- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784023314948
感想・レビュー・書評
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パテカトルの万能薬は週刊朝日に連載されている時、毎週読んでいたけれども、今でも連載続いているのかなという疑問がある。この本初版本で購入し、長い期間積読していたけれどもついに読了。この前読んだ、ココロの盲点と被っている内容もある。本の内容から、ここで取り上げることは次の3点。
1、人は自分の意見だと思っていても、他人の影響を受ける。よって潔くあえて周囲に流されるという作戦もよさそう。自分の意見をもつという教えも親や教師の強制。
2、健康な高齢者は行動がぶれない、ものごとが必ずしも自分の思い通りにならないことを知っている。
3、3歳以降、神経細胞数はほぼ一定。脳細胞が歳とともに減るという説は都市伝説。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ワンテーマ1ページ半で、簡潔に興味深くまとめてくれているので読みやすい。
暗いところで目を酷使しても疲労するだけで視力は悪くならない(遺伝要因)、脳神経細胞は3歳までに70%が消滅して、残り30%で生涯生きていく、ゲームは脳発達に良い影響など、常識として捉えていたことが間違っていると科学的に証明されていることに驚き。後は語学力は遺伝子で適正があるとか。
どうも脳の仕組みってのは期待しているよりも人間本位で機能してくれてないみたいで、まだまだ解明されてないことが多いのだな。自分を責めてしまいそうな羞恥心とかもも脳のデフォルトと考えると、なんだか許してしまえちゃうような。科学って堅苦しい印象あるけど、自分の生活に寄り添ってくれるんだなと新しい発見。それほど平易な文章で最新研究を伝えてくれてます。
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週刊朝日に連載された内容の抜粋とのこと。
3ページごとに話が進んでいくため、テンポよく読めます。
脳科学に興味を持ったときの導入として、脳科学に興味を持つための入り口として読みやすいと思いました。
「進化しすぎた脳」「単純な脳」のがより深い内容かと思います。 -
脳に関する最新の情報をまとめて解説してあるユニークな本だ.それぞれのコラムに関連する文献を網羅している.これだけの文献に目を通してそれをまとめる作業は大変だと感じました.ワイドショーなどで根拠のはっきりしない、またいい加減な文献をベースに眉唾な情報をまき散らす事例が多いなかで、このようにしっかりとエビデンスを示していることは、科学者としては当たり前の活動だ.が、それをしない輩も多い.各コラムで著者のコメントは非常に適格だと思っています.
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最新の科学論文を短くまとめて紹介するエッセイ。
この本の様なニュースサイトがあれば良いのにと思った。 -
昨日は、東大で脳科学者の池谷裕二さんを取材。
東大本郷キャンパスは、ちょうど桜が満開。昨日はポカポカ陽気でもあり、そのまま花見になだれ込みたくなったが、お花見気分だけ味わってガマン。
池谷さんを取材するのは8年ぶりだ。
現時点の最新著作『脳はなにげに不公平――パテカトルの万脳薬』(朝日新聞出版/1404円)と、2012年刊行時に買ったが積ん読してあった『脳には妙なクセがある』(扶桑社/1728円)を読んで、取材に臨む。
2冊とも、脳科学および隣接分野の最新トピックを紹介しつつ、「脳科学の視点から見て『よりよく生きるとは何か』」を考察したサイエンス・コラム集である。
科学読み物としての知的興奮と、その底にある哲学的な深みのバランスが素晴らしい。面白くてためになる。 -
脳研究の池谷博士による『週刊朝日』連載エッセイから62回分をセレクトした本。科学論文に発表された脳研究の成果に著者の解釈を加えて紹介してくれる。
発表内容にしても著者の解釈にしても本当にそれで正しいのかどうかは分からない(ハエにとってアルコールや交尾が「快楽」だから選択されているのか、別の嗜好要素や優劣の忌避要素があるのかもしれないなどど思う)が、色は脳が作り出したものであることとか、種の生存を支えてきた直感は思考に優るものだとか、知的刺激を楽しんだ。
17-89 -
軽妙なタッチで、最先端の脳科学の知識を知ることができて楽しい。常識と思っていた事が、間違っている事があったり、頭を柔らかくしておく事が大事と感じさせられた。
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今回も脳関係の小ネタ集的エッセイだけど、軽く読めるにもかかわらずきちんと最新の研究成果なども紹介されており、興味深かった。
意外なほど人の行いや意思決定に関係している遺伝子のこと、感覚や記憶のこと、社会的行動のことなどなど。
個人的に共感したのは次の一節(「他人の感覚は共有できるか?」より、p.198)。
「感覚は孤独な現象です。自分の射程距離を超えることはありません」 -
脳に関するコラムを本にまとめたもの。ひとつひとつが面白い。