遺伝子はダメなあなたを愛してる

著者 :
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 457
感想 : 68
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784023310759

作品紹介・あらすじ

モノを捨てるのが苦手です。「片づけられない女」はダメですか?最も役に立つ生物を挙げるとしたら何ですか?明かりをLEDにしました。寂しく感じるのは気のせいでしょうか。ゴキブリは絶滅しないほうがよくないですか?身近な疑問や人生の悩みに生物学者が答える。ほんとうは自由でやさしい生命のおはなし。

感想・レビュー・書評

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  • 週刊誌AERAの連載コラム「ドリトル先生の憂鬱」をまとめた1冊という。
    1発目のゴキブリの話からなかなか感じ入ります。
    先生、人間によって破滅状態になり、人間も滅亡した地球はどうなるのか?という話題に、常々「何の問題もなし、そのうちゴキブリが天下を取る。」と言っている私の視点はなかなかということでいいですかね?(にんまり)

  • 人間に必要なタンパク質は全て自ら作り出すことができる。すっぽんを食べたからコラーゲンでお肌ツヤツヤは、確率的に非常に低い。プラシーボ効果はあるかもしれないが、外来コラーゲン(食べたすっぽん)とヒトのコラーゲンとアミノ酸配列が違う。これはお賽銭として投じた硬貨が巡り巡ってタクシーのお釣りとして財布に戻ってくるようなものというたとえが、面白い。同じ価値でもでももはや違うお金。
    コラーゲンでお肌ツヤツヤ!というのは生物学的に髪の毛を食べたら髪の毛が、ふさふさ!と同じ主張というのもわかりやすい。

  • なんだか、見出しの問いについてのぴったりな回答でないものも結構あったと感じたが、生物学的な視点からのお話が面白かった。
    「自由であれ」という考え方、いいな。
    世界は、生き物は、全てが合理的であるわけではないんだよな。


    【memo】
    ミドリゾウリムシ ゾウリムシの中にクロレラが入って、共生している。

    カズオ・イシグロ 「わたしを離さないで」「Never let me go」

    ガーシュイン 「They can't take that away from me」

    ピーマンの苦みはポリフェノール

    女性の卵子は全て、胎児期の最初たった4ヶ月の間に作られる。約700万個。思春期までに残るのは約30万個。排卵は生涯に数百個。

    温泉の効用
    ・全身が温まることによって、血の巡りがよくなり(熱を放散するため、血管が弛緩し、血液量が増える)循環不全が解消される。
    ・HSP(ヒートショックプロテイン)というたんぱく質が増産される。細胞内の変性物や老廃物の分解を行うときに使う。42~43度で反応。

    食品添加物 コチニール
    白いコチニールカイガラムシを乾燥させ、アルコールにつけて作る。

  • 生活の中での疑問や、悩みに
    生物学の視点から答えてくれます。

    さまざまな生物の進化や
    生命の仕組みなども知ることができ、
    面白かったです。

  • Q&A形式の短編エッセイが並ぶ構成。
    さすが、質問に対して、博学を駆使していろんなお話をされるなぁと感心もあるのですが、一つ一つの内容が説明的、情報量が多く、淡々としているので、長時間の読書には向いてないなぁと思いました。
    へぇーと思えることも多いのですが。

    タイトルの答えは一番最後にわかります。
    効率重視な現代人にも、生物の世界から見る目があれば、セコセコ働くことだけが全てではないと思えるのかもしれません。

  • 優しくてあったかくて、残酷。でもとてもやわらかい。生物学者による、さまざまな自然(あるいは不自然)に対する疑問に丁寧に答えていく本書は、知的好奇心を満たしてくれるしあたたかさも感じさせてくれる。明確な回答になっていないものや、で?答えは?というようなものもあるけれど、それは文面から汲み取ったり考えたりする隙間があるということで、その文章感も好きだった。蝉と合成着色料の話が好き。

  • 何かの雑誌掲載?質問回答形式で編集されるエッセイ。一つ一つのテーマが短くアッサリしているが、生物学的な話を中心に、触りだけでも中々興味深い。子孫を残さぬ個体は自然界には多いらしく、人間だけではないようだ。勇気が与えられる人もいるのではないでしょうか。

  • 同著者の「生物と無生物のあいだ」が面白かったので手にとったが、様々な話題の2ページQAが続き、集中できないなぁ、と思っていたら、AERA連載のコラムをまとめたものであることに気がついた。雑誌連載のまとめ本によくあることだが、個別には面白いが、本として続けて読むと散漫に思えて面白さが薄れるタイプだと思う。とはいえ、個別の話はそれなりに面白い。LEDのエネルギーの光変換効率は30%で電灯の10%に比べれば高いが、ホタルは90%ちかいとか。雑学王になれる短編集。暇な時に2,3項づつ読むのがよいのかもしれない。

  • 遺伝子の柔軟さ、自由さをメインテーマとしてさまざまな生き物に触れながら、興味を引く生物の話がたくさんでてきた。
    遺伝学、進化論を新たな視点から捉えることもでき、非常に勉強になった。
    むしろ自由であれ、なんだか心まで軽くなった気がします。

  • 持論を展開してるなー。。という印象。
    ご自身の専門以外の事まで知った様に語りすぎでは。
    自由で優しい生命の話とありますが、あれは良くない、あの説はありえない、など、否定も目立ち、題名と少し違う気がする。

    例えばコラーゲンは食べても肌は綺麗にならない、という話。
    これはよく、科学かじった人が知ったかぶりで披露する話ですが。
    確か最近は、コラーゲンを取ることで体内でのコラーゲン生成が活性化されるという説も有ったはず。
    完全に否定する事はできないんじゃないですかね。

    「無い」事の証明は難しいので、科学の世界では、「まだ知られていない」とか、「見つかっていない」「無いと言われている」と表現します。
    そこを利用すれば、否定無しの1冊も作れたのでは。
    そうすればもっと、題名通り当たりの優しい本になっていたと思います。

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著者プロフィール

福岡伸一 (ふくおか・しんいち)
生物学者。1959年東京生まれ。京都大学卒。米国ハーバード大学医学部博士研究員、京都大学助教授などを経て、青山学院大学教授。2013年4月よりロックフェラー大学客員教授としてNYに赴任。サントリー学芸賞を受賞し、ベストセラーとなった『生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書)、『動的平衡』(木楽舎)ほか、「生命とは何か」をわかりやすく解説した著書多数。ほかに『できそこないの男たち』(光文社新書)、『生命と食』(岩波ブックレット)、『フェルメール 光の王国』(木楽舎)、『せいめいのはなし』(新潮社)、『ルリボシカミキリの青 福岡ハカセができるまで』(文藝春秋)、『福岡ハカセの本棚』(メディアファクトリー)、『生命の逆襲』(朝日新聞出版)など。

「2019年 『フェルメール 隠された次元』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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