コロボックルに出会うまで 自伝小説 サットルと『豆の木』

著者 :
制作 : 村上 勉 
  • 偕成社
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本棚登録 : 58
レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784030167209

感想・レビュー・書評

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  • 佐藤さとるの自伝的小説。
    昭和二十四年の春、二十一歳の加藤馨が、市役所に就職したところから、教員になり、編集者になり、やがて代表作となる『コロボックル』の物語の着想を得るまでを描く。


    作中で青年「加藤馨」が、ペンネームとして「佐藤暁」と名乗り、同人誌活動をしたり、物語の構想を練ったりする、作者曰く『自伝的目眩し小説』。
    発想のかけらが、あちらと繋がりこちらに飛躍して物語になっていく過程が面白い。

    畑違いの仕事にも落ち着いて取り組み、運命の相手に出会っても有頂天になるでもなく、どこか飄々とした馨は、本当に「せいたかさん」そのもの。
    もう新しい作品が生み出されることがないのは残念だけれど、読み返すたびに瑞々しい感動がある、佐藤さとる作品。
    コロボックルはもちろん、赤んぼ大将や、おばあさんの飛行機も大好き。
    子供の頃に、出会えて幸せだったなぁ。

  • 戦後、横浜市役所に就職してから中学校教師、学習雑誌の編集者と仕事を変えながら、長編児童文学をこころざした佐藤さとるの自伝小説

    長崎源之助、いぬいとみこ、神戸淳吉と同人誌『豆の木』を創刊した経緯や生涯の伴侶との「盲亀の浮木」の出会い、そして一寸ほどの小人族“コロボックル”を見つけるまでが「加藤馨」という青年に託して描かれている

    『てのひら島はどこにある』も一部収録

  • プロの作家になる前の佐藤さとるさんが過ごした場所は、自分にもなじみのあるところが多くて、ああ、ここを歩いたのかな、なんて思いながらゆっくりゆっくり読みました。幸せな読書でした。

  • 2016.6.29

  • なつかしい「コロボックル」の作者による自伝小説(^-^)!

    「佐藤さとる」の本名は「加藤かおる」だと・・・これだけでもう楽しい

    たくさんのすばらしい逸話のすえにやってきた大きな転機 
    上司との出会いで 相手から握手をもとめられる (上司は2世であった)
    昭和20年の敗戦後 朝鮮戦争による特需景気 まだ西洋文化が日本に定着する前 生まれてはじめての握手だった
    佐藤さとるはこの握手を「 約束」の意味があり 日本の『指きりげんまん』と同じだ・・・と考える 佐藤さとるの童話的発想だ。(^-^)
    お父さんのことを書いた本も読んでみたい

  • 「誰も知らない小さな国」の作者、佐藤さとるの自伝的小説。

    戦争後、専門学校を卒業したさとるが、市役所職員となり、さらに教員を経て編集者になるまでの生活と、その暮らしの中で考えていたこと。
    さらに、その時代に出会った幾つかの物語。

    そう、彼にとって物語は、あちらの方から書いてくれとやってくるものであって、無理やり作者が拵えるものではなかったようです。

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プロフィール

1928年、神奈川県生まれ。日本ファンタジー作家の第一人者。コロボックルシリーズ第1巻『だれも知らない小さな国』で毎日出版文化賞・国際アンデルセン国内賞などを受賞。『おばあさんのひこうき』で児童福祉文化賞・野間児童文芸賞を受賞。

佐藤さとるの作品

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