ゆきがふるまえに

  • 偕成社 (2016年11月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (32ページ) / ISBN・EAN: 9784033325606

みんなの感想まとめ

心温まる物語が展開されるこの絵本では、山で暮らすうさぎのラビッタちゃんが町へおつかいに出かける様子が描かれています。彼女は家族への贈り物や毛糸、そしてお気に入りの本を選ぶために、色とりどりの町を楽しみ...

感想・レビュー・書評

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  •  図書館の『冬の絵本』をテーマとした特設コーナーに於いて、一際輝いているように感じられた本書の表紙は、周りのデザインが素朴さと丁寧さの合わさった凝ったものとなっている上に、何よりも中央で活き活きとした存在感を放つ、ネイティブファッションもバッチリきまった、うさぎの「ラビッタちゃん」の可愛らしさに惹きつけられてしまい、思わず内容も確認せずに借りてしまったが、実際に読んでみて素敵な絵本だと思いました(2016年作)。

     作家のかじりみな子さんのことは本書で初めて知ったのだけれど、彼女が絵本作りを学んだところが酒井駒子さんや荒井良二さんもいた「あとさき塾」だと知り、彼女が創造した絵本の世界に魅力を感じられたことにも納得できた、それはそこにずっといたくなる、それぞれのキャラクターに命が吹き込まれたかのような臨場感のある世界観の確立と共に、『初めてのおつかい』という、子どもにとって一つの成長とも思える題材を合わせることによって、ラビッタちゃんの心情に共感しつつも、彼女と同じ世界で生きる他の動物たちの生活にも興味を持たせてくれるのだ。

     まずは何といっても、先の展開で矛盾が生じないように、どこまでも細やかに作り込まれた絵本の中の世界の魅力であり、それは山にあるラビッタちゃん一家の家の中を描いた扉絵一つ見ても分かるように、壁にはこの後おつかいに出かけるラビッタちゃんの帽子とリュックが掛けられていて、パパがラビッタちゃんの妹「ピョコラッタちゃん」を寝かしつけようとしている、その次の見開きでは気持ち良さそうにぐっすりと眠っているピョコラッタちゃんの姿が描かれていて、ママが手紙を書いている切り株のテーブルの上には、この後ラビッタちゃんに渡すことになる、おつかい先の「町の地図」と「おまもりのふえ」が、ちゃんと用意してあることが、この時点で分かる、こうしたリアル感は町の中に入ると、更に凄いことになっていることを実感させてくれる。

     ラビッタちゃんが山を下りながら歌う、彼女の名前を上手く絡ませた歌のリズム感には読み聞かせを意識していることを実感し、そんな彼女を見守る色彩豊かな風景には紅葉の美しさがよく映えていて、それは決して細密なとまではいかないんだけれども、見ていて心地好い温かみや和みを感じられる、こうした自然の素晴らしさは、夕暮れ時の空や、夜になると別の素顔を見せてくれるところまで忠実に描かれている。

     そんな自然の風景では一切登場させなかった他の動物たちを、空から俯瞰した町の風景を描いた見開きで一気に登場させる、こうした演出には静謐な山と賑やかな町との対照性を表しながらも、かじりさんの作る絵本の世界がどれだけ嘘っぽくなくて、子どもたちが入り込んでしまうような世界であるのかを強調しているようで、それは前の見開きでは、ある行動をしていた動物が、その先の見開きではその続きと思われる行動をちゃんとしていたりと、絵本の中の時間が確実に流れていることが分かったのである。

     例えば、俯瞰した町の見開きで郵便ポストに投函していたヤギが、次の見開きではラビッタちゃんとすれ違っていることや、町を横断していたシルクハットを被ったヘビが、その後「ほんやさん」にいたりと、このように俯瞰した町で初めて見た動物たちが、その後どこでどうしているのか? それらを探すだけでもかなり楽しめること間違いなしで、そうしたことにじっくりと時間をかけても全く飽きることのない、それはまるで生きた箱庭の中を覗いているような、生きた絵の世界だからこそ為せることなのだろうと思う。

     また、ラビッタちゃんが訪れるそれぞれのお店の中の描き込みも細やかで、それは「おとどけものやさん」の机の引き出しからはみ出しかけたり、床に落ちている切手の存在感や、「けいとやさん」の色取り取りの毛糸が収納されたカラフルさに、たくさんの可愛らしい小物も加わった楽しい店内の様子に、「ほんやさん」の一枚一枚丁寧に描かれた床の模様に、一冊一冊丁寧に描かれた本たちと、いったいこれを描き終えるのにどれくらいの時間がかかったのだろうと思うと、そこにはそれだけ読み手に楽しんでほしいという、かじりさんの作品への思いが垣間見えてくるように思われたのだ。

     そして終盤では、引きと寄りの視点の効果的な使い分けをすることで、より劇的に伝わってきた、ラビッタちゃんたち家族の絆の素晴らしさを実感できると共に、ここに来て、ようやくタイトルの意味も理解できるというストーリーの構成の素晴らしさも感じられて、それはカバー折り返しの絵や裏表紙の絵にまでも配慮の行き届いた、かじりさんの絵本作家としての素晴らしさなのだと思ったのだが、なんと本書が初の絵本というだけではなく、このラビッタちゃんがシリーズものであることを知り、また追いかけたくなる絵本作家と出会うことができた嬉しさを覚える、私なのであった。


     最後におまけというのも失礼なのですが、なんと本書にはサンタクロースもどこかに描かれております。読まれる機会がありましたら是非探してみて下さい。見つけると思わず幸せな気持ちになれそうです。

  • 山で暮らすうさぎのおんなのこ・ラビッタちゃんは、ママに頼まれて町へおつかいに行く。
    ひとつめは、じいじ ばあばへのこづつみをおとどけものやに。
    ふたつめは、家族みんなの毛糸を選ぶ。
    みっつめは、好きな本を選ぶ。
    ラビッタちゃんは、無事に買い物を終えて、家に辿りつけるのかな…。

    すっかり終わったあとに一休みして、最後の一本のにんじんを食べるのも達成感なのかな…。

    音楽を聞きながら食べてると眠くなって、すっかり夕暮れどきになり、慌てるラビッタちゃん。
    おまもりのふえを握りしめて丸くなってるラビッタちゃんの心細さが伝わってくる。

    励ますかのようなオーロラにホッとする。
    遠くに見えてるパパとママの姿をめざす。


    お金じゃなくってにんじん10本と交換っていうのが、動物のお話らしくていい。

    まるで、TV番組のはじめてのおつかいを見てるような感じになってくる。
    無事に買い物できるかなぁ、迷わないかなぁとか大人目線で見てしまう。
    子どもが読むにはとても楽しめる。
    町はにぎやかで、楽しそうで動物たちの表情も豊かで、暖かいほっこりする色彩なので、見ているだけでも笑顔になれる。






  • たださんのレビューでこちらの本に出会えたことに感謝です!
    サンタクロースさん、さがしてみるけれど難しい。3回目でやっと見つけた。そんな楽しみがある、絵本。やもりがお気に入り。
    ふゆじたくでおおいそがしのラビッタちゃん一家。おつかいをたのまれて、まちまでラッタラビッタしながら、おでかけするラビットちゃん。にんじんがお金がわり。あっというまにゆうぐれどき。帰路につけるか、こちらもどきどきしながら、さいごのページにほっこり安心。
    油絵学科卒業の作者さんは娘の成長をきっかけに本格的に創作をはじめたとのこと。

    福岡は昨日初雪でした。皆さんのお住まいのところも寒さが続いている頃かと思いますが、あたたかくしてお過ごしください。

    • たださん
      ☆ベルガモット☆さん
      明けまして、おめでとうございます。
      今年もどうぞよろしくお願いいたします。

      そして本書を読んで下さり、ありがとうござ...
      ☆ベルガモット☆さん
      明けまして、おめでとうございます。
      今年もどうぞよろしくお願いいたします。

      そして本書を読んで下さり、ありがとうございます(^^)
      しかも、サンタクロースまで探していただいたとのことで、お疲れさまでした。

      この絵本を読んだとき、そのあまりに活き活きとした世界観に夢中になりまして、絵本の中で生きる動物たち、それぞれに時間が流れている楽しさといいますか、ラビッタちゃんと共に何度も再読したくなる魅力でいっぱいでした。今年も引き続き、このシリーズ追いかけていきたいと思います(*´∀`)
      2026/01/03
    • ☆ベルガモット☆さん
      たださん、明けましておめでとうございます!
      こちらこそ今年もどうぞよろしくお願いいたします。

      サンタクロースがいるというレビューに惹...
      たださん、明けましておめでとうございます!
      こちらこそ今年もどうぞよろしくお願いいたします。

      サンタクロースがいるというレビューに惹かれて読みました♪
      本当はクリスマスの時期にレビューしたかったのですが、年明けになってしまいました。
      動物たちの活き活きとした世界観、読んでいて楽しかったです!ラビッタちゃんの町でみんなと交流するのが楽しくてたまらないという様子がとても魅力的でした!
      今後もレビュー楽しみにしています( ◠‿◠ )
      2026/01/03
  • うさぎのラビッタちゃんのお家は山の中。秋のある日、一人で街までお使いを頼まれ、張り切って出かけます。秋の東欧を思わせる温かい色彩、活気に溢れた街、動物さんたちのハンドメイド感いっぱいの服、しっかり者のラビッタちゃんと温かい家族の生活、細かく美しく描かれていて、ほっこりする絵本です。

  • 絵があったかくてカラフルで
    ページをめくるたびにワクワクするし、
    それぞれのお店のページで
    子どもと好きな物を指差しあって楽しめる♪

  • 10歳4ヶ月の娘

    かわいい〜
    絵がすてき。世界がすてき。

    ラビッタちゃんの
    おつかい
    街並みと他の動物たち
    お店の雰囲気最高
    細かいとこまで楽しめる。

    いもうとの
    ピョコラッタちゃん
    名前がかわいくて
    何回も口に出しちゃう

    このシリーズ
    もっと読みたい

  • 動物や民族衣装が好きなので どんぴしゃな絵本だった!
    帽子から靴まで全部かわいい!

    街にはいろんな動物たちもいて細かいところまで見るのが楽しかった

  • 読み聞かせ時間 5~6分

    冬支度に向けて、小さなうさぎの女の子が山を下りて町まで一人でおつかいに行くお話で、秋の本を探していたときにオススメとして上がっていた本です。

    娘がうさぎが大好きなことと、私の好きな北欧の民族衣装っぽい格好が可愛くて惹かれて購入。
    絵が本当に緻密で素敵な世界観でした。
    小学校で低学年の読み聞かせに使ったところ、自分たちと年が近そうなイメージもあってかすごく物語に入り込んでくれて、絵も細部まで見てくれている子が多かった印象でした 。
    優しく暖かい気持ちになる物語です。

  • お気に入りのラビッタちゃんシリーズ

  • このシリーズは2冊目。以前読んだしおかぜにのってと同じく地図が出てくるけど、今回は地図と絵がリンクしてない感じなのが残念なところかな。ただ色鮮やかな絵は変わらず素晴らしく、絵をじっと眺めていたくなる絵本です。

  • うさぎのラビッタちゃん、リュックににんじんを10本詰めておつかいへ出発!
    荷物を出して、毛糸を選んで、本も選んで…
    お母さんに書いてもらった地図をたよりに、おつかいを済ませます。

    村には色んな動物たちが住んでいて、ディズニー映画のズートピアを思い出したり。
    色鮮やかな絵と、細かく細かく描かれた小さな動物たち、小物まで可愛すぎる!!

    6歳娘が喜ぶかな?と選んだ図書館本だけど、4歳くらいで読んだ方が喜んでもらえるかな。
    動物で絵探しも楽しそう。
    お買い物でにんじんと欲しいものを交換すること。
    疲れて暗くて、一人の帰り道、心細い気持ち。

    どうやらシリーズものらしい。
    他のも読んでみたい(わたしが)。

  • 3歳1ヶ月。色彩豊かな絵が素敵です。書き込みが細かく、絵本の世界に浸れます。文章やストーリーがすごく秀逸というわけではないのですが(ごめんなさい)、家族の雰囲気や店員さんとのやり取り等、暖かい気持ちになったり学べるところもあるので、家に置いておきたい絵本です。

  • 冬が好きな私としては、冬支度のためにお買い物に行く!そんなシチュエーションにワクワクした。

    とてもあたたかい世界観。
    家族の雰囲気、店員さんとのやりとり、店内の様子…そして後半の展開。

    じいじばあばにこつづみをお届けものやにお願いする
    家族それぞれに毛糸をえらぶ
    自分のために本をえらぶ(ちゃんと妹の分も)

    一人でのお買い物、それはそれはドキドキわくわくする経験だろうな。

    子ども時代をこういう楽しい街で過ごせたら幸せだろうと、いや擬似体験できるからいいよね、って思いながら、読み終えた。

    買い物してきた物が大切に形を変化しているところも(じいじばあばの様子も)見られて、幸せな気分✨

  • 3歳の長女のお気に入り。
    絵も繊細で素敵。
    ストーリーを楽しんでも良し、絵をじっくり楽しんでも良し。
    ラビッタちゃんのセリフはリズムがよく、
    長女の口癖になりました。

  • 2歳
    お気に入り

  • 山に住んでいるラビッタちゃんが、
    お母さんからお使いを頼まれ町へ出かけるお話です。
    北欧風な洋服や、カラフルな雑貨が溢れる町。
    ワクワクするお買いもの。
    迷うのも楽しい。でも、疲れる・・・。
    しっかり者のお姉ちゃん、優しいお姉ちゃん、ラビッタちゃん。

  • 久しぶりに絵に見とれました。
    細かい描写と色使いが美しい……。
    お使いを頼まれたうさぎの女の子のお話です。

    2017/01/13 更新

  • 細かい絵の絵本が好きな娘に受けるかなと思い、図書館で借りました。1歳の娘にはちょっとリアルすぎたのか、期待したほどはまってはくれませんでしたが、「たびた、たびた(ラビッタ)」と呟きながらページを繰っていました。毛糸屋さんよりも本屋さんよりも、食いしん坊の娘はパン屋さん(ストーリーには絡まないですが……)が気になる様子。ラビッタちゃんがニンジンを食べるシーンでは「たべてる!」と楽しそうでした。

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著者プロフィール

姫路市生まれ。絵本作家。武蔵野美術大学油絵学科卒業。卒業後、「あとさき塾」にて絵本作りを学ぶ。絵本に「ラビッタちゃん」シリーズ(『ゆきがふるまえに』『わかくさのおかで』『しおかぜにのって』『こおりのむこうに』)『ふたつでひとつ』『どうぶつみずそうどう』(偕成社)、挿絵に『ドリーム・アドベンチャー――ピラミッドの迷宮へ』(偕成社)、『ライオンつかいのフレディ』(文研出版)などがある。

「2023年 『りすねえさんのさがしもの』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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