アフリカ出身 サコ学長、日本を語る

  • 朝日新聞出版
4.05
  • (11)
  • (24)
  • (5)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 215
レビュー : 26
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784023318809

作品紹介・あらすじ

マリ共和国出身の京都精華大学長、ウスビ・サコ氏の自伝。幼少期、中国留学、日本人との結婚、子育て、学長就任。波乱に満ち「なんでやねん」の連続だった日々をコミカルに回顧しつつ、日本社会や教育の問題点を独自の視点で鋭く批判する。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 日本人は外国の方から批判されたり、持ち上げられたりすることを有難がる傾向があるように思える。この本もそこを狙っている本かと思っていたが、いい意味で裏切られた。

    著者はマンガ家の竹宮惠子氏の後任として、京都精華大学学長を務めており、本物の「教育者」だと感じた。サコ氏はアフリカのマリ共和国の出身で、中国に留学したが留学生と中国人学生との衝突を経験。その後、日本に留学する。日本に来た理由は、「面白さ」を感じたからだという。それは「だらしなさ」や「わけのわからなさ」だという。こんなこという人初めてでしょう。

    本書の中盤以降、真摯でユニーク(日本人にとって)な教育論が展開されている。教育とか大学に興味のない方でも、本書の第8章だけは読むと良い。そこに書かれている「政治に関心がないのに政府に依存する」という文にハッとさせられるに違いない。

  • 『婦人画報』に学長ウスビ・サコと坂本龍一氏の対談が掲載 | 京都精華大学
    https://www.kyoto-seika.ac.jp/news/2020/0929_1.html

    朝日新聞出版 最新刊行物:書籍:サコ学長、日本を語る
    https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=22085

  • ーー「誰か私を自由にして」って、何でやねん!

    「自由」をラディカルに考え、身体を動かし、人を動かし、社会を変えようとしているサコ学長と学生たち。なんて風通しがよくて、人間味のある大学なんだろう。本当の「リベラル(=自由で寛大で風通しがよく分け隔てのない)アーツ」をサコ学長と学生たちは一緒につくろうとしているようだ。
    専門の建築学を学ぶにしても、インドのスラム街から学んで「スラム型集合住宅」を町屋再生計画で提案するなんて、楽しそうすぎる。そんな話をしながらも、「スラム=かわいそう」というテンプレートに嵌まり込んで思考停止する姿勢にはピシッと鞭を入れてくれる、あたたかくも厳しいサコ学長。外国人留学生や労働者を使い捨てにしようとしている政府や企業の姿勢に「超やばい」と警鐘を鳴らしつつ、日本社会で暮らす不自由を自由に変えるべく自ら動いた経験を踏まえて「自由はもらうものじゃない」と諭すサコ学長。息子のイジメに立ち向かうべく、自分の肌の色までもネタにしちゃうサコ学長。
    いいなぁ。
    かっこいい。
    読んだら元気が湧いてきた。
    サコ学長に会って、お喋りしてみたくなった。 
    ナスビタコになりたい、って言った小学生の気持ち、分かるわ。

    • workmaさん
      サコ学長のことを、Eテレビ「心の時代」で見て知りましたが、とても魅力的な人ですよね。こんな学長がいる大学、教わる学生は、サコ学長と出会え...
      サコ学長のことを、Eテレビ「心の時代」で見て知りましたが、とても魅力的な人ですよね。こんな学長がいる大学、教わる学生は、サコ学長と出会えたことが、最高にラッキーだと思いました。

      自分はせめて、本を読むことで、サコ学長と対話したいと思います。
      2021/05/02
    • かおりさん
      コメントありがとうございます!テレビ出演もしてらっしゃるんですね!アーカイブを探して見てみようと思います。
      コメントありがとうございます!テレビ出演もしてらっしゃるんですね!アーカイブを探して見てみようと思います。
      2021/05/02
  • 大学長になるまでの前半パートは、かつてWebで見た内容が詳細化されていた(あらすじを知っていても面白い)が、後半の日本の学びへの提言パートがグサグサ刺さる内容だった。
    自分の大学生時代の考え方なら、著者に乗っかろうと安直に考えてゼミ志望しそうだが、その姿勢では物足りないと叱責されるだろう。

    印象に残った言葉
    ・グローバル化とは、自分の価値観を持ったまま、お互いに強調していけること
     →同化するのではない
     →マックス・フリッシュ「我々は労働力を呼んだが、やってきたのは人間だった」
    ・政治に関心がないのに政府に依存する
     フレーム化された集団教育に疑問を感じているのに、学校に求めすぎる

    • workmaさん
      引用文、参考になりました。ありがとうございました。
      引用文、参考になりました。ありがとうございました。
      2021/05/02
  • 京都精華大学は、実は現役の時に滑り止めに受けて受かった学校だ。美大生だった私には、この学校へ進学した友人・知人が数人いる。当時は山奥の美大という印象以上のものを抱かなかった。

    外国人、西洋やアジア系ではなくアフリカ人の学長というのが一際噂になり、この著作を手に取った。いろんな国の文化やくらしに触れたからこそ、日本という国のありのままの姿を捉えていて、感じたことを率直に表現できるのだろう。
    天災に人災、戦争やコロナ禍、いろいろなことが起きるが、これからの世の中を作るのはこの地に住む人々なのだ。大学は指南を仰ぐところではなく、自身で考えて成長する場所。当たり前のことだが、日本の大学は徐々に経営至上主義と企業ファーストに成り果てた。慣習の良し悪しはともかくとして、学生に慕われ、時に厳しい姿は、学長というより徒弟を育てる親方に見える。これほど希望の持てる教育者が、今の時代日本にどれほど存在するのか。そんなことに思いを馳せた。大学だけでなく、社会での人との出会いで、人は育つ。コロナで人と出会うことも少なくなってしまった現在、非常に危惧されるのがこれからの社会のしくみだ。学生には厳しい現実が付きまとうが、諦めずに時に人を信じて歩める人になってほしい。

  • 読みすく、サコ学長の生い立ちから今に至るまでと
    日本の教育制度の問題点等が書かれている。
    総合評価と偏差値に教育をサッカー練習の基礎練習を繰り返し行い弱点を失くすのか、ゲーム形式の練習を繰り返し
    ひとり一人の個性を伸ばしていくのかという例えが興味深かった。

  • ・子どもの足りない部分を補う、という発想ではなく、子どもが目指している目標を支援する、という「目標教育」という考え方を知った。

    ・大学はもっと社会に対してメッセージを発信し、人間形成の場としての価値があることを社会に説得するべき、といった主張に共感。経済や産業に教育が従属している関係を改善することが重要と感じた。

    ・内田氏の解説はなるほどという感じ。日本の専門家は自分の専門分野について、ハードル上げすぎかも。

  • マリ共和国出身。京都精華大学学長が反省と日本について語る。貴重な視点から得るところの多い一冊。

    中国留学から日本に興味を持ち来日。日本で学び日本国籍取った一アフリカ人。日本の大学では初のアフリカ系の学長となる。

    日本語も堪能であるし日本文化に十分に精通しているが、マリの視点ももちろん忘れない。日本人では気づかない日本の長所、短所そして未来の日本国に向けた提言が記されている。

    欧米に追いつけ追い越せが従来のアジア、アフリカの立場だったが、現在はそれほとを単純なものではないようだ。

    日本の教育の弱点を指摘した部分は特に炯眼。

  • 289-S
    閲覧

  • アフリカのマリ生まれでフランス系の学校に通うイスラム教徒が中国に留学して日本に来て大学の学長になって関西弁をしゃべる話面白い。

全26件中 1 - 10件を表示

ウスビ・サコの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
恩田 陸
劉 慈欣
リンダ グラット...
凪良 ゆう
有効な右矢印 無効な右矢印

アフリカ出身 サコ学長、日本を語るを本棚に登録しているひと

ツイートする
×