うつくしい絵 (かこさとし)

著者 :
  • 偕成社
4.22
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本棚登録 : 427
感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784034170106

感想・レビュー・書評

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  • ダ・ヴィンチ、ゴッホ、レーピン、北斎、ピカソの人物像と代表作を丁寧に解説している児童書です。
    年齢を問わず、大人でも十分に楽しめる内容です。
    平易な文章ですが、絵をじっくり味わうことで読了に少々時間を要しました。
    そして、それは読み方として正解であった気がします。
    改めて加古里子氏の多芸多才に感心し、絵って素晴らしいなと思えた一冊。

  • 表紙にダ・ヴィンチの「モナリザ」、裏表紙はゴッホの「ひまわり」。
    この2作品はもちろん、レーピン、北斎、ピカソの有名な作品が丁寧な解説とともに載っている。
    その解説がしみじみと素敵で、かこさとしさんのこの本にかけた思いが伝わってくる。

    「絵描きさんは、みな生まれた国が違って、それぞれ変わったくせを持ったひとでした。
    しかしみな、美しい心を持ったひとたちでした。
    その美しい心を持ったひとだったから、みんが感心する美しい絵を描くことが出来たのです。」

    私も少しばかり絵を描くが、こんな風に思ったこともなかった。
    これは誰それの何年頃の作品で、何々派に属し、モチーフとなったものは・・なんて、そんな解説ばかりで頭を埋めていた。
    絵は、ただゆっくりと眺め、画家さんの心を感じ取ればそれで良いものを。
    名画と言われる作品に、美術館ではじめて出会った時の感動をなぜ忘れてしまったのだろう。

    庶民の生活とは無縁なところで、近代的と称して動いている画流や近代芸術論とやらに対する、疑問と批判も秘かに込めたかった、と後書きにある。
    かこさとしさんの願いが届くように、ゆっくりとページをめくって絵を見せながら読むと、ゆうに15分以上はかかる。
    それでもいつか、子どもたちの前で読んでみたい。
    美しい絵を見て、絵描きさんの美しい心をくみ取れるようになってほしいから。
    そして私も、美しい絵を感じ取れる大人に、なっていこう。

    • nejidonさん
      くりりんさん、こんばんは♪
      コメントありがとうございます。
      レビューに共感してくださって、とっても嬉しいです!
      子供向けの絵本ではある...
      くりりんさん、こんばんは♪
      コメントありがとうございます。
      レビューに共感してくださって、とっても嬉しいです!
      子供向けの絵本ではあるものの、選び抜かれた言葉と絵で、感動してしまいました。
      そしていつの間にか、こんな大人にはなるまいと思っていた大人に、
      自分もなっていたことに気が付きました。。
      恐るべし、絵本の力、です。

      そうそう、初めにお話しておかなければと思ったことがひとつ。
      私、小説はあまり読みません。特に現代ものは。
      どうかそのことでがっかりされませんように。
      2017/11/05
    • 夜型さん
      nejidonさん、こんにちは。

      出版社的にも、記述のやさしさからしても、これは児童に向けた本だと思うのですが、引用文はなかなかどうし...
      nejidonさん、こんにちは。

      出版社的にも、記述のやさしさからしても、これは児童に向けた本だと思うのですが、引用文はなかなかどうして心の訴えかけてくるのでしょうか。
      小生には、本質的なことはやさしくかけるものだと考えています。
      概念や抽象的な言葉は、多くの具体的な事柄に対して向けることが可能なように。

      美しい文化に触れて、美しいものを知っていれば、言葉にできなくともこれだと分かる感性が身につくのだと小生は信じています。

      スマホが流行り、ネット上のいろいろと厄介な言説に触れてしまうより、ゆっくりと美しい文章や絵を見るようなゆとりがほしいですね。

      よいレビューだと思いました。
      2017/11/06
    • nejidonさん
      読書猫さん、こんにちは♪
      素敵なコメント、ありがとうございます!
      引用文は、読みやすく漢字に変換してありますが、原文はほとんどひらがなな...
      読書猫さん、こんにちは♪
      素敵なコメント、ありがとうございます!
      引用文は、読みやすく漢字に変換してありますが、原文はほとんどひらがななのです。
      はい、言われる通り、子供向けの作品です。
      でも、子どもだけに読ませるのはとてももったいなくて(?)漢字混じりにしました。
      本質的なことは、易しい言葉でしっかり通じるものですね。
      中身がとても深いので、うっかりすると見落としそうですが。

      そうですね、ゆっくりじっくり、静かに美しいものに触れる時を、子どもたちには
      たくさん持ってほしいと願っています。
      その前にもちろん、親御さんも、大人も。

      図書館で借りていた間、毎日何度も読んでいた本です。
      読書猫さんのコメントも、何度も読ませていただきました。
      ありがとうございました。
      2017/11/08
  • ダ・ビンチは神様を笑ったり怒ったりしている人間として生き生きと描いた。

    レーピン おもいがけなく
    真面目で勇気ある人をたたえながら、ひとりひとりの細やかなこころの動きを描いた。

    児童文化に携わっていたかこさとしさん、子ども達だけでなく大人にも響いてくる。芸術の心。

  • なぜ、「うつくしい」と思うのかについて、ちゃんと考えてこなかったことに気が付いた。絵をかいた人のうつくしい心があらわれているなんて、思いもしなかった。絵に興味を持たせてくれた一冊。

  • こういう本に子供の頃、出会っていたら絵の見方が変わっていたと思うわー。とチビちゃんよりもバーちゃんが熱心に読んでいた。
    ゴッホ、ピカソ、有名なあの絵はなぜ魅力があるのか。
    描いている人の心が創り出す絵たち。
    絵画についても画家についても興味をもてるステキな絵本。

    Mちゃん、こういうお話じゃない絵本は好きじゃない。M10

  • 絵画の図鑑もいいけど、こういう絵本もいい。手に取りやすいのもいい。どちらかというと子ども向けなんだけど、大人が読んでもおもしろい。びじゅチューン!大好きなわが子らは、知ってる絵が載ってて嬉しそう。ひまわりも、ザパーンドプーンもあるよ。かこさとしさん、ほんとうにすごいなあ。

  • 絵本作家のかこさとしさんが超有名な絵を紹介しています。
    最初の読む本としては図鑑よりもよいかも。
    解説もわかりやすく小難しい芸術論ではなく「うつくしい絵を かんじとれる 人に なってください」という作者のシンプルな願いが伝わって来てよいです。
    この本を読んで子供が「ピカソのゲルニカ」を見たいと言い出し、複製を東京駅まで見に行きました。
    そういう行動を起こさせてしまう本ってそんなにない。

  • 絵を描いてる私としては5点満点。
    とてもおもしろかった。
    #図書館

  • 新聞で見て読みたくなった絵本。
    かこさとしさんがとても作りたかった絵本、という言葉に惹かれて。
    こんなにわかりやすく有名な絵を解説してくれる本もないと思う。子供だけじゃなく、絵画を知らない大人におすすめ。ゆっくり時間をかけて読みました。

  • 有名な作品達をとてもわかりやすく紹介、解説されている。小学校低学年から大人まで楽しめる。

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著者プロフィール

かこさとし:1926年福井県武生市(現越前市)生まれ。大学卒業後、民間企業の研究所に勤務しながらセツルメント運動、児童会活動に従事。1973年退社後、作家活動、児童文化の研究、大学講師などに従事。作品は500点以上。代表作として「からすのパンやさん」「どろぼうがっこう」(偕成社)「だるまちゃん」のシリーズ(福音館書店)、「こどもの行事しぜんと生活」シリーズ(小峰書店)などがある。

「2021年 『かこさとしと紙芝居』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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