「家族」難民: 生涯未婚率25%社会の衝撃

著者 :
  • 朝日新聞出版
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レビュー : 24
  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784023312616

作品紹介・あらすじ

【社会科学/社会】このままでは、年間20万人が孤立死する!?「パラサイト・シングル」「婚活」などの言葉で社会動向を先取りしてきた社会学者が、若者の未婚化・シングル(単身)化が進む日本の未来に警鐘をならす!

感想・レビュー・書評

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  • 山田先生の「ネーミング」センスはすごいなぁとまず感心。
    まさに「家族難民」としか呼べないような人たちが今たくさんあふれています。多分目に付くところよりも目の届かないところにたくさんいるでしょう。そして増えるのでしょうね。

    少子化や婚姻率低下などによる社会福祉制度維持の危機について、個人的対策・社会的対策の両面から攻めねばならないという意見には深くうなづきました。
    何故だかその問題の話になるとたいてい「黒か白か」のような極端な論調に偏ってしまい「どうしてそんなふうにしか考えることが出来ないのか」と思うことが多かったのです。特に個人に対して攻撃をする論調。
    例えば結婚していない人にずけずけと「どうして結婚しないのか」とか、子供のいない夫婦に「子供を作らないと社会責任を果たしていない」と言ってしまうなど。
    もしかすると望んでいてもそうできないなんらかの事情があるかもしれないのにそれを省みず言ってしまうというような世間の空気など。

    保護されている立場とその対象には当てはまらない立場との「恵まれ度」の差がものすごく激しく、そしてそれはこのままではこれからもっと激しくなるだろうということ。

    どうするかを考えなくてはなりませんが、まずは多くの世代がこういう状況に関心を寄せなくては始まらないでしょう。多くの人に読んでもらいたいです。

  • 家族、シングル、老後、社会保障、婚活、シェアハウスについて

    P187 共同生活のスキルが社会を救う 山田昌弘×久保田裕之
    日本のシェアハウスはまだ事業者型が多い。一人暮らしの延長として考える人が多く、共同生活を共にするという意識は低い。また家賃を節約するために住むなど。
    欧米は自主運営型がメイン。先に人間関係がある、あるいは人間関係を作るためのシェアハウス。
    シェアハウスを三分類すると、
    1 若年型シェアハウス 一人暮らしよりも安く、似た人と生活すると楽しい、若者向けシェアハウス
    2 生活型シェアハウス 結婚または一生シングルでも夫婦や家族を超えた大きな共同体の中で生活していく生涯型シェアハウス。北米に沢山ある。
    3 ケア型シェアハウス 介護などのケアを家族でなく共同体で満たす。ホームシェアと言われる高齢者×学生やシングルマザーなど。
    1が定着した後、2と3が増えていくという流れ
    何も言わなくてもわかってくれる人 と 言ってもどうせわからない人 の間に、話せばわかる人 と、分かり合えなくても協力し合える人 というカテゴリーを作れる可能性
    分かり合えなくても助け合えればいいという点が家族より負担が少ない
    共同生活のスキルとは、「自分だけの常識に気づく力」次に「妥協の可能性を探る力」最後に「話し合いを通して妥協点を見出していく力」  将来老人ホームなどでも幸せに過ごせる力を得られる。

  • 著者の見通しは人ごとではないのだけど、個人的には上野千鶴子の言う「お一人様」の老後の方が望ましい。家族に支えてもらうということは自分に関して言えば、リアリティが乏しいように思います。

  • AERAで、家族難民の特集が組まれ、その流れで購入しました。聞きなれない言葉ですが、家族というセーフティネットがなくなり、精神的にも、経済的にも追い詰められるシングルが急増するという。結果として、生涯未婚率が25%、4人に1人は結婚できない時代がくるという。

    結婚を前提に日本のシステムは、存在するために、どうしても、シングルという存在がセーフティネットから漏れてしまう。非正規雇用や貧困の問題が何より大きく、そのことが、さらに問題を大きくしているようです。
    それとは、別にコミュニケーションがとれない人が増えているのもひとつの要因とも思います。

    結婚するしないは、個人の自由だとは、思いますが、この本を読んで、法律で、何とかしないとまずいのではと思ったりもしました。そのための解決策が、シェアハウスのすすめ。興味はありますが、処方箋としては、弱い気もしました。が、自分たちが置かれている環境が良くわかりました。

  • 標準家族の家族神話が崩壊しつつある今、誰でもシングルになりうる今、
    バランスの良い政策が求められている。

  • 社会
    家族

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    このままでは、年間20万人以上が孤立死する!?「パラサイト・シングル」「格差社会」「婚活」などの言葉で社会動向を先取りしてきた社会学者が、未婚化・単身化が進む日本の未来に警鐘をならす!



    孤立死という言葉はとても寂しく侘しいように思えるが 親達がどんどん年老いてゆくのを見ていると 子供に迷惑かけずにポックリ死ねるのなら孤立死でもいいかな?とも思えてしまう。
    以前、障がい者や認知症の人達をあんな風になりたくないと思うのは その人達を受け入れていないということと同じだというようなニュアンスのテレビ番組を観ました。
    その時、私的にはちょっと衝撃的でドンよりした気持ちになりました。
    あのような人達がいなくなればいいなんて気持ちはありませんが そのような状態で生きていたくないという気持ちはとても強く持っています。
    平均寿命か伸びることなんて少しも素晴らしいとは思えません。その事により日本では弊害の方が多くなっているのでないかと思っています。
    結婚をして主人も子供もいますが 最後はおひとりさまになる可能性を考えて これからの事を考えなければいけない歳になってきています。

  • ◆ゼロ年代、「パラサイト・シングル」という家族現象を解明した著者による、単身世帯急増への問題意識を著した書。叙述は判り易いが、理念的矛盾を孕みながら提示する対応策はあまり参考にはならぬかも◆

    2014年刊行。
    著者は中央大学文学部教授(家族社会学)。

     生涯未婚率の上昇、離婚率の上昇、高齢化に伴う死別割合の上昇。これらは原因こそ多様であるが、いずれも単身世帯の割合を上昇させる要因である。そして現に単身世帯が増大しているのも確かである(このあたりは「単身急増社会の衝撃」にも詳しい)。

     かような単身世帯の急増は、社会福祉制度の家族モデル(夫婦。子ども2人。高齢期は夫婦(の一方)による介護)の非現実化と、そのモデルが予定するシステムの崩壊を意味する。

     ところが、複数存在する要因は、各々その社会的な発生原因を異にし、政策的対応は多様にならざるを得ないし、そもそも対応が政策的にできるのかという問題も孕んでいる。
     ここで著者が展開する対応策として、個人で出来ることについては、婚活(高齢者を含む)。あるいは広義のグループホーム(シェアハウスなどを含む)に参与していくというのでは、全くもって心もとない(ある種のビジネスチャンスとは思うが…)。

     これに対して、著者は、単身世帯の増加に対する社会的・政策的方途として、家族形成者の保護(保守派に配慮)と単身者の保護との理念の両立をなさせねばならないと言う。
     ところが、結局は、単身者に対する社会保障制度の確立、社会保障制度から親族による扶養の可能性を除外することをうたうに止まる。
     そもそもこれでは、現実を見ない能天気な(特に老齢の)保守派が嫌い抜く、家族制度の解体とどこが違うのか。疑問なしとしないところだ。

     正直に言うと、本書は、家族の社会的変遷と現代化への理解、その問題意識の醸成にはなるかもしれない。しかしながら、それだけの書とも言えなくもないのだ。

  • 未婚率の上昇、婚活支援、少子高齢化問題、に興味があるなら、入門としてわかりやすく説明されていると思う。

    シングルであることが悪いわけではなく、そこからくる社会からの孤立した「家族難民」、社会の分断が問題であり、個人と社会とで対策していこう、と提言する。

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著者プロフィール

山田 昌弘(ヤマダ マサヒロ)

1957年、東京生まれ。1981年、東京大学文学部卒。
1986年、東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。
現在、中央大学文学部教授。専門は家族社会学。コピーライターとしても定評がある。
NPO全国地域結婚支援センター理事

【著書】
『パラサイト・シングルの時代』『希望格差社会』(ともに筑摩書房)、『新平等社会』『ここがおかしい日本の社会保障』(ともに文藝春秋)、『迷走する家族』(有斐閣)、『「家族」難民』(朝日新聞出版)などがある。

【公職】
•内閣府 男女共同参画会議・民間議員
•文部科学省 子どもの徳育に関する懇談会・委員
•社会生産性本部 ワーク・ライフ・バランス推進会議・委員
•厚生省 人口問題審議会・専門委員
•経済企画庁 国民生活審議会・特別委員
•参議院 調査室・客員研究員
•東京都 青少年協議会・委員
•同 児童福祉審議会・委員
•内閣府 国民生活審議会・委員
などを歴任。

「2016年 『結婚クライシス 中流転落不安』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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