月夜のみみずく

  • 偕成社
3.95
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感想 : 72
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  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784033283005

作品紹介・あらすじ

父親とみみずく探しに出かけるのを心待ちにしていた少女の心の動きが詩情ゆたかに語られる。月夜の雪の森で、わしみみずくに会った少女は、大自然との交歓を味わう。1988年度コルデコット賞受賞。

感想・レビュー・書評

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  • みみずくに会うために夜の森に出かけていく女子と父。物語の言葉が詩のようで美しい。絵も細やかに描かれていて、眼前に景色がぱあっと広がるようだ。

  • たださんのレビューから読みたくて。冬の夜父さんと私がみみずく探しに出かける。「あいたいな あえるかなって わくわくするのが すてきなの」この話し方癖になる。みみずくと目が合った瞬間のページ、私も思わず何分間か見惚れた。

    • たださん
      111108さん、お返事ありがとうございます(^^)

      いえ、私も一昨日は、「えーえんとくちから」書いた後、ばたんきゅーでした。六連勤中だっ...
      111108さん、お返事ありがとうございます(^^)

      いえ、私も一昨日は、「えーえんとくちから」書いた後、ばたんきゅーでした。六連勤中だったので(>_< )

      コメントについては、何だか書いている内に、あれもこれもと、つい長くなってしまって、感想書く時間とあまり変わらないのではとも思うのですが、それによって、その作品の新たな魅力に気付ける事もあるので、満足と言って下さると、私も嬉しいですよ(≧∇≦)

      みみずくの絵、確かにそう思います。絵本と同じ臨場感が、より引き立たせるのかもしれませんし、みみずくが夜の象徴みたいに見えてきますよね。
      2023/02/05
    • 111108さん
      たださん

      六連勤おつかれさまでした!それは寝落ちしてしまいますね。私の場合は単に夜更かしのつけがまわってきただけですが。

      『えーえんとく...
      たださん

      六連勤おつかれさまでした!それは寝落ちしてしまいますね。私の場合は単に夜更かしのつけがまわってきただけですが。

      『えーえんとくちから』は切なさと清々しさが同居する歌集だと思いました。たださんのレビューは細かい所まで目を配っていてすごい!の一言です。

      まだ読んでない児童書・絵本も忘れず借りてくる癖をつけようと思います(^^)
      2023/02/05
    • たださん
      111108さん

      ありがとうございます(^^)
      私からしたら、夜更かしできるだけの体力・精神力があるのが羨ましくて、たとえ、翌日が休みだと...
      111108さん

      ありがとうございます(^^)
      私からしたら、夜更かしできるだけの体力・精神力があるのが羨ましくて、たとえ、翌日が休みだとしても、私にはできませんね(^^;)

      「えーえんとくちから」、ベスト歌集だったのですが、笹井さんの歌は初めてだったので、全く気にならずに読むことができまして、次は、第一歌集の「ひとさらい」を読んでみようと思います。

      そういえば図書館って、大抵、児童書と一般書のコーナーが分かれてますものね。私が今通っている、いつもの図書館は、公民館の中の図書室で(公民館だと紛らわしいし、図書室だと学校みたいになるので、図書館と書いてます)、棚で分かれているだけなので、あまり意識してませんでしたが、真逆の方向にあれば忘れがちですよね。

      111108さんが次に読まれる、児童書や絵本も楽しみにしております(^^)
      2023/02/05
  • わしみみずくに会いに夜の森へ行く、ただそれだけのお話ながら、とても凝った構成で、興味深く楽しく読ませてくれた、1988年度コルデコット賞受賞作品。

    私の中で特に印象的だったのが、幼い頃の、何とも言えないワクワクやドキドキ、不安といった、夜に対する、ときめき感を思い出したことで、しかも本書の場合、女の子の語り口で展開されるから、尚更、それを強く感じられました。

    それから、この絵本の場合、「ジェイン・ヨーレン」(文)ではなくて、(詩)と表記されており、女の子の、期待に胸高鳴る気持ちを必死で抑えながらも、周りの自然を感じるままに綴っている、そんな印象がまた女の子ならではの素朴でまっすぐな言い回しと合わさって、詩的表現とも感じさせられ、広大な森の臨場感を高めてくれます。

    そして、その感じたものは、次から次へと、どんどん芽生えていく女の子の好奇心とともに、風、木、月の光、汽車の汽笛、牧場の犬、雪、影、足跡、そして、お父さんとたった二人きりの静けさと、目まぐるしく展開されていくと共に、「ジョン・ショーエンヘール」の絵の、二人の見せ方や情景の視点も様々に変化していき、まるで私も一緒に、夜の森の中を歩いているようで、詩的な文章と視点の変化する絵と、物語を飽きさせない要素が多く感じられたのは、ちょうど、女の子の心の中がこんな感じなのではないかと、一緒にワクワク感を共有しているような楽しさを得られたからかもしれません。

    そして、その後に訪れるシーンは、決して単純な見せ方ではなく、「ああ、これは頑張って会いに来た甲斐があったな」と、そんな感慨を抱けるような描き方に、動物に対する尊敬の念を感じさせられて、改めて、その存在の素晴らしさを実感いたしました。

    また訳者は、詩人でもある「工藤直子」さんで、

    『わたし ずっとずっと まってたの』

    『しずかにしてなきゃ でしょ』

    『さむさ ふきとばさなきゃ でしょ』

    等の表現に、工藤さんの詩と共通するものを感じさせられ、まるで女の子に還ったような愛らしい表現には、思わず、心が温かくなりましたし、他にも、お父さんの女の子への何気ない優しさの描写や、読み終えた後に、親子の会話が想像できそうな、表裏繫がった見開きの表紙の絵も印象的でした。

    • 111108さん
      たださん、お返事ありがとうございます♪

      そうですね、詩を創作するのと書かれたものを翻訳するのではそもそもが違いましたね。それなのに素直で伸...
      たださん、お返事ありがとうございます♪

      そうですね、詩を創作するのと書かれたものを翻訳するのではそもそもが違いましたね。それなのに素直で伸びやかな印象あるのは工藤さんの言葉使いの根源みたいなのが出てるんでしょうね。

      たださん読まれた工藤さんの詩集もいつか読みたいと思ってます。詩集も短歌集同様に酩酊してしまうので読みどき見つけなきゃ‥。
      2023/01/31
    • たださん
      111108さん
      是非、レビュー楽しみにしております(^^)
      私も、いつもの図書館で素敵な短歌集見つけたので、今、少しずつ読んでいるところで...
      111108さん
      是非、レビュー楽しみにしております(^^)
      私も、いつもの図書館で素敵な短歌集見つけたので、今、少しずつ読んでいるところですが、感想はいつ書けるのやらって、感覚に陥りますね。安易にどんどん先に行けないというか。
      2023/01/31
    • 111108さん
      たださん
      そうなんですよね!詩や短歌は1つ読むごとに「おおー」とか「わぁ」とか圧倒されるので、レビューも本当に難しいですね!
      たださん
      そうなんですよね!詩や短歌は1つ読むごとに「おおー」とか「わぁ」とか圧倒されるので、レビューも本当に難しいですね!
      2023/01/31
  • 寒い冬の夜おそくに父親に連れられ
    野生のみみずくを探しに森へ行く少女を、
    美しい詩と共に描いた絵本です。


    自分自身、ボクシングの試合前は、
    京都の鞍馬山の山奥に山籠りしに行きます。

    森の中にいると、生命の息吹や自然界のパワーを直に感じれるし貰えるから、

    決して大袈裟ではなく
    細胞の一つ一つが浄化していくような不思議な感覚を得られます。

    だけど夜は、静まりかえった森の中に獣の気配や鳴き声がして、
    怖くて寝れなくなるほど、自然の脅威を感じたりして(汗)(≧∇≦)

    やっぱ都会の喧騒の中にずっといると、 人間澱んでくるのかなぁ〜って、
    自然の中で暮らしてみて初めて分かりました。


    この絵本のお父さんと娘も
    生きるということを肌で感じるために、

    自然の脅威をまだ幼い娘に教えるために、
    夜の森へと出かけていきます。


    みみずくの鳴き声を真似て
    本物のみみずくを誘うお父さん。

    夜の雪の中を歩く怖さや不安、
    少女が感じる
    ようやく兄に次いで森に連れて行ってもらえる年齢になったことへの喜び、

    何かを得るためには
    寒さの中勇気を持って進み、
    じっと我慢しなくちゃいけないこと、

    求めていたものに会えなくとも
    がっかりしないこと、

    そしてこれから出会うだろう
    未知のものへのときめきなど、

    そのまま長い人生にも当てはまる教訓と
    幼い少女の鼓動が直に伝わってくるような詩情あふれる文章が本当に秀逸で、

    読む人それぞれが
    期待に胸膨らませる少女の気持ちを
    追体験していきます。


    シンプルな構成の絵本だけど
    この一冊の中に自然の怖さや掟、
    生きる喜びがすべて詰まっている。

    子供の頃にこういう貴重な
    『生の体験』ができた少女がうらやましいな(^_^)


    自分の足を使って
    見て触って肌で感じた『生の体験』は、 どんなに年月が経とうとも
    記憶の核となって、
    自らを支えてくれるハズです。


    少女の語り口調を忠実に再現したであろう、
    詩人の工藤直子さんの訳にも拍手!


    なお今作は、絵の表現力が問われる世界三大絵本賞のひとつである
    コルデコット賞を1988年に受賞していることを追記しておきます。


    これからの寒い冬の夜にピッタリな絵本ですよ(^^)

  •   冬の夜ふけのことでした
      みんながねしずまったころ
      とうさんとわたし でかけたの
      みみずくさがしに でかけたの
      風はぴたりとやんでいた
      

    こうして始まる最初のページ。「月夜のみみずく」のお話です。
    「鷹の渡り」の記事を読みました。
    孤高、というイメージの強い猛禽類が、群れをなして渡るというのです。
    空を埋め尽くす鷹の飛翔する姿を想像して、頭がくらくらします。

    最初に書いた出だしの部分ですが、リズム感がありますよね。
    全体を通してそうなのです。
    原文がそうなのか、工藤直子さんの翻訳が上手いのか。
    きっと両方なんでしょうね。

    風の音。雪を踏みしめる音。
    冬の森の気配。木々のかすかなざわめき。
    遠く聞こえる汽車の汽笛。凍り付くような寒さ。白い月明かり。
    それらが、素晴らしい臨場感をともなって、この子と一緒に歩いている気持ちになります。
    父親とみみずく探しに行くという行為の、何とも言えない誇らしさ。
    冬の夜の怖さを越える、父への信頼。
    道々に父から子に教えられるさまざまなこと。
    ついにみみずくに逢えたときの震えるような感動。
    このあとの描写も、素晴らしいのです。

    絵も大変美しく、子供の目から観た自然とはこういうものだったことを、ふと思い出します。
    みみずくの絵は圧巻ですよ。
      1分間かしら
      3分間だったのかしら
      ああもう 100分くらいに
      おもえたわ
    思わずこの子の目になってじっと見つめてしまうでしょう。

    みみずく探しとは行かなくても、遠く子供時代に経験した神秘な出来事。
    もう一度素直に感動したい、とそんなことを思います。
    月明かりの美しい冬に、ぜひお薦めしたい一冊。
    子供向けの本にしておくのはもったいないほどですよ。
    好きな絵本と聞かれたら、私は真っ先にこれをあげます。

  • 女の子による口語調で話が進むので
    子どもはより臨場感を味わえるかも♪

  • 美しい絵に美しい文。

  • 神秘的な美しさに満ちた夜の森での体験を、おさなごの想いを詩に託して語られる、父と子の心あたたまるふれあい。瑞々しく華麗な挿絵にため息をつきながら、大自然に生きる「みみずく」との交歓を味える、1988年度コルデコット賞受賞作品。〝みみずくに会うときは、お喋りはいらないの。寒さもへっやらなの。会いたいな、会えるかなって、ワクワクするのが素敵なの...それが父さんに教わったこと〟〝月が眩しく輝く夜に、なんだかワクワクするものが、静かに翼を翻し、光のなかを飛んでいく〟。

  • 冬の夜ふけ、みんなが寝静まったころ。父さんとわたし、ふたりでみみずくを探しに家を出た。みみずくを探すときは、しゃべっちゃいけない。月明かりに照らされた真っ白い雪、黒々とした森の中、父さんとふたり、しゃりしゃり歩く。わたし、ずっとこの日を待っていた。にいさんたちが言っていた。みみずくは、会えたり、会えなかったりするって。

    キンキンに冷えた冬の夜の空気の中、しんと静まり返った景色の中で主人公の胸の高まりが響く作品。読んでいて、自分の息の音が聞こえてきそうな気がした。こんな体験ができる環境が羨ましい。夜の闇と月明かり、雪明りの陰影がとても美しかった。

  • 訳も絵もしんと静かな夜、みみずくに会いにゆくドキドキをとても豊かな情景として魅せてくれる。
    静かな月夜に読みたい。

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著者プロフィール

アメリカの作家。コルデコット賞を受賞した『月夜のみみずく』(偕成社)をはじめとする380冊以上の作品を出版。日本でも、ほかに、『きょうりゅうたちのおやすみなさい』などの「きょうりゅうたち」シリーズ(小峰書店)や、『みずうみにきえた村』(ほるぷ出版)など、多数が紹介されている。

「2022年 『あらしと わたし』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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