漂流老人ホームレス社会

  • 朝日新聞出版
4.09
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本棚登録 : 124
レビュー : 25
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784023311893

作品紹介・あらすじ

平等だということが、差別になることもある。私たちに希望はあるか?職をなくし、家をなくし、再就職もできない。年齢、障がい、家族、そして制度との行き違いが、彼らの心と命をむしばんでいく。19年間、身を削って向き合った野宿の人たち…。いま、池袋の現場から著者が伝えたい現実とは。

感想・レビュー・書評

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  • 内容は重苦しいけど、とても読みやすい。森川さんの『その島のひとたちは、ひとの話をきかない』を読む前に、こっちも読んでおこうと思った。名前の雰囲気から もっとおじいちゃん先生だと思っていたら、1973年生まれで驚きでした。終章は自分語り過ぎて若干青臭い。

    ●自分の人生は自分で選択する。その選択をしたいというニーズを、私たちは手伝う。どこで生きて何をして過ごしたいかは本人が決める。それができるかどうかを、周囲は裁断しない。=163ページ=
    ★(ホームレス支援に限らず療育や子育てにも共通する。)“周囲が裁断しない”って簡単なことじゃない。けどそう心がけたいと思った。

    ●支援をしない支援があるということ。=163ページ=

    ●患者は、病気で困っているというよりは、生きづらさに困っていた。=214ページ=

    が、心に残った。

    以前長期入院した時に感じたこと。例えば…高齢者で、ガンで、アルコール中毒患者で、認知症だとしたら、どこで誰がどう診るのか…という問題。内科も精神科もお互いに押し付け合っていて、とりあえずガンだから治療のために消化器外科病棟にいたのだけど認知症もあるから、行動が異常で…同室の5人は夜も眠れぬ日々が続き大変だったのでした。こういうパターンの時…どうしたらいいのかというのは高齢化が進んで行く中の大きな課題だと実感した。そんなことも書かれていたので共感もした。

    森川先生自身のメンタルや体調も心配。同じく医師で作家の南木さんと少し似ているような気がした。

  • 池袋でホームレス支援を続けて来た精神科医でもある著者が見た現実。彼自身がが実際に経験してきた路上生活者との関わりや、病院や行政施設でのやり取りが細かく紹介されています。これが私たちの知らない現実。でも誰にでも起こりうる現実。読み終わってなお、息苦しいこの気持ちを、できれば多くの人に伝えたい。本を読んでも、知ることしか出来ないけれど、知らないよりは絶対にましなのだと、私は思う。この社会の隅に押し込められて見えにくくされてる事実を見て。

  • 本当に、良い本。

    これを読むと日本人はなんて薄情なんだ、と思ってしまいがちだが、
    色んな事に知識や理解がないだけで、
    薄情に対応している人はその人の正義に従っているだけ。

    もっとホームレスの方々の人生や考え方に寄り添う事ができる人が増えれば、共存できる社会になるのではないか。

    筆者も述べている通り、誰もが平等になる必要はないが、互いを尊重できる社会になれるといいと思うし、
    自分もそうなりたい。

  • 日本の現実。

  • 支援者は一生懸命になるあまり、本人が決めるべきことを奪ってしまう。本人が人生の主人公で、支援者は本人が望む生き方ができるように手助けするだけ。わかってはいてもついつい忘れて、こうすべきだ、こんなに一生懸命あなたのことを考えているのになぜわかってくれないのかと思いがちになる。支援者として大切な立ち位置を再認識できた。

  • 路上生活をする高齢者について。

    アルコール依存症、認知症、知的障害、統合失調症などのために、家庭や職場から断絶され、また窓口での対応や情報不足から生活保護にもうまくつながれないために「ホームレス」状態になってしまう。


    最終章から読むと、精神科医の森川さんがなぜこのような視点が持てるのかが頷けると思う。

  • 講演を聞いてあと著書をほかにも読みたくなって手にした。

    最初に伝えたのは「住む場所はどこがいいですか?」
    どこで生きたいのか 何をして過ごしたいのか 将来どうしたいのか 本人が選ぶ
    自分の人生は自分で選んでいいのだ
    本人の人生の主人公性を奪ってはいけない

  • 読んで、てのはしの炊き出しに行ってみた。手慣れた確かさと自由に参加できる雰囲気。たまには行こう。

  • ここに出てくるホームレスの方々は虐められ、傷つけられ、憲法で保障されている基本的人権を放棄させられている。
    「どこに住みたいですか?」そう、住むところは自分で好きに決めていい。どう生きるかも。

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