ゆきひらの話 (安房直子名作絵童話)

著者 :
  • 偕成社
4.02
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本棚登録 : 136
感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (48ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784033134109

作品紹介・あらすじ

あなたのお家の台所に、しまいっぱなしでわすれてしまったおなべはありませんか?もしあなたが、風がふいてさむい冬の日に、ひとりぼっちでお家にいたら…ちょっとだけ耳をすませてみてください。コトコト、コトコト。ほら。なにかきこえてくるかもしれません。小学校低学年から。

感想・レビュー・書評

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  • ゆきひら鍋は我が家にもあるけれど、そういえばしばらく使ってないな。
    あれでおかゆを炊くと、とても美味しい。
    久々に出して使おうかな。
    欲しいと思って買ったはずの物でも、だんだん使わなくなっていつか忘れれ去る。
    それを使っていた頃の気持ちも、一緒に忘れてしまうかのようだ。
    安房直子さんの作品はそれらを思い出させてくれる。
    だからいつも、どこか懐かしくてやさしい。

    風邪で寝込んだおばあさんは、忘れていたゆきひら鍋に声をかけてもらって嬉しかったろうな。
    挿絵のゆきひらにはちゃんと顔が描かれていて、自分でお料理をしてくれるのだ。
    おかゆでも野菜スープでもなく、りんごの甘煮。
    それがおばあさんの一番食べたいものだった。
    ガスレンジではなくて、かまどの火で作るのが、このお話のいいところ。
    コトコトコト・・・と、煮えていく音まで聞こえてくるようだ。
    さてそれから、自分で庭に出て行って、口笛で雪を降らせ、その中でお鍋ごと冷やしてくれるのだ。
    ここでゆきひらが歌う歌があるのだが、それはおばあさんの思い出の中の歌だった。
    りんごの甘煮を食べ終えてぐっすり寝入るおばあさんの見る夢には、読んでいて涙がにじんでくる。
    ゆきひらの心をこめた料理は、温かい思い出への入り口だったのだ。

    巻末にりんごの甘煮の作り方も載せられていて、なんとも素敵な一冊だ。

  • #ゆきひらの話
    #安房直子
    #偕成社
    #児童書
    #読了

    一人読みにちょうどよい長さ!一人暮らしのおばあさんが風邪で寝込んでいると戸棚にしまいこまれた可愛いゆきひら鍋がしゃべり始めます。孤独、思い出、美味しいもの。絵も優しくて大好きな本になりました。

  • ☆100くらい。すごいおもしろかった。
    かぜをひいているおばあさんが、だれかにそばにいてほしいと思っている。そんなときにゆきひらが出てきて、おばあさんに優しくしてくれる。そういう優しいのとか、ゆきひらの話し方がかわいいのとかが、いいなと思う。
    ぼくだったら、ゆきひらにお母さんが作ってくれているスープを作ってほしい。でも一人はいやだ。おばあさんのところにも、だれかが来てくれるといい。
    最後にりんごのあま煮の作り方が書いてあって、ぜひぜひ作ってみたい。(小6)

  • 風邪で寝込んでいるおばあさんに、台所のゆきひらが話しかけてくる・・・。

    体調の悪いときは心細いですものね。ゆきひらの作ってくれたりんごの甘煮のおいしそうなこと。雪で冷やすというところが素敵ですね。

  • タイトルのゆきひらという茶色のお鍋、昔どこかで見たなーなんて思いながら手にとってみた。
    病気のおばあさんを励まそうとりんごの甘煮を作るゆきひらくんの優しさに和む。
    多分、このおばあさんのお母さんに丁寧に扱われてきたからこんなに尽くしてくれるんだろうし、りんごの花びらが舞い散る中での再会という夢も見せてくれるんだろうなあと予想するとぐっと深みがます話になる気がしてくる。
    安房さんのりんごの甘い匂いがただよってきそうな珠玉の文章と、田中清代さんの柔らかい挿絵がとってもお似合いの童話絵本。

  • おばあさんのお熱が下がって良かったな。

  • 目が覚めて良かった…。りんごの甘煮、なんて美味しそうなこと。

  • ゆきひらなべのゆきひらくんが甲斐甲斐しいです。作中にでてくるりんごの甘煮がおいしそう…と思ってたら、巻末にレシピがついてました。不思議でやさしくて、ちょっとせつない話。

  • 私が幼稚園の時に読んでもらった絵本。母が好きだった絵本。
    私は『美味しそうなりんごの甘煮が出てくる絵本』としか記憶していなかったため、娘に読んであげよう、と再読し、衝撃を受けた。

    それだけではなかったのか…

    母が好きだった理由がやっとわかった。

  • ゆきひらが欲しくなりました。

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著者プロフィール

安房直子(あわ・なおこ)
1943年、東京都生まれ。日本女子大学国文科卒業。在学中より山室静氏に師事、「目白児童文学」「海賊」を中心に、かずかずの美しい物語を発表。『さんしょっ子』第3回日本児童文学者協会新人賞、『北風のわすれたハンカチ』第19回サンケイ児童出版文化賞推薦、『風と木の歌』第22回小学館文学賞、『遠い野ばらの村』第20回野間児童文芸賞、『山の童話 風のローラースケート』第3回新見南吉児童文学賞、『花豆の煮えるまで―小夜の物語』赤い鳥文学賞特別賞、受賞作多数。1993年永眠。

「2022年 『春の窓 安房直子ファンタジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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