すてきな三にんぐみ

制作 : いまえ よしとも 
  • 偕成社 (1969年12月16日発売)
4.07
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  • 本棚登録 :2488
  • レビュー :404
  • Amazon.co.jp ・本 (38ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784033270203

すてきな三にんぐみの感想・レビュー・書評

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  • 小生はしばらく姉上に絵本を贈っていました。それは幼少の頃のあの腕白で純粋な心を、失って欲しくないから。それと絵本の易しい表現は、最も分かりやすく心に伝わることが理由です。
    「100万回生きた猫」「てぶくろをかいに」「ごんぎつね」「しろいうさぎとくろいうさぎ」「ずーっと ずっと だいすきだよ」など勝手に送りつけたのです。
    すると上記のうち二冊は記憶に残っていたそうです。
    勝手に贈った品でしたが、小さい頃に読む絵本っていいものだなあと思いました。

    この本は、小生が大大大好きなお気に入りの絵本。
    小生は姉上から返礼にもらえるかなと画策していましたが、一蹴されてしまいました。ので、図書館に行って読んできました。

    コレをお気に入りに選ぶと聞いたら、それこそヘンな人って思うかもしれません。
    でもこの薄暗い夜を舞台に悪巧みをする彼らが好きでした。
    この本の再会のきっかけといえば、姉上と電話していた時に、思い出の一冊として名前がわからぬが幼少期に読んだ絵本の話をしたのです。
    「ラッパ銃を持った三人組の黒装束をきた男たちの話で、ティファニーちゃんが出てくるんだよ。母さんに読んでもらったんだ」
    「ああっ。あったね。怖かった奴!」と言って検索をして探し当ててくれました。10年ぶりぐらいの再会に歓喜しました。その時、「トラウマになる作品」として紹介されていたことに、小生はちょっぴりショックでしたが。

    ストーリーといえば、この三人の見るからにワルそうな男たち三人が、やっぱり強盗をして、金品を盗むところから始まります。
    でも、その後で、この三人は方向転換して善業(?)を働くようになります。
    最後の子供達の集まる楽園は、幻想的で印象に残りました。

    ところがこのストーリーには、男たちに金品を奪われた親たちが手放した子供達を救う、と言うなんだかパラドキシカルな筋にも読み取れるので、絵本といえど一筋縄ではいかないところもミソなのです。

    この作品の薄暗く真っ暗なイメージと、ワルい奴がそのアウトローなやり方から善業に変える、という矛盾を孕んだスタンスが、今の「クロサギ」や「ブラックジャック」や「ヴァンパイヤハンターD」に小生の興味を惹かれる一因になったことは言うまでもありません(どれも一見アウトローなのに筋は通しています)。
    文学でいえば今じゃポーが好きですし、音楽はラヴェルが大好き。
    オーギュストデュパンのような、現代の言葉で表現すれば中二病じみた夜の世界に惹かれるようになってしまったのです。
    そう言う影響を、もしかしたら幼少期の読書は与えるのだなあと自分でも感慨深い。

    著者のトミーアングラーは上橋 菜穂子の受賞したアンデルセン賞の受賞者。折り紙つきなわけです。

    ところで、YouTubeでこの作品が、声を付けたアニメーションになっていることに気づきました。
    面白さはそのままに、おっかなさがよくわかるかもしれません。
    https://www.youtube.com/watch?v=tOYC3YF-ZdU

  • 読み聞かせの講座を受けていた三年間、この本は使ってはいけませんと、
    講師に何度言われたことか。
    理由はとても単純で、泥棒の話だからということだ。
    そう言われてしまうと反論も出来ず、低学年には読まないことにしている。
    つまり、かすかな皮肉も理解してくれる高学年には読んでいるのだ(笑)
    言葉のリズムがとても良く、何よりウンゲラーの絵が素晴らしい。
    ぱっと見はブラックな話かと身構えてしまうような、背景の黒。
    そこに浮かび上がる緋色や青灰色が、はっとするほど美しい。
    その絵をもっとよく見てもらいたいために、わざわざビッグブックを図書館で借りてきて使うほどだ。

    三人組の山賊が、ティファニーちゃんという女の子をたまたま助けたところから、
    孤児を集めてお城で暮らすことになる。
    それまで集めたお金が、素敵な資産となったというわけだ。
    お城の噂が広まって、国中の孤児がどんどん集まるというのもなんとも皮肉な
    ことで、まるで「赤ちゃんポスト」さながらだ。
    大人にとっては、笑っていいのかどうなのか複雑なことこの上ない話だが、
    「泥棒の話だから」と封印するにはあまりに惜しい。
    ビジュアル的に、並ぶものがないほど良くできているのだ。
    フランス人であるウンゲラーが、娘に託したのは、ちょっぴり大人のエッセンスの入ったお洒落な絵本なのであります。
    ナレーション型の声の方が、明るくきびきびと読むと良いかもしれない。約6分。

  • たのしかった。
    すてきな三にんぐみに、おともだちが いっぱい いっぱい いっぱい できたところが、たのしかったなぁ。それが すてきだった。

  • こわーい!どろぼう三人組。おどしの道具を使い、宝などを盗む。
    ある日、女の子を盗んだ。その子に宝の使い道を聞かれ三人は考えた。
    みなしごたちを集め、城を買い、一緒に暮らすこと!こわーい三人がなんて“すてきな”ことを…
    最初はこわいけどだんだん読んでいくうちにうれしくなっていくおはなしです。

  • 動物園でオオコウモリがぶら下がっているのをみると…現れ出たのは黒マントに黒い帽子の三人組…リズムのいい冒頭の文章が浮かんでくる。
    盗賊を主役に描いているのに、素敵になる展開。墨を流したような画面に青。そして物語のポイントとなる赤が活かされるデザインもいい。
    ウンゲラー版銭形平次。まさかりや銃で脅す恐れられる三人組が、無垢なティファニーちゃんと出会い、素敵な資産運用法?を見いだすお話。
    そもそも盗んだお金の使い道を考えてなかったというトコが考えさせられる。貯金や金儲けが目的になってしまっていないか。何のために頑張っているんだろう…な大人になった時に読み返してみるのもいいかも…。全然押し付けがましくない、偽善でもないメッセージがある。

  • くろマントにくろいぼうしの三にんぐみ。宝を奪うような悪者だが、かわいそうなみなし子を集め、ぬすんだお金でお城を買ってみんなで暮らす。
     表紙のインパクトのある絵からは想像できないような意外な展開が楽しい本。

  • 暗い色彩、怪しげな雰囲気、ドラマチックで粋な展開。「意外性のつくり方って、こうなのか!」と、何度でも感心してしまう。こどもの頃には悪そうなものへの憧れもあった。「雨のなか、捨て犬を抱き上げる不良」に感じるときめきは、国も年齢も性別も関係ないのかもしれない。

  • 絵が独特でぞくぞくしてしまいます。子供のころは怖かったけれど、お気に入りでした。
     大人になって読むと怖さよりも絵の美しさ配色、物語の少し矛盾を感じるけれどハートフルなストーリーに魅せられてしみました。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「物語の少し矛盾を感じるけれど」そうですね。多分今江氏は、その辺を考えてタイトルを意訳したのでしょうか、、、人間は変わるコトが出来ると個人的には言い聞かせています。。。
      2012/02/20
  • タイトルとは裏腹な
    鋭い目つきが印象的な表紙の絵に惹かれて
    読んでみました♪


    黒いマントに黒い帽子姿の恐ろしい泥棒三人組は
    赤いまさかりや
    ラッパ銃を片手に(笑)
    次々と馬車を襲っては
    奪った財宝を隠れ家に溜め込んでいた。


    ある日いつものように馬車を襲うと
    宝はなく
    ティファニーという
    みなしごの少女だけ。

    仕方なく少女を連れ去り
    隠れ家で一緒に暮らし始める三人組。


    宝集めに夢中だったハズの盗賊が
    ティファニーちゃんのひょんな一言から
    全国の孤児を集め、
    お城をプレゼントするという
    心あたたまるストーリーの絵本です。


    恐ろしい盗賊が
    孤児を救うために駆け回るというストーリーは
    悪いこともするけれど
    庶民の味方でどこか憎めない
    日本のねずみ小僧や
    石川五右衛門や
    映画ブルースブラザースを思い出してニヤリでした。


    黒や青や赤の配色が絶妙で
    クドクド説明しない潔い文章が
    クールでいい効果を生んでいます(^_^)

    作者が娘のために書いた物語ということで
    子供向けではあるけれど、
    風刺や物欲社会への警告、孤児救済、
    格差社会への怒りなど
    読めば読むほど
    実は深いメッセージが込められてることにも気付かされます。


    まぁまずはとにかく
    読めば分かります。

    粋で優しくてカッコいい三人組に
    必ずやハート奪われますよん(笑)♪

  • <あらすじ>
    黒マントに黒いぼうしの三人ぐみのこわ~いどろぼう。夜になると人を襲って宝物を奪います。奪ったたからものはざっくざく。ある日さらってきたひとりの女の子にたからものの使い道をきかれて。三人はよくよく使い道を考えて出した結果の行動とは・・・・。

    <ひとこと>
    女の子に言われるまで、奪った宝物の使い道を考えたことのなかった三人組のどろぼうって、どうなんだろうか?と思いましたが。自分自身を振り返り、目的もなくただ時間が過ぎていくようなことあるよな~と。女の子の「これ、どうするの?」という言葉にドキリとしてしまいました。

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