ぼくは ねこのバーニーがだいすきだった (世界の絵本)

制作 : エリック・ブレグバッド  なかむら たえこ 
  • 偕成社
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本棚登録 : 47
レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (27ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784034250709

感想・レビュー・書評

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  • 【絵本】飼い猫の死を家族と受け止める少年のおはなし。小学中学年からおすすめ

  • 少し悲しいお話。でも、心温まる。絵本にしては少し難しいかな?

  • 小学校の国語の教科書に載ってたなあ、と…

  • 『びりっかすの子ねこ』で、エイラの翻訳者である
    中村妙子さんに「再会」した。

    やさしい語だけを使っても、翻訳文のリズムの良さが、
    お話の世界に引き込んでくれることを再発見した。

    高校時代にエイラを読んでいた時は、
    何も考えずにお話の世界にそのまま飛び込んで行っていたので、
    翻訳文のリズムには気づいていなかったのだ。

    エイラの再読は、なかなかチャレンジできないでいるが、
    短いお話を読んだら、このリズム感をまた味わえるような気がした。

    そこで、中村妙子さんの翻訳つながりでたどり着いたのが本書である。

    ねこの作品でもあり、私がずっと向き合ってきたテーマを描いた絵本でもあるから。

    『ぼくはねこのバーニーがだいすきだった』の原題は、
    "The Tenth Good Thing About Barney"である。

      ぼくの だいすきな ねこの バーニー、

      きんようびに しんじゃった。

      ぼく、とっても かなしかった。

      ないて、テレビも みなかった。

      ないて、ないて、ゆうごはんも、たべなかった。

      とりにくの ごちそうも、チョコレート・プディングも、

      みんな のこした。ベッドに はいってから、また ないた。

    これが冒頭部分だが、ペットの死を描く重いテーマであるにもかかわらず、
    語り聞かせをしてしまいたくなるリズムの良さだ。

    絵をゆっくりゆっくり眺めるような情景が浮かぶような本なら、
    親子で読むにしても一緒に黙読が良いなんて無茶なことを思ってしまうことがある。

    だが、本書は、最初のページで音が聞こえる。

    日本語としての心地良い響きや音の長さ、繰り返しを意識しながら、
    英語でよく使う韻を日本語にも踏ませているようなリズム感がある。

    だから、語り聞かせ向きなのだと思った。

    「読み聞かせ」というよりも、「語り聞かせ」という言葉が浮かんできた。

    読み聞かせのとき、読み手の意識は本に向かうけれど、
    本書はむしろ、本を聞かせたい対象の子どもに意識を向けて、
    語りかけるような感じがぴったりするかもしれないと思ったからだ。

    声のボリュームは、小さめでよいように思う。

    本も小さめなのは、きっと読み手と聞き手の距離は極々近くで、
    声も小さめで、大切な宝物を手渡すように、語るからだと思った。

    かあさんは、ぼくに、あしたバーニーのおそうしきをしようと言う。

      「だから、バーニーの いいところを 十、おもいだして

      ごらん。おそうしきで みんなに はなせるように。」

    原題が、"The Tenth Good Thing About Barney"なのはこのためだ。

    ぼくは、いっしょうけんめい考えるけれど、
    バーニーのいいところを九つだけ思い出し、
    十番目を考えているうちにねむってしまう。

    おそうしきのときも九つしか言えなかった。

    この九つは、きっとねことともに暮らしたことのある人なら多くが経験していることだ。

    でも、それがぼくの言葉で改めて語られると、
    本書では生きた姿がこのぼくの言葉と絵でしか出てこない
    バーニーがとても存在感を持ってくる。

      「もう一つは、あとで おもいだすよ。」

    おそうしきのあと、ぼくは、となりのアニーとバーニーの話をする。

      「バーニーは、てんごくで なかまの ねこや てんしたちと、

      いまごろ クリームを なめてるわ。かんづめの まぐろも

      たべているかもね。」

    アニーはこう言った。。

    こういった見方は、特定の宗教を信じていなくても、
    わりと受け入れられるのではないだろうか。

    死を受け入れようとするとき、
    事実を和らげようとするときに思うことかもしれない。

    でも、ぼくは、こう言う。

      「バーニーは、じめんの なかさ。」

    ぼくは、そのまんま事実を理解しようとするのだ。

    「てんごく」か「じめんの なか」かで、アニーとぼくはけんかになってしまう。

    そこにやってくるのが、とうさんだ。

    とうさんは、「てんごくのこと、あまり よく しらないんでね」といい、
    アニーのいうことを特に否定はしないが、肯定もしない。

    アニーのとらえ方も、ぼくのとらえ方も、尊重したのだと思う。

    そして、ぼくに、「にわしごとを てつだうかい?」と聞く。

    これは、ぼくの気持ちを聞くための、とうさんなりの自然な行動なのだと思う。

    「にわしごと」を介在したことにより、ぼくはとうさんに本当の気持ちが言えて、
    とうさんも息子に大切なメッセージを伝えることができたのである。

    とうさんの言葉からぼくは自分で考える。

    考えてぼくなりに気づくのだ。

    その気づきを補強させる形で、最後にとうさんがぼくに伝えるその言葉は、
    生と死、そして、すべての命に対する尊敬の念の現れである。

    すべてやさしい言葉なのだが、命の本質を語っている。

    引用を取りたいところだが、この言葉は、全体の中でこそ輝くから
    ここには書かないことにする。

    ぜひ本書を手に取り、「語り聞かせ」の中で、
    あなたの言葉で、子どもに伝えてほしい。

    子どもは、子どもなりに考えて、命の不思議を知っていくだろう。

    本書の最後に訪れた感動と同じことが本書の語り聞かせを通して、
    実際にも起こりうるのではないかと思うのだ。

    「バーニーの いいところを 十、おもいだして ごらん」と言い、
    そして、最後に息子からのメッセージを受け取ることになるかあさん。

    にわしごとを通して、簡素な言葉で命の本質を語るとうさん。

    ちがった役割を果たしたこの両親のバランスの取り方が絶妙だと感じた。

    ペン画の挿絵が静かな存在感を持つのも特徴だ。

    本文の最後のページ、そして、
    裏表紙のバーニーのしっぽを立てた後姿が印象的である。

  • 大好きなねこが死んじゃった・・・。

    ねこのバーニーのよかったところを10個、おしえてね。

    こういう考え方もあるのか・・と、感慨深かったです。

  • 子供のペットロスについてのストーリーです。大人といえども愛するペットを失った時の悲しみは計り知れませんが、悲しみながらも立ち直っていく少年と見守るお母さんの姿に温かいものを感じました。ペットを亡くした人が読むと元気付けられる絵本かもしれません。

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