左遷社長の逆襲 ダメ子会社から宇宙企業へ、キヤノン電子・変革と再生の全記録

著者 :
  • 朝日新聞出版
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感想 : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784023319912

作品紹介・あらすじ

キヤノングループのお荷物子会社だったキヤノン電子はいかにして、宇宙企業へと変貌したのか。酒巻氏が社長として赴任してから「会社のアカスリ」で徹底したムダを省き高収益企業へと生まれ変わり、そこで得たお金で人工衛星とロケットという宇宙企業へと参入する。20年の経営改革の全貌をストーリー形式で紹介する。

感想・レビュー・書評

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  • やや前時代的な感もあるが、会社が変革するためにはトップが情熱を持って取り組むことの大切さが改めて分かった。
    ここまでできるかというと全く自信がない。
    後半の宇宙話から急に趣がかわる。

  • 現在、世界で民間企業主導による宇宙開発事業が進んでいる。

    日本においても例外ではなく宇宙事業に民間企業参入しつつある。
    そんな中で、キャノン電子が大きな役割を果たしていることを知る人は少ない。

    本書はダメ子会社とされたキャノン電子がいかにして再生し、宇宙産業に参画できるまでになったかが克明に書かれている。

    酒巻はキャノンから子会社キャノン電子に社長と就任した時、キャノン電子の役員は昼間からスポーツクラブで汗をかき、碁会所に通っていた。
    優秀な社員は数時間で仕事を終わらせ、勤務時間に自分の趣味のサイトを運営していた…

    まず酒巻は社員に、自覚、自発、自治、の精神を教え自ら考え動ける社員へと意識改革をした。
    また徹底的に無駄を削ぎ落とし、高収益を生み出す体質に変化させた。

    更には現状維持は即脱落であると、次世代の基幹産業を育てるべく人工衛星、ロケットなどの宇宙事業に参入する。

    鬼の酒巻と言われただけに、現状維持でよいとする社員、定年まで失敗せずやりすごせば良い、と考えていた者たちにとっては厳しく恐ろしい場所になってしまったに違いない。

    しかし会社が事業を続けて生き残るというのは本当に厳しいものである。

    それを知り尽くしているからこそ、成し得た再生であり成功であったと本書を読んで感じた。

    酒巻がキャノン電子に行くと話があった時、アップルのスティーブジョブズから、うちに来て一緒に仕事をしようと誘われたエピソードか印象に残る。
    キャノンにいたとき液晶タッチパネルを酒巻が手掛けていたのを知っていたからだ。
    その後、そのタッチパネルはiPhoneやiPadで生かされることになる。

    経営者には先見性が求められる。

    現在、和歌山にキャノン電子も関わっているロケット発射場が建設されている。
    早くから宇宙事業を見据えていた酒巻の夢が一刻も早く実現するのを期待したい。

  • 上司に勧められたので読んでみた。内容的には読みやすく抵抗なく読めた。色々な教訓があったけど、挨拶をする。など、取り入れやすい部分もあり参考になった。こう言うサクセスストーリー本を読むと一時的にやる気が出るので、たまに読むには良いかなと思う。

  • キヤノン電子会長の著者が、本体のキヤノンから左遷(実際は再建を託されている)され、当時ダメ子会社だったキヤノン電子へ転籍し、見事に再建。後に念願だった宇宙ビジネスへ踏み出すまでを追っている。

    自らの体験談の本だが、自分を主人公に据えて客観的に、一部関係者以外は仮名で表現されており、ノンフィクション小説のようなノリで書かれている。著者にそういう文才があるのか、出版社による編集のなせる技なのかは不明。

    構成の方法はさておき、酒巻社長は現場を熟知しているだけに「ごまかしが効かず」、現場の管理者達は特に、常に緊張感を持って仕事に向かうことになる。ダメ子会社だった頃の問題点と問題人物をつぶさに排除・改善し、業績も改善している。ダメな会社ほど、トップが「現場を知る」ことと同時に働く人の心理を知る重要さがわかる。

    後半語られる宇宙ビジネスは、こうした積み重ねの集大成のようにも、付け足しのようにも取れる。

  • 素晴らしい人が、多くの人を動かす感動のノンフィクション。宇宙ビジネスの今後も、注目したい。

  • 凄い人だわ〜

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著者プロフィール

キヤノン電子社長

「2020年 『仕事の哲学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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