生命の逆襲

著者 :
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 258
レビュー : 29
  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784023311954

作品紹介・あらすじ

C0095【文学/随筆】蝶の羽根の美しさに魅入られた昆虫少年の記憶から、驚きの分子生物学の最先端まで。平易な語り口で読者を生命の深遠へと導く。『遺伝子はダメなあなたを愛してる』に続く、AERA好評連載コラム「ドリトル先生の憂鬱」の書籍化第二弾。

感想・レビュー・書評

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  • 『AERA』に連載されたコラムをまとめたもの。
    なので、ひとつひとつは非常に短い。この量でそれなりの内容を書き上げるのはなかなか骨が折れると想像されるが、そこはさすが著者、昆虫少年だった著者らしい話題から今をときめくiPS細胞の話題まで、ソフトな話題から生物学のツボに迫る記述まで、難しすぎず、かつ興味を引くようにうまくまとめられている。

    一番印象的だったのは、カロリー制限が老化防止の遺伝子を活性化するという研究結果が、最近になってどうもそうでもないらしいとわかったという話。テレビでカロリー制限をした猿と好きなだけエサを与えた猿とを比較した実験を見たことがあったが、その時はそれらしい様子がうかがえたのだけれど…どうやら、同様にエサの与え方を変えた猿たちの20年の追跡調査の結果では、寿命の差はほとんど見られなかったらしい。

    え~、ちょっとがっかり。
    寿命はともかく、制限を受けていた猿のほうが毛艶もあって皮膚もハリがあって若々しかったから、おっこれは!なんて期待してたんだけど。
    ま、でも別に変にやせ我慢して食べたいのを必死で我慢する必要もないってことか。
    まあ、よかったってことなのかな…。

  • 福岡さん養老先生、頭のいい人は昆虫が好きなのか?

  • エッセイ集ですね。

  • 『動的平衡』という作品を読んでから、福岡さんの著作にハマっています。難しい数式や理科の知識がなくとも読み進めることができる、生物学の知見や、そこから派生した「生き方」にまで及ぶ福岡さんの論考は、自身の勉強にもなると同時に、思想哲学的にも受け入れやすいものがある、と感じています。

    この作品は雑誌「AERA」に掲載されていたエッセイをまとめたもので、一節が長くないので、隙間時間に読むことができたこともとてもありがたかったです。
    なかでも、
    「理系に進みたかったけれど、数学ができなくて諦めた」という文系の学生を見ると、生物学的なセンスがあるのに(生物学ではそれほど使わない分野の数学的素養がなかったからと言って)ちょっとした得手不得手で文理を固定してしまうことは、若い才能の芽を摘んでしまうのではいか、という指摘や、
    子どもの疑問(「なぜ」○○なのか)=センス・オブ・ワンダー(存在の不思議)に対して、大人は適当に合わせて回答するのではなく、「なぜなのだろうね」と疑問をそのまま返すこと、そのことで疑問が開かれたまま子どもの心に残り、いつの日か子ども自身がその疑問を解く(あるいは子どもが答えを出せなくともその問題について考える)というプロセスを経ることの大切さ
    を語る章はとても共感することができました。
    また、ネアンデルタール人と現代人類は、進化の過程でつながっているのではなく(ネアンデルタール人から現代人類が進化してきたのではなく)、全く別の、並行して進化してきた異なる種であることがわかったこと、そしてもし仮にネアンデルタール人が現代にも生きていたら、そこに本当の「人種問題」が発生したこと(現代の”人種問題”はDNA的な観点からは無意味)などの指摘は興味深く読むことができました。

    他にも様々なエッセイが収められていますが、基本的には多細胞生物も、そしてその多細胞生物が生活している世界も「動的平衡」によって成り立っているし、そのバランスを感じながら(あるいはそのバランスに思いを致しながら)生活することの大切さを改めて教えてくれる作品でした。

  • カマキリのオスの事後の振る舞いや、動物の便の色、カニみその話、蚊が血を吸う理由など最近気になっていたことに関して触れていてナイスタイミング。

  • 心をもっているのは、人間だけだ と人間は思って
    いるかもしれないが、生物は「待つ」ことを知っている。
    待つというのは、心の高等技術であると思う。

    という紹介文に魅かれて読み始めました。
    実が熟すのを待って枝から果実を取ったり、
    成長するのを待って捕食したり・・・。
    生物(人間、動物、昆虫・・)がお好きな方へ
    お薦めします。

  • 福岡先生のエッセイ集です。生命の逆襲、というテーマが通奏低音になっていますね。

  • 生物学に詳しくなくても、楽しめます。

  • 第1章 昆虫少年のまなざし
    第2章 センス・オブ・ワンダー
    第3章 ♀の優越♂の憂鬱
    第4章 生命の秩序と混沌
    第5章 ヒトという困った生物

  • 僕は、福岡氏のことを日本トップクラスのサイエンスライターと思っています。
    この本は雑誌に連載されたものをまとめたものなので、1テーマが4ページ。
    『何かをじっと待つ。来るかもしれないし、来ないかもしれない。自然を相手にすると、結果が出ないことに対して寛容になれます。』
    なんて書いてあると、なかなか素敵だなあと思うのでした。

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著者プロフィール

青山学院大学 理工学部 教授

「2019年 『マッキー生化学 問題の解き方 第6版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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