- Amazon.co.jp ・本 (28ページ)
- / ISBN・EAN: 9784033271200
感想・レビュー・書評
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鉛筆画がとにかく味わいがあって素晴らしい。物凄いテクニックで詳細というほどでないのがいい。アメリカかな。寝る前の男の子の質問にお母さんがつぎつぎに答える。おひさま、かぜ、あき、いろいろなものはどこへ行くの?そのあとは?
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鉛筆画で描かれている絵が、とても繊細でありながらもふんわりとした柔らかさも感じて優しい。
窓から外を眺めている男の子が、明るかった空の色が変わっていくのを見て、お昼が終わってしまうという残念さに「どうして、ひるはおしまいになってしまうの?」とおかあさんに聞く。
おかあさんは、「よるが はじめられるようによ。」と。
親子の会話が微笑ましい。
すべての問いに終わることを告げるのではなく、別の所でふたたび、違ったかたちではじまるということをわかりやすく教える。
すべて何かにつながっているように。
おわりじゃなくはじまりという答えが、気持ちよく感じる。
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前回読んだ、「ねえさんといもうと」では、生きていく上で大切なことを、姉から妹へ自然と受け継がれていく物語に素晴らしさを感じた、シャーロット・ゾロトウでしたが、本書では、
『終わりになるものは何もなく、別の場所で、別の形で始まる』
といった、世界全体が生き続けていることを教えてくれることで、それをお母さんから聞いた男の子にとっては、全てが巡り巡って、どこかで繫がっていることによって、自分の生まれてきた世界に対する愛おしさみたいな感情を、たとえ、まだ見たことのない世界に対しても、持てるような気持ちになったのではないでしょうか。
そして、それは、太陽がいなくなって月が出てきても、その太陽は無くなったわけではなく、別の場所を照らしに行ったんだよと実感することで、ある種の普遍性に近い、変わらないままでいることに対する安心感のようなものも抱くのではと思い、この感情は、子供が生きていく上で、大きなひとつの希望になるのではと感じました。
また、全編、牧歌的で素朴な味のある、ハワード・ノッツの鉛筆画が印象的だったのですが、これが表紙だけカラーになっていて(色合いがまた切なくていい)、これを見てしまうと、本編の絵もカラーで見たかったなんて、贅沢な事も思いましたが、想像して楽しむ方法もありですね。
それから、ノッツは十二匹の猫とともに住んでいたこともあって、ほとんどの絵に、さり気なく描かれている猫の、この存在感ある感じは、やはり猫が好きなんだろうなと思わせる雰囲気があって、いいですね。 -
昨年の11月19日に、98歳で亡くなられたシャーロット・ゾロトウさんの作品。
80作もある作品は、どれもあたたかい癒しの魅力にあふれ、読んでいるこちらの声も次第に優しく優しくなってくる。
大きな声で読むことなど、むしろ恥ずかしいくらいだ。
約8分かかるが、小さなお子をお膝に乗せてお母さんかお父さんの肉声でどうぞ。
本も小さめで挿絵が繊細なタッチの鉛筆画のため、大勢での読み聞かせには向かないが、家庭で読むには最適。
お話は、母と子の眠る前の問答がメイン。
「どうして、ひるはおしまいに なってしまうの?」
「かぜはやんだら、どこへいってしまうの?」
「たんぽぽのふわふわは、ずっととんでいって、どこへ いくの?」
等々、次から次へと子は母に質問を投げかける。
それに対する母の答えが秀逸で、その行為が終わるのではなく、形を変えて始まることを丁寧に諭していく。
小さな子には、すべてのことが繋がっていると聞いても理解が難しいかもしれないが、幼いながらも命のありようと不思議さを考える非常に大事な機会になるだろう。
すでに大きくなった子をお持ちのお母さんなら、「ああ、こんな質問をしたことがあったなぁ」と、懐かしい気持ちになるかもしれない。
小児病棟によく置いてある一冊で、難病を抱えた子にお母さんが読んできかせたことも多々あることだろう。
そんな想像をすると、シャローット・ゾロトウさんの仕事の大きさに、深く尊敬。
子どもというものに敬意をはらいながら書かれたこの内容は、いわば「小さな哲学」で、小さいながらもこういう本は心に強く残ることと思う。-
こんにちは。
nejidonさんのレビューを拝読し、さっそく読んでみました。
いや~、まいった。
最初にグッときちゃって読み進める...こんにちは。
nejidonさんのレビューを拝読し、さっそく読んでみました。
いや~、まいった。
最初にグッときちゃって読み進めるのがしんどかった。
私ごとなのですが、とても大切な友人が今闘病中でして・・・。
重ね合わせるっていうと、それも辛いものがあるのですが読んでて切なくなりました。
4歳の我が子の反応はと言うと、まだ早かったかな(^_^;)
人の死は理解しつつあるのですが、亡くなったおじいちゃんおばあちゃんはお墓にいると思っているみたいで・・・。
もうちょっと大きくなったら是非もう一度読み聞かせたいと思います。
いつもいつも素敵な本の紹介ありがとうございます。2014/04/24 -
vilureefさん、こんにちは♪
コメントありがとうございます。
ちょっと忙しくしていてお返事が遅れてしまいました。ごめんなさいね。
...vilureefさん、こんにちは♪
コメントありがとうございます。
ちょっと忙しくしていてお返事が遅れてしまいました。ごめんなさいね。
この本、お読みいただいたのですね!嬉しいです!
サイズも、絵の繊細さも、おうちの中で読むのに最適ですよね。
そしてその内容が・・まさに哲学的。
そうですか。ちょうど闘病中のお友達がいらっしゃるのですね。
切ないし、辛いし、考えてしまいますね。。
この本のはいわゆるハッピーエンドではないし、(たぶん)投げかけられた命題を、時間をかけて解いていくものだと思います。
それこそ、その人なりの生き方の中で。
時が熟したときに、生きる力になるような、そんな一冊ではないでしょうか。大げさかな?
お子さんも、小さいなりに何かしら感じられたかと思います。
不思議な本だなって。きっとそれで良いのだと思います。
vilureefさんのお友達が、お元気になられますように。2014/04/27
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「いい一日」を過ごした男の子は、昼が終わってしまうことを残念に思います。「どうして、ひるは おしまいになって しまうの?」お母さんと男の子の長い対話の始まりです。最後は、明日朝が来たら、またお日さまがやってきて、あたらしい「いい一日」が始まる予感を持って対話は終わります。
ものごとの終わりは何かの始まりである。伴奏する絵はモノクロの鉛筆画で、さまざまな終わりと始まりを少し寂しく、でも優しくやわらかに描き出します。
この絵本のお母さんは簡単にやってのけているけど、子どもの疑問に、こんなに丁寧に向き合って対話ができたら、きっと豊かな時間を過ごせるんだろうなぁと思いました。 -
終わりの次はどうなるんだろう、自分が子供の頃に抱いていた疑問が、この絵本を読みながら思い出す事ができた。思い返すと、結局、問いに対する答えが得られずに、大人になってしまったようだ。そんな素朴な問いに対して、終わりは別の何かの始まり、自然や私たちや生きとし生けるものには、終わりは新しく生まれる始まりなんだと、優しく紡がれた言葉と、温かさを感じる鉛筆画がたまらなく、心をほんわかさせてくれました。
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落合恵子さんのお勧め絵本という事で、図書館で借りました。
なるほどね。読めば読むほど、心に響きますね。日常の何て事ない母と子供の会話。
日々の当たり前と思っている事が親子の会話で深くつきささる。
人間は、生きていくうちに人間が中心に世界は回っていると、錯覚しがちだが、その真逆なんだと改めて気づきました。
私達、人間一人一人はちっぽけな存在。だからこそ、日々を精一杯生きて、次にバトンを渡したいです。