星占師のいた街

著者 :
  • 偕成社
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レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (151ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784030141605

感想・レビュー・書評

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  • 名も知らぬ土地から吹いてきた虹色の風が行間に吹き渡っていた。オルゴールが一回りするように十二の季節をめぐり歩いた後、わたしは見覚えのある場所に立っていたはずだったけれど、どこか違っていた。風がわたしを越えたのではなく、わたしが風を越えてしまったのかもしれない。
    朝の後には夜が訪れ、冬が去れば春が来る。いつでも少しずつ光と闇の配分が移り変わっている。この世界では変化し続けること、蓄積しないこと、築かないことが摂理だ。同じことを繰り返すけれど、全く同じではない日々のなかで、私たちは懐かしくも新しい人々に出会う。

  • 図書館で目にして、タイトルにひかれた。
    以前読んだ『木苺通信』も良かったので、こちらも借りた。

    【短編集】
    12のオルゴール
     オルゴール、小鳥売り、花屋、麦畑、風、雨あがり、船、ほたる、白い笛、手紙、クリスマスツリー、電車にのって
    ノアの箱舟
    ポリーさんのおうむ

    竹下文子さんの本を読むのは二冊目だけれど、早くも好きかも!
    かなしいような、やさしいような、ふわふわした気持ちになる。
    書き出しがいいなぁと思ったものは、下記のとおり。
    ・うすむらさきの風がやさしい夕暮れどきでした。(花屋)
    ・ソーダ水みたいにきりりと晴れた秋の日(白い笛)
    ・空がいちまいの青いガラスのように、すきとおってみえる朝でした。(電車にのって)
    私は不気味だと思ってしまった月の色さえ、竹下さんは「うすいメロン色の月」と捉える。
    真似できない、すてきさ。
    「雨上がり」のドレスはアジサイから作ったもので、「わたし」がアジサイにならなかったのではないと思いたい。
    「ポリーさんのおうむ」の「ポリーさん、ごきげんよう!」は、亡き旦那さんの言葉だったのだろうか。
    挿し絵もかわいい。
    児童書に絵がついているのは、当たり前のようで贅沢なことなのだなぁと改めて感じた。
    また違う著作を読んでみよう。

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