バケる人に育てる 勝負できる人材をつくる50の法則

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  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784023309562

作品紹介・あらすじ

なぜ平井コーチに教わると勝負できる人が育つのですか?その秘密すべてお教えします。

感想・レビュー・書評

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  • ・最近は多くの企業で、「上司のほうが新人に歩み寄り、理解してやる必要がある」と言われているようですが、「この会社に入った以上、まず上司の言うことを素直に聞く」としたほうが、学ぶ上ではるかに効率的ではないでしょうか。
    そこで私は指導する選手に対して「コーチングする前にティーチングする」という原則をつくっています。その内容は、
    ①挨拶を条件反射にする
    ②休まず続ける癖をつける
    ③自分でがんばる癖をつける(決めた目標を必ず守る)

    ・選手たちのタイムが伸びて「うまくいっている」状態のなかには、「うまくいっていない部分」が小さくぽつんと潜んでいたはずです。100%順調などという状態はあり得ないのに、私はそれに気付けなくなっていました。選手と一心同体になっていたから、近すぎて分からなかったのです。

    ・水泳には体型、柔軟性といった肉体的な個性と、泳ぎ方、スピードといった技術的な個性がありますが、言うまでもなくもっと多様なのが精神的な心の個性です。
    精神的に強靭な選手、たとえば北島康介などは、プレッシャーがあるほど燃えます。しかし、中島礼子のように素直で実力もあるけれど気弱な選手は、まず不安を取り除いてやらないと、試合前に自分に負けてしまいます。
    ある程度「デキる」がゆえに自分のやり方にこだわってしまう、寺川綾や加藤ゆかという選手もいます。
    さらに「大会だからって緊張するなよ」と励ますと、「平井せんせ~、緊張って、何ですかあ?」と聞いてきた上田春佳のような、こちらがガクッとくる若い選手もいます。

    ・「自分には才能がある」と思っている人は、やがて試合に負け、どんなに努力してもタイムが縮まらないという壁にぶつかったとき、自分に原因を求められなくなります。
    「運が悪かった、体調が良くなかった、コーチの指導がおかしい」
    このように自分の外側に原因を探し、更なる努力で壁を超える頑張りが、きかなくなるということです。

    ・普通の能力の持ち主を「2」と設定すると、その人は50倍の努力を掛け合わせてレベル100に達します。
    人より高い能力「5」の持ち主がいるとしたら、その人は20倍の努力を掛け合わせるだけで、レベル100に達します。世の中には10、20の能力の持ち主もいますから、そうした人とたちはもっと少ない努力でレベル100の目標をクリアします。子どもの頃は別として、経験を積めば能力の差が生じるのは厳然たる事実ですし、それを否定するつもりはありません。
    問題なのは、能力のある人たちが「割り算」をすること。
    すなわち、「この目標はレベル100か。俺の力は10だから、10の努力をすればいいな」と逆算するのです。最小の努力で大きなリターンを生む効率がいいやり方に見えますが、大きな間違いです。
    スポーツでも仕事でも、人生の成果に最高点などありません。10の才能の人が20の努力をしてレベル200の成果をたたき出し、20の才能の人が30の努力をしてレベル600の成果を手にする。天井知らずの「掛け算」をするのが、真摯に努力する喜びだということです。

    ・自ら「やります」と言わせることは、高い目標を持つ人を育てる場合には、非常に大切です。
    人を育てる人間は、まず徹底的に考えてベストの答えを用意しておく。しかし、その答えを口に出すことはなく、自分のなかにとどめておきましょう。

    ・指導者の仕事は、チャレンジする瞬間ではなく、むしろ「チャレンジ前」と「チャレンジ後」にあります。
    「チャレンジ前」の仕事とは、自分の足でスタート台に上がる強さを備えるよう、鍛練すること。ためらいやプレッシャーなど、自分の弱さとの戦いのすえ、チャレンジできる勇気を伸ばしてあげること。
    「チャレンジ後」の指導者の仕事とは、チャレンジした結果の責任を、決して逃げずに引き受けることです。

  • リオ五輪でも注目を浴びました平井競泳日本代表ヘッドコーチ。オリンピック特集コーナーで発見し、思わず手に取りました。

    人を育てる喜び

    私は、その喜びに取り憑かれた男です。
    P14

    この言葉でぐっと来ました。この人は、人を育てるのが楽しくてたまらない人なのです。

    水泳選手を勝たせること―いいえ、水泳を通して人を育てることが、私にとっては人生最大の愉悦と言ってもいいかもしれません。
    P14

    オリンピックに届く基本の基本の徹底

    この本は、水泳やスポーツに限らず、その人にあったやり方を探し、人を育てていくというエピソードが掲載されています。

    まさに、人を育てるビジネスマンにぴったりな本だと思います。

    実際、平井コーチは生徒に対してまず始めることは挨拶や、休まない、続けるという基本の基本を徹底させるところから始めます。
    それをどんな生徒に対しても、成果を上げている人に対してでも、ひるみなく行う。

    やりづらい、言いづらいと思うこともあると思いますが、それを愚直に行うしかないのだと痛感させれます。

    自分を道具と見なす

    ”私”という人間が、”平井コーチという道具”を使うということです。
    P45

    自分のパラダイムを変えるというか、今までに無かった俯瞰の、斜め後ろから自分を見るような視線がこの文を読んで現れました。

    信長の考え方から生み出した「自分を道具と見なす」メソッド、ここは単純に「俯瞰してものを見る」といったよくある単語とは違った言い回しで自分にすとんと入ってきたので、ありがたいなと思いました。

    私が会社という組織でどのような道具になるのか。
    また、私が私という人生を有意義に全うするという目的ためにどのような道具になるのか。

    自分が怠けそうになったときに、叱咤激励に使えればいいなぁ。

    「最悪の中の最高」を上げていく

    これもそうか!と膝を打ったところ。
    オリンピックの選手のピーキングというのは、もちろん勝負の時に一番いいコンディションを持って行くこともありますが、それは「できて当たり前」

    さらに勝負強くしたいのなら、最悪のときも一定レベルを維持するような指導をすることです。
    P129

    で、その為には、最初にいった、続ける、繰り返すという努力をするという基本が必要、とここでも一本筋が通っているんだなぁと。

    「モチベーションが下がっている時に出来ること」といった手札をたくさん持つ
    P131

    モチベーションが下がっている時に自分をいかに、使えるか。
    まずはそういうときに意識をしてみたいと、努力してみたいと思います。

    全体通して、平井先生からコーチを受けたようなありがたい気持ちになりました。

    人ごとに合わせて長所を伸ばしていくところ、集団がある中でいかにして一人一人と接していくか、といったところにお悩みの方はぜひぜひ読んで、確かめていただきたいと思います。

  • 勉強になった

  • 久保田Tより 「黙って俺の言うことを聞いてついてこい!」と急かしたところで、ついてくるのは相手の体だけ。

    時間がかかっても、その人にとっての最高のゴールを勝ち取るために、長期的な視野に立つのが人を育てる人間の役割

    「自分を道具と見なす」→自分の感情で行動するのではなく、その場その場で自分に求められている役割を果たすべく行動するということ。司馬遼太郎「国盗り物語」より

    自分を道具と見なすうちに、私にもだんだん「やりたいこと」以外のもの、選手から求められる役割、社会から求められる役割が見えてきた

    ままならないことに自分を合わせ、ままならないことも自分も一切合切、コントロールしていく。これが勝つ方法であり、プロの仕事です。

    1章チェックポイント
    ・条件反射になるほど、挨拶を徹底
    ・休まず続けるかどうかで、数年後差がつく
    ・自分でがんばる癖がつけば、自主性が育つ
    ・相手によくわかるゴールを設定
    ・指導者は相手と一定の距離を保つことも必要

    早いうちから成果を出すタイプは、子どもだろうと新入社員だろうと、まわりの人の目を意識し、場の空気を読む能力にたけている

    「最悪の中の最高」を上げる方法を具体的に述べれば、毎日、同じことをきちんと繰り返す努力をすること

    "バケる人 "というのは、自分が何を目指しているのかはもちろんのこと、何が強みなのかもさっぱり分からない

    人を育てる人間にとって、教えにくい相手は「先生」になってくれるのかもしれません。

    伸びる人の問題点
    「真面目で素直」
    「いい子タイプだが積極性がない」

    デキる人の問題点
    「頭が良くて、思い込みが強い」
    「本来は優秀なのに、一皮剥けることができない。」

  • 良書。

  • それぞれの選手に対し、コーチとしてどう接してきたか、読み物としてもとても面白かった。本気で人を育てることが、如何に難しくやりがいがあることかを思い知った。

  • 図書館

  • ○最初から上手くいく人はいません。何事も、まずは誰かを真似ることから始まるのだと思います。そして理解し、次のステージに進むのだと思います。出来ないときは、その事実を受け入れ、相手の立場になって考えること。答えはそこにいつもあるのだと思います。
    ~以下、引用~
    ●・・・「この会社に入った以上、まず上司の言うことを素直に聞く」としたほうが、学ぶうえではるかに効率的ではないでしょうか。
    ●ティーチングの基礎①は、「挨拶」。
    ●私が考えるティーチングの基礎②は、「休まずに続ける癖をつける」ことです。
    休まない。さぼらない。毎日決まった時間に練習に参加する。それをきちんと続けていく。
    ●・・・ティーチングの基礎③は、「自分でがんばる癖をつける」ことです。
    ・・・「決められたことを、きちんとやる」
    ただこれだけを、ひたすら愚直に守るように厳しく教え込みます。
    ●「年に一度か二度しか練習を見に来ないOBに、こうしろああしろなんて言われて、ハイハイって聞けるかよ。昔の選手は良かった、おまえらはダメだって話ばっかりで、本当に俺たちのことをわかってるはずないよな」
    ●やがてタカノブ君が泳げるようになったのは、魔法の台のおかげというより、向こう側という「ゴール」が見える状態にしたからだと思います。
    ●それは、「自分を道具と見なす」というものでした。
    ●ままならないことに自分を合わせ、ままならないことも自分も一切合切、コントロールしていく。これが勝つ方法であり、プロの仕事です。
    ●人を育てるというのは、・・・自分をまるごと注ぎ込むようなしんどい仕事です。だからこそ、不合理で説明できない「こいつは何か持っている」「愛しているぞ!」というような主観がないと、やっていけないとも感じるのです。
    ●思い立ったら、私はすぐに行動します。休みの日にさっそくノートを取り出し、自分の”逆算カレンダー”をつくりました。
    ●「国民の期待が重いかって?期待はうれしいしありがたいけれど、なあ康介。俺とおまえの期待のほうが、日本全国民の期待より、よっぽどでかいよな。誰よりも勝ちたいのは俺たちだ!」
    ●康介が夕食に肉を食べていれば、「今日の練習が体にいい刺激を与えて、肉がみるみる吸収されていく」とイメージしていました。
    ●人は、自分がなりたいと思う自分にしかなれません。そしてうれしいことに、「なりたいと思う自分」よりも、もっと大きな可能性を秘めていることは大いにあります。
    ●すでにキャリアがある人の場合、誰かに言われた通りにしているだけでは、レベルは上がりません。何も言われなくても、自主的にできることを増やしていかなければ、さらなる成長は望めないのです。
    ●思い込み、決めつけ、先入観といったものから自由だからこそ、伸びていくと言えるでしょう。
    ●挑戦する前から予防線を張っていては、どんなに低い目標もクリアできません。
    ●先日、ある企業の研修で「部下を育てるにはどうしたらいいでしょう?」と問われたとき、私は「一人一人の部下に関心を持つことだと思います」と答えました。
    ●そうであれば、「モチベーションが下がっているときにできること」や、「飛び込みに失敗したあと、挽回できる泳ぎ方」といった手札をたくさん持つしかないと思うのです。
    ●人を育てる人間にとって、教えにくい相手は「先生」になってくれるのかもしれません。
    ●「真似される人になりたいです」
     「それなら、どうして人の真似をする?」
    ●無断で休んだのにいつも通りに教えてしまったら、その選手は「ああ、休んでも別に大丈夫だ」と思ってしまいます。それを見ている他のチームメンバーは、真面目にやっているのがバカバカしくなるかもしれません。
    ●本気で怒れるくらいの、信頼関係を築く。これがチーム作りに大切なこと⑤です。
    ●どのような勝負をするか戦略を考えるときは、あらゆる事態を想定し、複雑かつ綿密に。しかし、複雑に考えたあげくに出す答えは、極力シンプルにすることが大切です。
    ●「みなさん、三ヶ月くらいで、だいたいそうおっしゃるんですよね……」
    ・・・「平凡で終わるんだったら、今やめてもいいですが、チーム北島は平凡を目指しているわけじゃないでしょう」
    その言葉を信じ、ウエートトレーニングを続けました。その結果、・・・世界記録樹立に結びついたと信じています。
    ●物事には必ず理由があるはずです。「こんなひどい目にあうなんて、どうにも理不尽だ」と感じたら、「これを乗り越えてみろ、という神様がいて、俺を試しているのだ」と受け止めます。

  • ものごとは、やるかやらないかだけ。
    才能ではなく、努力で勝たせる。
    平井コーチの指導者としての、信念のもとに育っていった選手たちは、それに応えるべく北島康介をはじめ、中村礼子、寺川綾はメダルを手にすることができた。
    本人も気づかない大きな可能性を見出し、成功イメージを抱かせることが上手なコーチだ。
    指導する上での多くの決め事から、平井コーチの試行錯誤が垣間見えた。

  • 平井氏のコーチングに興味を持ち、手にした1冊である。参考になることが多々あった。人を育てる気構えが、この本から伝わってきた。強い信念がなきゃ人を育てられない。選手に努力の大切さを考えさせ「努力をしたから上達した」という経験を させてあげる。強い、勝てる選手にするだけではなく、自分の苦しさに敢然と立ち向かえる人間にすること。指導者の役目の一つと言い切る。北島選手がついていったのも頷ける。

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