ウルトラマンは現代日本を救えるか

著者 :
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 55
レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784023310841

作品紹介・あらすじ

1960年代から半世紀以上に亘って作られ続けている『ウルトラマン』シリーズ。作品に描かれた「都市」「若者」「少年と家族」の移り変わりから、「エネルギー問題」「無縁社会」「情報過多社会」など、現代日本の社会問題の萌芽と解決策を探る"ウルトラマン年代記"。

感想・レビュー・書評

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  • ウルトラマンファンでない私も、近代史をより深く知るための読み物として面白く読めた。

  • 各ウルトラマンは勧善懲悪ではなく、時代の背景や世相を反映したストーリとシナリオになっていることを社会学的に捉えた本。深く突っ込むと講義やセミナーにもできる。ウルトラマンのことを詳しく解説した訳ではない

  • 【選書の理由】
    本当にウルトラマンが現れた時の事を考えるとドキドキしますが、同時に一気に街をふきとばしてしまうかいじゅうも現れる事になるのでそれも恐ろしい!と題名を読んで色んな想像をしてしまいました。

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    請求記号: 

  • 1973年生まれの国語の先生~1:1060年代「大きな物語」とウルトラマン2:1970年代ポストモダンのウルトラマン3:1980年代軽佻浮薄の時代-ウルトラマンの敗北4:1990年代復活するウルトラマンと大いなる闇5:2000年代『ウルトラマン』再興の時代6:ウルトラマンは現代日本を救えるか~ウルトラシリーズは1966年から制作され続けた。ということは,ウルトラQが怖くて(?)見られなかった私は9歳ないし10歳。怖がるか? まあ怖かったんだね。というわけで縁がなかった訳だけど,嵌っちゃった人は本当に好きだなあ。どの作品にも作家はいるわけで,作家は時代に敏感で,それは誰でもそうだけど,振り返ってみれば,よく世相を映しているってのは当然だ。色んな話を絡めないで欲しいなあ

  • ウルトラシリーズが放映された当時の日本の時事や人間性とリンクしていると感じた。ウルトラシリーズが好きな人には是非読んでほしい一冊

  •  各時代のウルトラマンを通じて、日本の戦後から現代を分析している。前作の「ウルトラマンと『正義』の話をしよう」と内容がかぶっている部分もあり、新鮮味があまりない印象を持った。

     ただ、ウルトラマンのエピソードも注意してみると、様々な解釈ができるのだなと改めて感じた。ティガやダイナはまた観たいな。

  • 私の幼児期から小学低学年にかけてはテレビと共に育ったと言っても過言ではないと思いますが、その中の一つに「ウルトラマンセブン」があります。この特撮番組は怪獣をウルトラセブンが懲らしめて、最後には宇宙へ送り返すストーリーで、なぜ怪獣が発生したのかを番組の中で述べていたと記憶してます。

    その後も多くの「ウルトラマン」がテレビや映画に登場してきていたようですが、それを追いかけていなかったので、この本を読んで初めて知ることになりました。歴代のウルトラマンも、時代の変化を捉えながら創られてきたようですね。

    以下は気になったポイントです。

    ・時代の断絶に適応できない人々、時流から疎外されていく人々の姿を「ウルトラ」シリーズは映し出していた(p19)

    ・当時は人口問題の解決が重要であった、毎年出生率が2.1を超えていて現代と全く異なる環境であった、1974年には「子供は二人まで」という家族計画を国民に推奨した(p32)

    ・東京を含む都市部の地価上昇は、1955年を100とすると、1965年には1082,1975年には3163となった(p35)

    ・1970年代の4本のウルトラシリーズ(帰ってきた、エース、タロウ、レオ)は、少年の成長物語であった(p75)

    ・1971年より同時並行的にシリーズが重ねられてきた「仮面ライダー」も、ウルトラマンレオの終了とともに終焉した、ゴジラも同様(p88)

    ・日本に怪獣が頻出する理由が「エネルギーに満ちていたから」であり、経済発展していく日本の光と闇を映し出すために怪獣の出てくる物語が構築されてきたとすると、オイルショックというエネルギー危機は、怪獣が日本に現れる理由も失わせた(p89)

    ・1996年には、仕事を持つ主婦の数が専業主婦を上回り、家族像にも変化が現れた、1985年に男女雇用機会均等法が成立されてから、変化が起きていた(p120)

    ・2000年代は、価値観の異なる複数のヒーローの戦いが描かれる、何が正しいかという正義を巡っての逡巡が「ウルトラ」シリーズや、「仮面ラダー」シリーズで描かれた(p140)

    ・ウルトラセブンの最終回は、ウルトラセブンの死こそ描かれなかったが、見るものに「ウルトラマン」の最終回以上の悲壮感を与えるインパクトがある(p166)

    ・「ウルトラマン」「ウルトラセブン」の揺るがないテーマは、ヒーローに憧れるばかりでなく、「自分自身がヒーローになることが必要である」(p167)

    ・ウルトラマンの帰還を見送ることができたのは、人間たちが今後も起こるであろう様々な問題に対処していく力が自分たちにもあるということに気づいたから(p169)

    ・誰がウルトラマンであるとわかれば、人々は初めからウルトラマンを頼り、自助努力を怠る危険性がある、ウルトラマン80の最終回では、ついにウルトラマンの手を全く借りることなく人間たちの結束だけで怪獣を倒した(p177)

    ・ウルトラシリーズが、各々の時代の表象となっていて、その視座の中心は「都市」「家族・少年」「若者」であった(p190)

    ・ウルトラシリーズは、帰ってきたウルトラマン以降の作品は不当に低評価の時代が長かった、今ではシリーズ屈指の問題作と言われる作品は、評価が高まったのは後の話(p197)

    2012年7月16日作成

  • 「ウルトラ」シリーズから時代を読む試み。
    新たなテレビシリーズを観たくなりました。

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著者プロフィール

評論家・中学校教師駒沢大学文学部国文科卒業後、高校教師を経て中学校教師に。ウルトラマンなどのポップカルチャー論をはじめ、教育論、社会批評なども手がけている。主な著書に『ウルトラマン「正義の哲学」』、『ウルトラマンは現代日本を救えるか』(共に朝日新聞出版)

「2015年 『3分あれば世界は変わる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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