FinTechが変える! 金融×テクノロジーが生み出す新たなビジネス

著者 :
  • 朝日新聞出版
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784023315198

作品紹介・あらすじ

「Finance(金融)」と「Technology(技術)」を組み合わせた造語「フィンテック」。金融サービスはもちろん、ビジネス全体、社会そのものが変わっていく可能性がある。欧米の最新事例を基に詳しく紹介する!

感想・レビュー・書評

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  • フィンテックだけでなく、ビットコイン&ブロックチェーンについてもわかりやすい例で知れたのは良かった!

  • エムペサ@ケニアを例に、実際に世界を変えたFintech技術やサービスを数多く紹介。お金に関するこれまでになかったサービスや、よりお金を賢く使えるサービスが今後増えていくだろうと実感

  • 献本にていただく。

  • ちまたで話題のフィンテックについて、現状と未来予測をまとめている本。本書の特徴としては、とにかく分かりやすい点にある。
    ケニアで大流行している携帯電話による送金サービスエムペサの事例から本書は始まり、シリコンバレーや欧州の最先端の事例を紹介してくれる。

    以下に備忘録として、面白かった点を記載しておく。
    ①エムペサの始まり
    エムペサの始まりは、英国の通信会社ヴォーダフォンにさかのぼる。社会事業部門として途上国に通信インフラを普及させようとしていたエンジニアが、携帯電話による送金サービスを使用すれば、金融アクセスのない途上国の貧困層を援助できると発案したことがきっかけである。
    エムペサは、ケニアの成功例を引っさげて、タンザニアやインドでも同じビジネスモデルを展開している。

    ②新しい奨学金制度ソフィ
    米国ベンチャーが始めた奨学金ローンが学生の間で大流行している。ソフィと呼ばれる奨学金ローンは、学生がウェブサイトに入力した情報から将来の返済能力を予測し、大学の卒業生、機関投資家、個人投資家から資金を募る。通常の奨学金ローンよりも低利かつ、奨学金生にはキャリアサポートまでつくため、大人気である。そして、ソフトバンクグループは、ソフィを開発したベンチャー企業に出資している。

    ③貸し出し人の返済能力の審査機能
    現状の金融機関は、資金を貸し出す際に、クレジットカードの履歴や勤務地、年収などから貸し出し人の将来の返済能力を計算している。
    驚くべきことに、フィンテックでは、この審査機能をFacebookなどのソーシャルメディアを用いて実施されている。収集したビックデータを基にして、貸し出し人の返済能力を計算し、適切な融資審査を下せるようになっている。

    ④進化するPFM
    PFM(Personal Finance Management)とは、個人の資産を管理することであり、日本ではマネーフォーワードを始めとする家計簿アプリが有名である。米国で大流行しているラーンベストというアプリでは、有料課金で24時間対応でファイナンシャルプランナーにチャットで相談できるようになっており、もちろん、値段は通常の相談料よりもはるかに安い。
    PFMの将来としては、個人の消費性向や未来の貯蓄を計算する機能が加わる。例えば、家計簿アプリを銀行口座やクレジットカードと紐づけておけば、毎月の支払いの傾向が分かるようになり、将来の消費を予測することができるようになる。

    ⑤フレンドインシュアランス
    米国ベンチャー企業が発案した、フレンドインシュアランスと呼ばれるあたらしい保険サービスが注目を集めている。一定の掛け金をグループ単位で保険会社に収めるが、仮に病気や疾病がなければ、グループに返済される仕組みである。かつ、グループ内のメンバーは個人が任意で選ぶことができるため、自然と返済能力の高い人をグループに誘うことになる。

    ⑥進化する保険サービス
    最先端の保険サービスは、利用者が保険会社を比較検討する際に、ユニークな質問をすることで、利用者にとって最適な保険会社を提案する。たとえば、「毎月、何万円まで無駄遣いに使うことができますか」「100万円が10パーセントの確率で当たる宝くじに、あなたは何万円まで出しますか」と言った質問に、利用者が回答するだけでよい。プログラムがこうした質問の回答から、利用者のリスク選好を計算し、最適な保険会社やサービスを提案する。

    ⑦トランスファーワイズ
    トランスファーワイズは、先進的な海外送金サービスである。自国から他国へと送金するペアと、他国から自国へと送金するペアとマッチングさせ、自国内で取引を完結させる仕組みを形成している。このマッチングのおかげで、海外送金の際に発生する手数料を大幅に抑えることができ、利用者が急増している。

    ⑧ブロックチェーンの使い方
    ブロックチェーンは、10分間に実施された取引をブロックの中に1MBの情報に閉じ込め、それを数珠繋ぎにしているデータベースである。従来のデータベースが中央管理体制であったが、ブロックチェーンは、P2Pで管理されている。
    このブロックチェーンは情報の改竄が困難であるため、生産物の原産地証明に使われている。例えば、ブラッドダイアモンドと呼ばれる、紛争国におけるダイヤモンドの原産地証明に、ブロックチェーンの技術が応用されている。

    ⑨Iotと家電製品
    サムスンがマスターカードと提携して、自動で注文をする冷蔵庫を開発した。冷蔵庫内の野菜や飲み物が不足していることをデータで把握し、必要な分をネットショップでマスターカードを使用して購入するのである。

    ⑩センサー技術
    個人認証をする手段として、虹彩や顔認証が用いられている。実際に、インドでは2010年より12億人の虹彩データ把握し、個人認証を普及させようとしている。

  • ケニアで普及したエムペザについて書かれている。
    その他モバイルマネ-についても書かれている。

    銀行以外が銀行の役割を
    ソーシャルレンディング
    クラウドファンディング

    お金の管理
    PFMサービス
    保険の進化
    P2P保険
    より多くのデータでより正確にリスクを把握
    フィンテックの本丸決済サービス
    モバイル決済、海外送金

    フィンテックについてのさまざまなことが書かれている本

  • 最近よく聞くFinTechについての本。
    いろいろ初めて知ることが多くて驚いた。
    スウェーデンでは現金の取り扱いを行わない(キャッシュレスの)銀行の支店が増えてるとか、発展途上国でエムペサという携帯電話で簡単に送金できるサービスが普及しているとか。自分も親にお金いれてるけど、ATMで出金することよく忘れるから、簡単に送金できるようにしたい。
    ちなみに、フィンテックという言葉は1972年8月に登場したらしい。結構古くからある言葉なんだなぁ。
    ところで、何のために聞いたのかわからないけど、「銀行の言うことを聞かされるよりも歯医者に行く方がまし」というのが71%にも達しているという話はよく分からない。ここから、「銀行は必要無いと思ってる人が多い」という結論に持って行きたいようなのだけど、恣意的すぎるだろ。
    家計簿アプリについては、Zaimを使ってるのだけど、マネーフォワードのほうがよさそうな気がしてきた。Zaimも金融機関と提携しないのだろうか。

  • キャッシュレスは日本ではICカードが主流な気がするけど、世界ではモバイル端末が主流なんだな。モバイル端末であれば送金や決済も可能だけど、ICカードでは難しそう。これからはモバイル端末に移行していく流れになるのかな。

    銀行との連携に留まらず、個人の財産管理や保険との連携も。ただ、そのために個人のお金の使い方や行動をデータとして収集されるのはあまりいい気がしないな。

    ビットコインで導入されている改竄防止のためのブロックチェーンは、今後浸透していくんだろうな。

  • 「ファイナンス(Finance)」と「テクノロジー(Technology)」を組み合わせた造語、「フィンテック(FinTech)」。この技術の特徴や、フィンテック先進国である欧米の最新情勢について紹介する。


    01 世界を変えたモバイルマネー
    02 なぜいまフィンテックなのか
    03 お金に困ったら銀行以外へ
    04 お金の管理から生まれる新しいサービス
    05 保険も進化する
    06 サイフが歴史の遺物になる日
    07 お金そのものが進化する
    08 フィンテックが変える社会

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著者プロフィール

【訳者】
小林啓倫
1973年東京都生まれ。筑波大学大学院修士課程修了。システムエンジニアとしてキャリアを積んだ後、米バブソン大学にてMBA取得。外資系コンサルティングファーム、国内ベンチャー企業などで活動。著書に『FinTechが変える!金融×テクノロジーが生み出す新たな新ビジネス』(朝日新聞出版)など、訳書に『操作される現実』『ドライバーレスの衝撃』『テトリス・エフェクト』(以上、白揚社)『シンギュラリティ大学が教える飛躍する方法』(日経BP)などがある。

「2022年 『情報セキュリティの敗北史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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