王さまの竹うま (ドクター・スースの絵本)

  • 偕成社
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (54ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784033480800

作品紹介・あらすじ

バートラム王さまの楽しみは、竹うまで遊ぶこと。ある日その竹うまがぬすまれて…。世界中で大人気のドクター・スースが描く絵本。ローラ・インガルス・ワイルダー賞受賞。ピュリツァー賞特別賞受賞。

感想・レビュー・書評

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  • どんなにカッコ悪いと言われたって、好きなものは好きなんだい!

    子どもたちに勉強してほしいからと、子どもたちの楽しみを奪い去っていないかい?

    ムダな時間はなくして、しごとの効率を上げたいからと、余暇すらないほどスタッフを働かせていないかい?

    「王さまの竹うま」は、「竹うま」の取り返し方を教えてくれるお話だよ!

    子どもも、オトナも、カイシャや国を守る人も、みーんなに読んでほしいある王さまのお話。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    ビン王国のバートラム王さまの朝は、早い。

    朝の5時からせっせと働き、お風呂や食事をしながら書類にサイン。
    そして7時になると、国を守るためのいちばん重要な大仕事を始めるのです。

    人びとはキビキビとした王さまの働きのおかげで、安心して暮らしていました。

    そんな王さまの楽しみ、それはしごとが終わったあと、大好きな竹うまに乗って思いっきり遊ぶことでした。

    ところがある日、王さまの竹うまが盗まれてしまったのです…!

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    「王さまの竹うま」との出会いは、わたしが小学校低学年の頃でした。

    夏休みでわが家に遊びにきていたいとこと、祖父とともに、本屋さんに行きました。
    その本屋さんで、祖父がわたしといとこに1冊ずつ、本を買ってくれました。
    そのとき、いとこが買ってもらっていた本が、この「王さまの竹うま」です。
    そしてなぜか、自分が買ってもらった本がなんだったのかは、全然覚えていないという(笑)

    あれからウン十年。
    オトナになった今でも覚えているのは「小学校低学年のころ、読んだらしい」「王さまの竹うまというタイトルだった」という、これだけでした。
    内容はまったく覚えていないのですが、確か白とオレンジ色?朱色?を使った装丁、表紙に竹うまと王さまがいたような気がする…というくらいの記憶でした。

    それからその記憶は奥底で眠っていましたが、娘が小2になったある日、唐突に思い出したのです。
    図書館で探してみると、装丁・判型をかえた新装版の、こちらの「王さまの竹うま」に出会いました。

    記憶の中では児童書だったので、絵本にしか見えない新装版を手にしたとき「絵本だったっけ??」と混乱しましたが、中身はしっかりたっぷり“児童書”レベルの読みごたえでした(笑)
    娘にすすめてみましたが、全然読むのに乗り気ではなく、意を決して読み聞かせをすることにしました。

    読み聞かせには20分強かかりました。
    最初はながら聞きだった娘でしたが、登場人物たち、国の様子、王さまのしごとと楽しみという基本設定がわかると、本に向き直ってじっと聞き入ってくれました。
    読み聞かせをしているわたしも、まったくお話の内容の記憶は蘇ってこなかったのですが、「こんなお話だったのか~」と、新しいお話をひとつ知った感覚で読み終えることができました。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    このお話は、人間が生き生きと働けるのは、自分の大好きなものがあってこそ、ということを、伝えてくれます。
    竹うまが盗まれたあとの王さまの落胆ぶり、しごとに身が入らなくなってしまったために、国を守るという大仕事を果たせなくなり、人びとの安全安心が脅かされてしまうという展開は、特にコロナ禍の今、身につまされるものがあります。

    感染予防だけ、身体だけを守る暮らしにより、楽しみを奪われてしまった人びとがどうなってしまうのか。
    「あなたの将来のためなのよ」「仕事をもっとがんばってほしいから」と、大義名分を振りかざし、人びとから余暇や楽しみを奪い去り、仕事や勉強だけの日々一色になってしまった“人間”は、果たしてどうなってしまうのか。

    知らない誰かがそうなってしまっていても、自分には関係ない?
    そうでしょうか。

    楽しみを奪われたその人の仕事が、電気やガス、水道を守る仕事だったら?
    人びとの健康を守る仕事だったら?
    道路を整える仕事だったら?
    食べ物を作ったり売ったりする仕事だったら?
    それでも「自分にはまったく関係ない」と、言いきれますか。

    自分勝手な言い分で、ひとの楽しみをなくさせてしまう前に、読んでみてほしい1冊です。

  • 面白い!
    歯車がひとつ外れただけで自分じゃなくなる

  • 15分くらい。
    働き者の王様の楽しみは、竹馬。
    ところが、それをよく思わない側近のドルーン卿が、竹馬を盗み出し、お供のエリックに竹馬を隠すように命じます。そしてエリックはお払い箱に。
    竹馬がなくなった王様はすっかり意気消沈してしまい、仕事ができなくなってしまいます。
    エリックはなんとか王様に真実を伝えようとしますが、ドルーン卿に捕まり、牢屋に入れられてしまいます。

    国が危機に瀕しているのに、体裁ばかり気にするドルーン卿。
    エリックを応援したくなりますが、大人の役に立たなさぶりが、なんともいえない。

  • 悪い人物が登場するお話の解決方法は難しいですね。この絵本でも、どうなるものか心配でしたが、なるほど~。

  • 長いお話なので数日かけて読み聞かせ。
    適当な箇所で一旦区切る度に、5歳8ヶ月の息子は「つぎどうなるんだろうね~」と先が気になっていた様子。
    ビン王国の王様は働き者。1000匹のパトロール猫を指揮して、隙あらば海の堤防の並木の根を食い荒らそうとする悪しき鳥二ザードを見張り王国を守っている。そんな王様の唯一の楽しみである竹馬が盗まれて王国は危機に…。
    理不尽に巻き込まれたお供のエリックの勇気は気持ちを奮い立たせるなぁ。竹馬で颯爽と駆ける二人の姿に息子は「はやくたけうまで走ってみたいなぁ」と思いを馳せていた。

  • 「バートラム王さまの楽しみは、竹うまで遊ぶこと。ある日その竹うまがぬすまれて…。世界中で大人気のドクター・スースが描く絵本。ローラ・インガルス・ワイルダー賞受賞。ピュリツァー賞特別賞受賞。」

  • 絵本だけど、文字の分量的に幼年童話に分類してもいいかも?気持ちのよい作品。竹馬が大好きな王様が可愛い。

  • スースは英語の方がおもしろいかも?

  • 抑揚つけて読み聞かせるのが楽しい。母子ともに楽しめた。王様の仕事も遊びも全力投球ってところが素敵。

  • 日本語でDr.Seussの本を読むのは初めてかも。Dr.Seussが大好きな息子が選びました。感想は「いいお話の終わり方だったよ」だそうです。

  • 少し長目の物語ですが、とても楽しくも現実の世界とも照らし合わすことができるいいお話だと思いました。

    プライベートの楽しみがあってこそ、仕事にも身が入るというものだということを楽しく教えてくれます。

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著者プロフィール

本名シオドー・スース・ガイゼル。1904年、アメリカのマサチューセッツ州に生まれる。絵本作品は簡潔でリズミカルなことばが特徴で、ユーモアに満ちた奇想天外の物語が多い。邦訳に『ぞうのホートンたまごをかえす』『ぞうのホートンひとだすけ』『ふしぎな500のぼうし』(共に偕成社刊)など多数。1980年に、ローラ・インガルス・ワイルダー賞を、1984年にはピュリツァー賞特別賞を受賞。1991年没。

「2010年 『きみの行く道』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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