ゆうだち

著者 : あきびんご
  • 偕成社 (2012年6月5日発売)
4.15
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  • 本棚登録 :91
  • レビュー :26
  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784032324006

作品紹介

みなみのしまにゆうだちがやってきました。ごきげんだったあおぞらがゴロゴロとぐずりだし、やがておおごえでなきはじめると、みえるものも、きこえるものも、あめとかみなりだけになるのです。4・5歳から。

ゆうだちの感想・レビュー・書評

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  • トリニダード・トバゴに伝わる、【ヤギとライオン】という民話があり、素話にもなっている。
    ただ、それを子供たちの前で披露したことがない。
    お話しそのものはとても分かりやすいのだが、ヤギとライオンが交互に歌を歌いあい、しかもそれが何度も繰り返され、繰り返しのたびに声の大きさと速さが違うという難易度の高さを、なかなかクリア出来ないのだ。
    話の流れからして、最後の方はほとんどパンクばりにシャウトしてしまいそうだしね。

    この【ゆうだち】という作品は、その【ヤギとライオン】を原話にしている。
    野生のライオンはかの国にはいないらしいので、作者のあきびんごさんは【ライオン】を【オオカミ】にして、話の舞台を日本の南の島に移したという。
    なるほど、それで【バイオリン】を弾いて歌うはずなのに、この話しでは【三味線】を弾いて歌っているのか。
    ということは、奄美か沖縄などをイメージすると良いのかもしれない。
    最初に開いたときに現れる自然描写が、とても素敵なのだ。

    突然の夕立でずぶぬれになったヤギを、温かく家に迎え入れるオオカミ。
    ところが、三味線を弾いて歌っているオオカミの歌はとんでもないものだった。
    恐怖で震え上がるヤギが考え出したアイディアとは・・・?

    挿絵のインパクトが、何しろ笑える。
    初めて家に誘われたときのヤギは、優しい顔立ちをしている。
    それが、だんだん目が寄ってつり上がり、ほとんどクレイジーなまでになっていく。
    びびるオオカミも笑える。
    歌の歌詞も原話とは違うが、こちらの方がいっそ思い切りが良い。
    読みながらどんどんハイテンションになり、はじけて行く自分がいて、笑いをこらえるのがやっとである。
    でも、ヤギの気持ちになって思い切りやるしかない!

    約9分。3歳くらいから。夏のひとときを、小さなお子と楽しんでやってください。
    2013年度産経児童出版文化賞・JR賞受賞作品。

  • 夕立に遭い、オオカミの家に避難させてもらったヤギのおはなし。
    はじめは怖いおもいをしていたヤギですが…。

    やぶれかぶれになって歌っているうち、だんだんと危うさを孕んでくるヤギがほんとうに可笑しい。
    表情が面白くて絵がすごくいい!
    やはり絵本は絵が命ではないでしょうか。

    この本の読み聞かせ、難しそうですが、成功したら楽しそうですね。
    ブクログのお仲間さんのレビューを見て受験生の娘へのプレゼントに買いました。
    娘も今や18歳。早いものです。
    読み聞かせをしていた頃が懐かしい(*^_^*)

  • 南の島にゆうだちがやってきた。
    軒先で雨宿りをしているずぶぬれのヤギに、オオカミが声を掛ける。どうぞうちにお入りなさい。
    はい、ありがとう、とヤギは家に入る。
    オオカミは三味線を手にして歌い始める。
    小さな声で歌っていたが、ヤギは地獄耳。
    オオカミは、もちろん、ゆうだちのおかげでやってきたおいしそうなお客を食べるぞー、と歌っているのである。

    内心、ぎょっとしたヤギだが、オオカミに三味線を貸してもらい、歌い始める。

    狂ったように。何かが乗り移ったように。


    ゆうだちの宵には妖しいものが大気に満ちているのだ。
    そしてそんなときには、誰だって、何だって、依巫(よりまし)になれてしまうのだ。

    急に激しい雨が降ってきたら、雷がごろぴか騒ぎ始めたら、君も楽器を手に歌い狂ってみよう。何だかおかしなものが降りてくるかもしれないぞ。
    そしたらそいつと一緒に踊り狂うんだ。魑魅魍魎に身を任せ、この世の憂さを吹っ飛ばせ。

    雨の後には、何ごともない青空と、嘘みたいにすっきりした気分がやってくる。



    *この物語は元々は、トリニダード・トバゴに伝わる民話とのこと。ヤギとライオンの物語です。南の島のスコールを思い浮かべるとよいのかもしれません。場面ごとに、時計の針が少しずつ動いているのが楽しい。

    *作者は村上潔の名で日本画を制作していた人。還暦を機に「あきびんご」として絵本を制作し始めたそうです。広島・尾道に生まれたとのことなので、安芸・備後、なんですかね。

  •  南の島に夕立がやってきました。ご機嫌だった青空がゴロゴロとぐずりだし、大声で鳴き始めると、見えるものも、聞こえるものも、雨と雷だけになるのです。
     ヤギが夕立にあったのは、ちょうどオオカミの家の前でした。オオカミの家に上げてもらったヤギは、オオカミの歌を聞きます。「夕立がきたらうちにいるのが一番。美味しいお客が向こうからやってくる~♪」怯え上がったヤギは慌てて歌い返します。

  • 作者のあきびんごさん。本業は日本画家とのこと。
    とにかく、絵に迫力があります。
    とくにヤギがすごいです。
    絵の激しさだけでなく、字体も変わってゆきます。

    ゆうだちに遭い、オオカミの家で雨宿りをすることになったヤギ。
    三味線にあわせて歌いながら、食べる食べられるの駆け引きがはじまります。
    こわーいオオカミ、と思いきや、ゆうだちの激しさとともに、ヤギのテンションがどんどん上がっていきます。
    自分が何をしているのか、自分が何なのか、わからなくなっていく感覚・・・。
    子どもが読めば、ヤギの様子に純粋に怖さを感じるかもしれませんが、大人が読むと、加えて違った怖さを感じるかもしれません。

    最後はゆうだちがとおりすぎ、すがすがしいほどの南の島の風景。
    小学校3年生に読み聞かせをしたら、とても喜んでくれたそうです。純粋に、ヤギが怖い、と感じてくれたみたいです。

    ――さて、このおはなしで、一番怖い思いをしたのは誰だったんでしょうね?

    私は、読んでいた自分が、一番怖かったと思います。

  • 978-4-03-232400-6 32p 2012・6・? 初版1刷

  • 28年度 (4-1)(4-2)(4-3)(1-1)(仲よし)
    7分

  • ヤギが三味線片手におかしくなっていく話。ヤギ自身、自分でもよくわからなくなっていく感じが面白い。私が小さい時は絵本に突っ込みをあれるなんてそんなそんなて感じだったけど、おとなになった今、そのことばのつかい方や話の展望についつい笑ってしまうようになった。

    ヤギはうたっているうちに、おかしなふんいきになってきました。むしゃくしゃしてきたのかもしれません。

    ヤギはだんだんじぶんでもわけがわからなくなってきました。からだがかってにあばれます。いすはけとばされてぶっこわれています。

    ぶっこわれて…とか小さな子供に教えたくないな 笑

    もともとはトリニダード・トバゴの民話が元になっているらしい。そもそも狼が三味線引くところからおかしさ満点。


    結論、昔ながらの絵本が一番優しくて思いやりに溢れていていい☺️のんたんとか読みたいな。

  • あきびんごさん著 なので カテゴリーは〝日本よみもの〟としたが
    元はイギリスとアイルランドの昔話の『ヤギとライオン』
    あのヤギのなんだかわからなくなっていく姿がなんとも言えずおかしい。年長以上の子どもたち、大爆笑!

  • オオカミの家で雨宿りをすることになったヤギが変化していく様子が面白くて爆笑してしまいました。
    絵も何度見ても飽きない素敵な絵本です。

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