格差大国アメリカを追う日本のゆくえ

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著者 : 中原圭介
  • 朝日新聞出版 (2015年4月7日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784023314009

作品紹介

【社会科学/経済財政統計】21世紀の世界恐慌は、行き過ぎた格差と強欲な株主資本主義から始まる! 資本家と労働者、中央と地方の間の中間層が没落した国は例外なく滅びる。人気エコノミストが日本と世界経済の近未来と今とるべき打ち手を明快に示す。

格差大国アメリカを追う日本のゆくえの感想・レビュー・書評

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  • アメリカの話がなくとも、十分説得力のある内容。
    日本が日本らしく発展していく方法をきちんと考えた方が良い。

  • ☆☆☆☆
    外を見つめれば、現在の覇権国アメリカ、時間軸を据えて歴史を見つめれば、ギリシャ、ローマ、中国の唐といった国家が衰退していった大きな要因に、中間層の衰退があった。
    ピケティの『21世紀の資本』が読まれた一昨年から昨年、‘中間層’という耳慣れない言葉がその、理解を妨げていたようにも思える。
    だが、こうやって様々なステージの上にこの言葉をのせ、自らもこの‘中間層’の一部だとシミジミと実感すると、この言葉が実態を伴って感じられてくる。
    そして、日本という国が、欧米とは異なる雇用文化を持っていた故に、格差の拡大が急拡大しないで来られたという件は、この特異な‘中間層’という感覚を私にもたらしているのもわかる。

    第1章で紹介されている「没落するアメリカの姿」を見たうえで、誰がその後を追う政策に、同意することができるだろうか。
    欧米とは違うわれわれが感じ取る痛みは、彼らアングロサクソンの比ではない。
    でも、この豊かな日本の文化、価値観を気づいて、守る内側からの力はあまりに平和な時期が長すぎて、無きものになりつつある。外からの欧米のリーダーたちが、日本のそれに配慮することはもっと可能性がない。

    今はまだ姿を現さない、新しい日本のリーダーが出てくることを期待してやまない。
    2015/01/10

  • 日本の行方がわかった。

  • いまやアメリカでは、全国民の7分の1が貧困層であり、6分の1が貧困一歩手前とされる。すなわち国民の3分の1近くが貧困層及びその予備軍。アメリカでは、治安が悪化し犯罪が増加した頃から富裕層が集まって自分たち専用の街を作っている。警察と消防以外の全ての公共サービスを民間に委託し自治体から独立したコミュニティーを営んでいる。古代のギリシア・ローマでは市民と奴隷で住む場所が区別されていたが、さながら今のアメリカは合法的な奴隷社会に回帰しているようにさえ見える。
    イギリスのサッチャー首相とアメリカのレーガン大統領が新自由主義を謳い、それまでのケインズ型の再分配政策を放棄。市場原理主義を導入して経済の立て直しを図った。実質賃金は上昇したものの、その恩恵は所得上位の層に偏り格差をさらに拡大させた。しかも、富裕層は他の所得層と同じ割合ではお金は使わず、これがアメリカの需要危機を招いている。富の集中が公平性の問題だけでなく、低成長を招く構造的な要因ともなっている。消費性向の高い中間層の所得水準が低下すれば消費に回るお金が減り。経済が停滞していく。新自由主義の修正が必要となっている。

  • 2015/09/09
    移動中

  • 日本も中間層が衰弱してしまう、という本。ピケティからの記述もあるが、ピケティとは論を一にしない。
    格差拡大に対する警告と、アベノミクスへの反対意見、わかりやすい。
    タックスヘブンの問題はピケティと同じか。
    やアマゾンの各国が課税できていない問題。
    賃金が変わらないのに起こる21世紀型インフレ。デフレ=不況ではない。

    日本のゆくえ 目次

    第1章 中間層が没落するアメリカ
    空前の株高好況の足下
    上位5%とそれ以外の格差の拡大
    フードスタンプから見えるアメリカ経済
    食の世界も大企業が支配
    「農奴制」に戻ったアメリカ
    安全を金で買う富裕層の街
    「グーグルは出て行け」
    大都市に増える刑務所以下のアパート
    「21世紀型インフレ」で起きたウォール街占拠
    失業率低下の真相
    平均や総額では見えない貧困
    第2章 格差はなぜ拡大したのか
    新自由主義がアメリカの格差を広げた
    サッチャリズムとレーガノミックス
    流動化した雇用市場という画餅
    未曽有の経済危機という大義名分
    社員の首を切って莫大な報酬を得る経営者
    目に余る米国企業の自社株買い
    未来なき短期志向の株主資本主義
    横行するアクティビスト
    税金も払わないアメリカ企業
    スポンサーの合法的なお金で動く政治
    第3章 経済学は何のためにあるのか
    経済学の目的とは、民を豊かにすること
    アメリカで熱狂されたピケティの格差論
    ピケティの主張が通用しない理由
    中間層が没落すれば、経済も失速する
    デフレと不況は関係ない
    エネルギー革命がデフレを生む
    暴動や戦乱を引き起こすコスト・プッシュ型インフレ
    インフレ政策の本家・アメリカのこれから
    第4章 中間層と国家の盛衰
    古代ギリシャにおける中間層の誕生
    中間層の台頭と民主政治の始まり
    ギリシャの衰亡と民主政治の終焉
    強国ローマの礎は中間層が担っていた
    カルタゴとの戦争で没落した中間層
    格差拡大が原因となった「内乱の一世紀」
    口ーマ帝国の衰亡
    唐の時代の中間層
    均田制で統治していた唐王朝
    武章の禍・安史の乱と均田制の崩壊
    唐の衰亡
    格差が拡大して王朝が変わる中国
    第5章 21世紀のインフレ政策は間違っている
    インフレ目標政策は既に失敗している
    延期し続けられる効果の期限
    「円安=製造業にプラス」は既に時代遅れ
    1997年と2014年の増税の違い
    なんのためのインフレなのか
    物価上昇は家計の負担が増えることによって起きる
    大幅な通貨安は国民の生活を困窮させる
    中小企業の給料は上がらない
    実質賃金が10%下がった地方との格差
    教育も固定化する経済格差
    第6章 世界の模範となる日本
    アメリカよりはるかに健全な日本社会
    犯罪が少なく、住みやすい日本
    疑問の多い労働分配率
    雇用を守ることを優先する日本の会社
    サラリーマン経営者は日本企業の象徴
    失われてはいなかった日本の20年
    格差をつけない日本型人事体系
    日本型経営の良さを理解していない安倍政権
    日本企業の価値観が壊れ始めている
    日本にも広がるリキャップCBという本末転倒
    弱者寄り政党も富裕層にすり寄る格差大国
    おわりに 本当に「失われた」20年だったのか

  • 現在の世界経済を的確に捉えている本。
     途中、古代西洋史を中間層の視点から振り返っている部分は、背景知識がないと読みづらいと思う。

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