- Amazon.co.jp ・本 (48ページ)
- / ISBN・EAN: 9784033134109
作品紹介・あらすじ
あなたのお家の台所に、しまいっぱなしでわすれてしまったおなべはありませんか?もしあなたが、風がふいてさむい冬の日に、ひとりぼっちでお家にいたら…ちょっとだけ耳をすませてみてください。コトコト、コトコト。ほら。なにかきこえてくるかもしれません。小学校低学年から。
感想・レビュー・書評
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ゆきひら鍋は我が家にもあるけれど、そういえばしばらく使ってないな。
あれでおかゆを炊くと、とても美味しい。
久々に出して使おうかな。
欲しいと思って買ったはずの物でも、だんだん使わなくなっていつか忘れれ去る。
それを使っていた頃の気持ちも、一緒に忘れてしまうかのようだ。
安房直子さんの作品はそれらを思い出させてくれる。
だからいつも、どこか懐かしくてやさしい。
風邪で寝込んだおばあさんは、忘れていたゆきひら鍋に声をかけてもらって嬉しかったろうな。
挿絵のゆきひらにはちゃんと顔が描かれていて、自分でお料理をしてくれるのだ。
おかゆでも野菜スープでもなく、りんごの甘煮。
それがおばあさんの一番食べたいものだった。
ガスレンジではなくて、かまどの火で作るのが、このお話のいいところ。
コトコトコト・・・と、煮えていく音まで聞こえてくるようだ。
さてそれから、自分で庭に出て行って、口笛で雪を降らせ、その中でお鍋ごと冷やしてくれるのだ。
ここでゆきひらが歌う歌があるのだが、それはおばあさんの思い出の中の歌だった。
りんごの甘煮を食べ終えてぐっすり寝入るおばあさんの見る夢には、読んでいて涙がにじんでくる。
ゆきひらの心をこめた料理は、温かい思い出への入り口だったのだ。
巻末にりんごの甘煮の作り方も載せられていて、なんとも素敵な一冊だ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
#ゆきひらの話
#安房直子
#偕成社
#児童書
#読了
一人読みにちょうどよい長さ!一人暮らしのおばあさんが風邪で寝込んでいると戸棚にしまいこまれた可愛いゆきひら鍋がしゃべり始めます。孤独、思い出、美味しいもの。絵も優しくて大好きな本になりました。 -
☆100くらい。すごいおもしろかった。
かぜをひいているおばあさんが、だれかにそばにいてほしいと思っている。そんなときにゆきひらが出てきて、おばあさんに優しくしてくれる。そういう優しいのとか、ゆきひらの話し方がかわいいのとかが、いいなと思う。
ぼくだったら、ゆきひらにお母さんが作ってくれているスープを作ってほしい。でも一人はいやだ。おばあさんのところにも、だれかが来てくれるといい。
最後にりんごのあま煮の作り方が書いてあって、ぜひぜひ作ってみたい。(小6) -
おばあさんのお熱が下がって良かったな。
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目が覚めて良かった…。りんごの甘煮、なんて美味しそうなこと。
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ゆきひらなべのゆきひらくんが甲斐甲斐しいです。作中にでてくるりんごの甘煮がおいしそう…と思ってたら、巻末にレシピがついてました。不思議でやさしくて、ちょっとせつない話。
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私が幼稚園の時に読んでもらった絵本。母が好きだった絵本。
私は『美味しそうなりんごの甘煮が出てくる絵本』としか記憶していなかったため、娘に読んであげよう、と再読し、衝撃を受けた。
それだけではなかったのか…
母が好きだった理由がやっとわかった。