できない脳ほど自信過剰 パテカトルの万脳薬

  • 朝日新聞出版 (2017年5月19日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784023316027

作品紹介・あらすじ

【文学/日本文学評論随筆その他】週刊朝日に連載されている「パテカトルの万脳薬」の単行本化。『脳はなにげに不公平』の続編で、脳科学者である池谷裕二・東京大学薬学部教授が贈る、柔らかくも鋭い視点満載の内容。

みんなの感想まとめ

脳の特性や学習方法について深く考察された内容で、特に「できない人ほど自信過剰」というテーマが印象的です。著者は、ダニング=クルーガー効果を通じて、自分の限界を理解し成長するためのヒントを提供します。ま...

感想・レビュー・書評

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  • タイトルはダニングクルーガーの研究論文によるものだが、こうした科学エッセイが複数紹介されるのが本書。気軽に楽しめるトリビア本。既知の内容も多いが、その時のタイミングで響くテーマが異なるため、発見したり、そのテーマを切り口にした思索が深まる。

    ー 私たちの思考は、先人たちのアイディアのコラージュによって成り立っている。自分の思考について、その参照元を示せるのが一流、二流は借用であることを忘れている。

    ー 同じ恋愛結婚ならば、一目惚れの方が離婚率が低い。潜在意識による好感度が重要。

    ー 考え続けることを依頼されるより、考えないようにする方が難しい。集中して考えないようにすると、精神を消耗する。

    ー 正確無比な記憶は、曖昧に覚えるよりも、演算としては遥かに低級です。コンピュータプログラミングを行ったことがある人ならば理解いただけると思います。正確にデータを保管するのは簡単ですが、大人の脳のようなファジーな記憶をコンピュータで再現するのは、人工知能などのように相当に凝ったプログラミングが必要になります。

    ー モチベーションは人によって様々ですが、心理学的には二つに大別することができます。内発的動機と外発的動機です。ウルゼスニフスキー博士らは、あえて「内部動機」と「手段的動機」と分類しています。

    ー 明晰夢を見ているときの脳を計測すると、ガンマ波という独特な脳波が、前頭葉や頭頂薬に現れることがわかります。では、このガンマ波は「第二の自分」の鍵を握っているのでしょうか。これを調べるために、眠っている人の脳をガンマ波のリズムで電流刺設するという、びっくりするような実験を行った人がいます。

    ー ラパマイシンに期待が寄せられたのには、もう一つの理由があります。かつて延命実験で失望させる発表があったからです。いわゆるカロリーリストリクションです。食事量を減らして摂取カロリーを抑えるだけで、寿命が延びるという現象です。この効果は、ネズミから虫や細菌まで、生物界全般に幅広く見られます。食事量を20%減らすだけでネズミの平均寿命は30%延び、ハエに至っては2倍以上に延びます。サーチュイン遺伝子の関与など、具体的なメカニズムも解明され、ますます注目を集めました。
    こうした期待を受けて、食事制限の効果は、サルでも検討されました。サルは寿命が長いため、実験には時間を要しましたが、ようやく昨年の「ネイチャー」誌に成果が発表されます。結果は「延命効果なし」という残念なものでした。当然ながら、ヒトについても、同じ霊長類だから効果はないだろうと、沈鬱な空気が流れました。

    曖昧記憶の方が高級だというのは、モンタージュ写真の応用としても分かる気がする。手段的動機とは、出世を原動力としたモチベーションだが、仕事の楽しさ自体を動機とした方がブレない。サーチュイン遺伝子が微妙な論拠だったとか、明晰夢がコントロールできるかも、みたいな話も含めて非常に面白かった。

  • パテカトルの万能薬、第2弾、こちらも長い間積読してました。下記にあるように自分なりのポイント12点。

    1、できない人ほど自分はできると勘違いしている傾向。これをダニング=クルーガー効果という。しかし能力の低い人でも訓練で、スキル不足に気づき成長の余地あり。

    2、後世への影響が強い論文は、単に革新性が高かっただけでなく、保守性もまた強かったということ。

    3、宗教心は、善行を生む良心よりも、悪行をしない良心を生む。

    4、褒める「強化」、叱る「弱化」、褒めるだけが学習成績がよい。叱ってはいけない。

    5、我慢(精神的に消耗)すると、忍耐力が下がる。この自我消耗を克服する方法は、ブドウ糖の補給。

    6、一般に、記憶は正確であっても、高速であっても不都合。ゆっくりと曖昧に覚える。今回の失敗を過去の失敗経験に照らして上手に認識することで上達。プロとはその道のあらゆる失敗を知っていること。

    7、ダ・ヴィンチは、興味がないのに勉強しても記憶にとどまらない、つまり興味をもっているときに勉強せよと主張する。

    8、尿酸値の高い人は、記憶力や認知機能が高く、また将来に認知症になりにくい。天才達が痛風に悩まされていたという記録あり。

    9、遺伝子で定まる特定の才能に固執するより、未開拓の潜在能力に注目したほうが、はるかに健全ですし、素敵な生き方だと思う。

    10、一つ独学で試行錯誤で最適解を探すタイプ、二つ成功者の真似タイプ、三つ周囲の平均的な意見に従うタイプ。柔軟に戦略を変える必要があるが、実際には、思考癖になっていて柔軟性が少ないが、集団社会では多様性となり役立っている。

    11、単に好きだからやっているだけという人がよい成果をあげている。好きに理由なし。

    12、脳の柔軟性がますます重要。未来を自ら造ること。

  • ★★ダニング=クルーガー効果★★
    ①能力が低い人は、能力が低いがゆえに、自分がいかに能力が低いかを理解できない。
    ②能力の低い人は他人のスキルも正しく評価できない。
    ③だから、能力の低い人は自分を過大評価する傾向がある。
    この効果について初めて知った人の多くが、「確かに勘違いしている人はいますね。」と自分を棚に上げる。

    ヒトは本質的に他人の不幸が快感。という卑劣な感情も、同情している自分がより優位であると確認できるため?
    人工知能も、こんな感情を学んでいくのでしょうか!?

  • 聞いたことがあるような話もあるけれど、へぇ!と膝を打つような話が盛りだくさんで、誰かに語りたくなる。
    定期的に読みたい。

  • 脳科学者の池谷裕二先生の著書。できない人、能力が低い人ほど、自信満々で自信過剰。それは脳の癖だそう。「できない脳ほど自信過剰」、脳科学という分野の難しいお話をわかりやすい言葉で説明されています。池谷裕二先生の他の著書も読みたくなった。

  • たっぷりな内容で興味深いものが非常に多かった。近年の問題を脳科学から切り開いたエッセイ集。

  • 図書館でタイトルを見て借り。
    できない脳ほど自信過剰、というタイトル、私の頭には家族の一人の顔がパッと思い浮かんだ。

    ・IQは遺伝する(p121) 人は経験や学習を通じて知恵や知識を身につけ、立派に成長します。

    ・p203 運動すると筋肉のPCG-1α1が活性化し、うつ病の原因物質であるキヌレニンを分解し、脳を守る。運動療法の利点には治療効果に加えて予防効果もあること

  • 池谷裕二氏の書籍は以前は新刊が出るたびに読んでいたものだが、最近は足が遠のいていたが、久しぶりに手を取った。
    著者が論文などで得た情報を面白く語っているのは変わらずだが、脳科学的な知見についてはその他の書籍でも読んでいることもあり、個人的にはあまり新しい知見はなかった。

  • 普段何気なく行動していることを脳科学の視点で分析してくれて、なるほどと頷いてしまうことがたくさん見つかります。最後には、未来について脳科学から考えます。AIに人間が飲み込まれるみたいな想像も時にしてしまいますが、そこへの示唆を与えてくれる一冊です。

  • 好きに理由はない、ただ好きなことが最強
    薬学部教授がかいた脳について連載エッセイをまとめたもの
    勉強前には水を飲もう
    終わったらカフェイン。

    散瞳:好きな物、集中力、 注意力。肯定的な回答を思い描いた方が散瞳率たかい

    強化だけが最も学習成績がいい
    弱化するだけなら何もしない方がいい

    我慢すると、忍耐力がさがる
    自制心や意志力が消耗するといういわれ 自我消耗
    ブドウ糖補給で回復できる
    ブドウ糖補給で自制心は回復する。加齢により鍛えられる

    勉強したあとにカフェイン取ると長期間覚えていられる:固定↑
    カフェインはプリン体。運動量上がり、活発に動き回る。
    カフェイン:直接的に神経興奮
    尿酸:抗酸化作用を介して脳機能向上

    バイオフィードバックで血圧、脈拍かえられる。扁桃体の活性化もできる。自制心が強く、感情を抑えることのできるタイプの人ほど脳制御も上手。
    側坐核の活動を高めたら明るく前向きな気分になり、やる気が生まれた。どうやって?楽しいことをイメージした。自分で脳の活動を変えることはできる!!

    夢や目標をたくさんあげることよりもただ好きでやってるだけの人のほうが最終的に良い成果

  • P145
    視点の変換
    「お前は後悔しているのか」
    「ここにタイムマシンがある」
    「すべてをリセットし20年前に戻してやろう」
    同じ世界なのに見え方が変わる。

    P222
    哲学者セネカ
    「人生が短いのではない。時間の大半を無駄にしているだけだ」

    P230
    将来の夢を語ることに意味はあるのか?

    P231
    人はなぜコンピュータを作ったのか
    その原点を忘れてはいけない

  • 週刊誌の連載をまとめたものらしく、一つの話が3~4Pにまとまっている。こういうボリュームだとWebで拾い読みするのと大して変わらず、食い足りない。いままで面白かったためしがないので、せっかくの池谷裕二先生なんだから、たっぷり聞かせて欲しいよなー、残念だなー、と思いつつ読み進めたが、え? まじ? ホント?と思う話続出で、途中でメモをとりたくなった。さすがの池谷先生。面白かった。

    この先生の授業を受けたい。

  • 単に好きだからという理由で仕事を続けるほうが、出世するし辞めないらしい。
    面白かったです。

  • 日常を過ごす中で、つらつらと思い浮かんだことを、脳科学的知見から、捉えてみたエッセイ集です。読みやすく、興味を引くような内容を最新の文献に基づいて書かれています。脳科学本で繰り返し取り上げられるようなテーマでないものが多く、内容は幅広く、感心しました。最終章の「人工知能が活躍する時代に」は脳科学の発展に伴い、仕事が変わっていくことが書かれていて、新しい時代についていく、むしろ切り開いていく気概がある人が生き生きと生きていけるのだなと再認識しました。

  • 論文内容を平易に解説してあり、理解しやすい。人工知能に関しての考察は書かれた時から10年を越えているが、外れていない。

  • 他人の不幸が快感や悲しい音楽も快感である点に合点がいった。

  • 一篇がちょうどよい長さ。
    一気に読むより気が向いたときにぱらっとめくったページを読むのによい感じ。

  • 面白かった。タイトルからして興味を惹く(笑)。へぇ~と驚くことがたくさん書かれていたが一番印象に残ったのは、心臓が止まっても脳はしばらく活動してるという事実。脳が動きを止める前の短い時間に意識レベルが高い状態になるらしい。よく死亡を宣言されたあとに生還した人が語る臨死体験は脳がそういう状態だったのではないかと書かれている。幸せな毎日を送るには思いきり笑った方がいいらしいから、ぜひ実行したいと思う。

  • 我慢すると忍耐力が下がる。ブドウ糖の補給でイライラが減る。

    プラセボ効果は宗教と科学の境界線に位置する浮嶋。

    笑われることを怖がる人ほど笑わない。

    ノンレム睡眠のとき、睡眠学習は効果がある。

    記憶の定着にコーヒーが効果がある。
    カフェインは尿酸=プリン体と同じ構造。

    一日40分の散歩を週3回、半年で海馬が成長する。記憶力を高める。

    関係性欲求=電脳習慣病。食欲=生活習慣病と同じ構造。

    原始時代は労働は一日3時間。農耕が始まると労働時間は長くなった。寿命は短くなり、身長は低くなった。
    なぜ農耕が始まったかは定説がない。農耕によって余裕を持てるから=余裕は豊かさ。

    無性生殖のほうがスピードが速く繁栄には有利。有性生殖は遺伝子の交換によって進化のスピードが速まる。

    楽しいことをイメージすると脳座核が活性化する=やる気が高まる。

    手段的動機と内部動機。ご褒美は典型的な手段的動機。
    内部動機のほうが強い。目標や夢が多いほど長続きしない=手段的動機だから。

    快感と不快は紙一重。
    赤ちゃんがおしっこをするとき泣くのは、する前が不快だから。寝る前に泣くのは、寝る前が不快だから。
    香辛料は動物にとっては不快なだけ。人間が好むのは克服している快感から=バランス崩壊症。
    まどろみが気持ちい、ランナーズハイ、苦いビールやコーヒーを好むこと、などと同じ。

    人は仲間を作りたがる=悪意がなくても仲間外れを作ることになる。

    人間以外はリズムに乗れない=リズムを予想できない。人以外は音楽を愉しめない。

    虫は二酸化炭素を嗅げる。無知の認知。

    携帯は菌の温床。細菌ウイルスは、携帯で増殖して手で感染する。

    人工甘味料でブドウ糖不耐が起きる=腸内細菌が影響する。

    死ぬときの脳活動
    ステージ1=3秒ほど。脳は生きている。
    ステージⅡ=5秒ほど。α波やシータ波が出る。
    ステージ3=ガンマ波がでる=覚醒した状態。脳内から情報を呼び起こす。臨死体験と同じ。

    ラパマイシン=長寿の薬の可能性がある。

    脳とコンピュータの違い
    エネルギー効率=脳は20ワット、京は1000万キロワット。
    自己書き換え=適応力がある。トゥルーノースはその能力があるチップ。

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著者プロフィール

監修:池谷裕二
脳研究者。東京大学大学院薬学系研究科薬学専攻医療薬学講座教授。薬学博士。一般向け書籍の累計発売部数100万部超え。

「2023年 『3ステップ ジグソー知育パズル どうぶつ だいずかん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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