめよ

    第1部のタイトルが、そのまま大きなキーポイントの一つなのですが、「コントロールをあきらめる」ことがオープン戦略の基礎として大事です。

    企業はコントロールできない状況に自らを置くことには、もちろんながら抵抗が大きいものです。
    一方で、思いもよらぬ発見、個客との新たなリレーションの構築、群衆知を活用した課題解決など、いずれも情報を広く共有することが求められます。カオスかもしれない海に石を投じることで、リターンを得るのです。これはコントロール下の施策でROIを計測することを基本とする、企業経営の原理からすると、なかなか踏み切りにくいことでしょう。
    もちろんながら、完全にコントロールを放棄するわけではありません。どちらかというと、対話に近いのかなというのが僕の印象。

    ◆費用対効果は説明できるか

    コンサルタントしてとても興味を持ったのが、第2部「オープン戦略を立てる」で論じられている「オープンネスの費用対効果を測定する」という章です。

    僕自身、イノベーションやソーシャル戦略の費用対効果(ROI)を説明せよと問われれば、少なからず頭を悩ますことになるでしょう(しかも、経営陣からは必ずこの手の問いが発せられる)。
    本書では、オープンの目的を4つに分類しており(学ぶ、対話、サポート、イノベーション)、そのいずれにおいても下記の4つの効果が得られると述べています。

    ・摩擦をなくす
    ・少ない労力で大きな成果が上がる
    ・すぐに反応がある
    ・献身的な協力が得られる

    これらについて、事例を交えていくつかのKPI例が記載されています。現場でも活用できそうですね。

    ◆いかに上手に失敗するか

    第9章では、「上手に失敗する」ことをテーマとしており、これはイノベーションを促す際には、極めて重要な要素です。イノベーションに限らず、新たな取り組みを実施する際には常に念頭に置くべきものですね。

    クレイトン・クリステンセンの「イノベーションのジレンマ」等においても、いかに失敗を許容する文化や評価基準を整備できるか、ということが焦点の一つに挙げられています。この中で、クリステンセンは、イノベーションを推進する組織をスピンアウトさせ、本社と異なるコンテクストの中で挑戦を促すことを一つの解として主張しています。

    オープン戦略における上手な失敗とは、決断を持ってオープンと向き合い、対話を通じて価値観や自社に必要なリレーションを形作っていくことだと思います。これは、僕らの視点からすれば、いわゆるITの領域だけではなく、企業という人格を踏まえて関係性を再構築・拡張することに新たな改革のタネがあるということです。

    * * *

    日本では、2011年の当初よりも、今の方が本書のシチュエーションがしっくり来るかもしれません。
    デジタル戦略が次世代のイノベーションになり得ることは、大きな異論のない状況でしょう。

    僕のようなIT戦略コンサルタントが次に向かうべきステージは、デジタル戦略なのだろうな、と最近は漠と考えています。
    こういったITをはみ出るドメインが急速に拡大している状況で、価値の源泉は次第に新たなドメインへ移行しています。

    企業のデジタル戦略担当、ITコンサルタント、IT部門の企画を担当する方々など、オープンの基本を学ぶために、広く読まれるべき一冊だと思います。

  • オープンになるには?

    →成功の尺度が変わりプロセスコントロールてまはなくイノベーションが重視されてきたこと、モノの生産よりサービスの提供が増えてきたことで組織のあり方を考え直す必要がでてきた
    オープン化する目的としては、学ぶ、対話する、サポートする、イノベーションを促すことがある
    組織の戦略目標とすり合わせる

  • オープン・リーダーシップ。
    こういう類を読むと、ソーシャルは、個人がヒーローになれるチャンスばかりなんだなと思う。

    でも、あくまで、キャラクター付けは、周りが行うものだから、ソーシャルでのキャラ設定を自分で考えて実行していかなきゃいけない。どう思われてるかを知った上で、その範囲内で動いて行くのが大事になってくる。確かに、一度ブロックされたり、ミュートされたら、関係性が復活するには、相当な手間が必要にもなってくる。

    いちばん有望とされてる「楽天的な現実主義者」って、前に自分はそうなんじゃないかと考えた頃もあったので、面白かった。基本的に、人には期待して裏切られることも多いし、とりあえずやってみよう、なんとかなるさと考えることも多いもので。「一途な伝道者」にならないように、振舞って行こう。

  • いかにオープンな形をとり、顧客を巻き込んでいくか。
    コントロールをあきらめることなど。

  • 原題の「オープン リーダーシップ」に興味があって読んだ。
    正しくは、ソーシャルツールを企業活動で効果的に使える組織をつくるためのリーダーのあるべき姿、と言ったところ。

    幾つか、参考になった点。
    メンバーのポテンシャルを最大限はっきするために、
    ・権限を委譲せよ
    ・コントロールをするな
    ・権限を委譲し、コントロールをしなくても問題が起きないガイドラインを作成し、関係を築け
    ・失敗は必ず起こる。上手く失敗できるよう、準備せよ。

    ……このコンセプトの10%でもできたら、いろいろ変わるな〜

    ベストは尽くしますか‼︎

  • 企業がソーシャルメディアを活用するうえで心得ておくべきことが一通り網羅されている教科書的な書籍。

    ソーシャルメディアに書き込みを行う従業員向けのガイドラインや、コンシューマーの書き込みに対する対処についてのガイドラインなど、実例やチェックポイントも掲載されており、実践する上でも参考となる書籍だと思います。

  • ソーシャルメディアを上手く活用するには、ツールを使いこなすことではなく、「組織(チーム)」「社内ヒーロー(エンパワードより)」を創ることが何より大切である。

    本書は、その組織づくり、ヒーロー(リーダー)づくりに関して、事例を用いた戦略紹介本。

    オープンリーダータイプ「楽観的な現実主義者」「慎重な実験者」「心配性の懐疑論者」「一途な伝道者」など、新しいプロジェクトを進めるためには、「楽観的な•••」が良いと書かれているが、それは1日にしてならず、社内人脈や新しい価値への前のめりな姿勢など、大切にしなければいけない部分がより明確に書かれている。
    ※個人的に「一途な伝道者」に近い気がして、反省している。

    本書は、グランズウェル•エンパワードに近いがよりプロジェクトを進めるにあたる「リーダー」にスポットを当てている。
    このあたり、自分の会社と照らし合わせて、もっと勉強していきたい。

  • 資料ID:21102733
    請求記号:

  • 「グランズウェル」の共著者。豊富な事例と実践的な内容。中身はよかったです。邦題がイマイチ。「フェイスブック時代っていつやねん」というネガティブな第一印象から、読むのを避けていました。原題「OPEN LEADERSHIP」でよかったのでは?「ツイッターノミクス」のときも、邦題が機会損失を生んでいるのではと感じたな。と思ったら、なるほど、訳者が一緒なのか。納得。

  • 久しぶりにいい本でした。おすすめです。特に一緒に仕事をしている
    仲間にはぜひ読んでほしいと思いました。
    私がやりたかいと思っていること。なりたいと思っていること。
    こうありたいと思うことの多くが書かれてあるし。その内容が具体的。
    ちょっと海外の事例ばかりでなじみのない部分おありましたが、それでもよくわかる内容でした。
    こうありあたいと思います。

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