- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784023313200
作品紹介・あらすじ
【文学/日本文学評論随筆その他】京セラ、KDDIを創業し、JALを再建した名経営者、稲盛和夫氏とノーベル賞受賞者、山中伸弥京大教授の異色対談。二人の成功の原点はすべて失敗からだった。若者よ、どんどん失敗せよ!
感想・レビュー・書評
-
研究者を目指す人には読んで欲しいなと思った。
探究心と一緒に倫理観や哲学、そして謙虚な心を持つことはても大事。
稲盛さんと山中先生が言うからこそ言葉が重い。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
稲盛和夫さんと山中伸弥さんのご苦労、
それでも続けてこられた。
正に「継続は力なり」
お二人のお人柄が感じられる一冊でした。
成人した我が子にも、読んで欲しいです。 -
個人的な話も多いが、仏教の話は良かった。
地獄と天国の違いは、実は当人の気の持ちよう。お互いに助け合って幸せに暮らすか、利己的な部分最適化でいがみ合って暮らすか。
科学や医療の進化は、いろんなものを便利にして物質面では満たされてきたが、人は幸せになっているのか。地獄でも助け合わずに1人で便利になる方法を提供しているだけかもしれない。寿命だけを延ばすことも、世代間の利己的な部分最適化かもしれない -
少し前の本ではあるが、この2人の対談なら面白かろう、と図書館で思わず手に取ってみた。
それぞれのこれまでの生き方、苦労をバックにこれからのことを語られる姿に元気をもらえた。 -
ビジョンとワークハード
今後、後者の付加価値は下がるであろう。難しい世の中と思う。度を超えることは問題だが、それを盾にして怠けることが常態化することは恐ろしい。 -
稲盛和夫さんの哲学をベースに、山中伸弥さんが合いの手になる話を入れていく感じで進む。
稲盛和夫さんの話は他の情報ソースで聞くものと概ね同じだが、自分としては久しぶりに触れたことで刺激になった。私利私欲のために行動を起こしていないかと自問自答すること。大善を成すための目標にコミットしハードワークすること。改めて意識を入れ直したいと思う。 -
見える化するということ、数値を意識させることがJAL復活のキーワード。そこを気づかせる力がすごいですね。参考になります。
-
■ポイント
・山中さん:VW「ビジョンとハードワーク」で人の3倍はたらく
・稲森さん:楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する
・稲森さん:高い山の頂に生きたいから山を登るのではなく、努力をしたいから高い山を登る
・山中さん:最初から一番をめざさなければいい結果がでるはずはない
■気付き
楽観的と悲観的なのを往還するのが、大きなことを為すコツ。 -
講演で聞いた内容とほぼ同じ。vwなど興味深いキーワードがあった。
-
京セラの創立者でありJAL再建で知られる稲盛氏と、ノーベル生理学・医学賞を受賞されたことで知られる山中氏の対談です。お二人が仕事人としての生き方や考え方を議論しながら、そのかたわらでiPS細胞についてもざっくり知ることもできるという本です。
本書でまず面白いのは、仕事に対する考え方、いわゆる「哲学」と呼ばれることについては、経営者と研究者という立場の違いや年齢差を超えて共通しているということです。
例えば、山中氏のVW(研究者が成功するにはVisionとWork hardが欠かせない)と稲盛氏の「エンドレスの努力」という姿勢、あるいはみずからの原点を幼少期に見出している点でも共通しています。ですので、お二人が共感しながら話を進めているような印象をぼくは受けました。
他方で、お二人に共通点が多いからこそ、お二人の考え方の違いや立場の違いが明らかになっているところも興味深いです。
例えば、自らの研究をマラソンになぞらえてペース調節の大切さを重視する山中氏と、やると決めたら全力疾走で走り抜ける稲盛氏。京セラ所属のマラソン選手に伝えた「トップ集団から離れてはいけない」という言葉もそれを示しています。これは、幼少期から「ガキ大将」としてリーダーシップを発揮してきた稲盛氏と、実用までに長期的な視点が求められる基礎研究に従事されてきた山中氏の違いが出ているようで興味深いです。
もう一つ興味深いのが、研究者であっても、大学に所属している場合は論文を書かなければ業績を認められず、企業に所属する場合は、逆に論文を書かずに独占したほうがよいということです。iPS細胞の開発競争をめぐってアメリカの企業と係争寸前になったという話がありますが、過酷な世界が垣間見えます。
ちなみに、表題の「辛抱強いバカ」というのは稲盛氏の言葉です。業績が窮状に陥ると、能力のある人は転職してゆきます。そうして残ってきた幹部の面々と「辛抱強いバカばっかりが残ったな」と冗談を交わしているそうです。稲盛氏の「仕事・人生の結果=考え方×熱意×能力」という方程式に倣えば、能力は平凡だとしても考え方と熱意があるから強く結束し支え合ってきたということなのだと、ぼくは思います。