1000の風・1000のチェロ

著者 : いせひでこ
  • 偕成社 (2000年11月1日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784034351208

作品紹介

ひとりひとりの物語がちがっても、きもちを重ねあわせれば歌はひとつになって風にのる。そしてきっとだれかにとどく。小学初級から。

1000の風・1000のチェロの感想・レビュー・書評

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  •  1995年1月17日その日は朝のニュースで阪神淡路大震災を知り
    ました。遠く離れた関東からは大災害もTVの中のニュースでしか
    知りえませんでした。多くの人が肉親を知人を失い、深い悲しみに
    包まれていたと思います。

     そんな被災地をいせさんも歩き、何の記憶のスケッチも残せなかっ
    たそうです。
     忘れてはいけない風景だが、描いてはいけないものかもしれない
    と後書きに書かれていました。

     震災の3年後に開催された「1000人のチェロコンサート」は1000
    の悲しみと、1000の物語をつないで、一つの大きな音楽を奏でた
    のですね。

     いせさんの亡くなった愛犬グレイもチェロの演奏と一緒に出てき
    ます。人の声に一番近い楽器、チェロ。心の歌を奏でるのでしょうか。

    自宅近くで開催されるガスパール・カサド国際チェロコンサートにも
    行ってみたくなりました。11月/22日から八王子で開催です。
    http://www.cassado-cello.jp/about/

    古いCDからYo-Yo Maのチェロの音が聞こえています。

  • 今、日本の人に読んでほしい本

    震災から半年ほどですが、
    東北や関東の復興は、まだまだこれからなんだと思う

    いろいろな痛みを抱えて、それでも頑張り続けている人たちに
    少しでも希望が届けば嬉しいと思った

  • 阪神淡路大震災の3年後に開催された復興支援「1000人のチェロコンサート」に参加する少女と少年、おじいさんのお話。神戸から引っ越して来たばかりの少女はチェロの音が怖かった。しかし復興コンサートの練習を重ねていくうちに優しい音色に・・・。それぞれが思いを抱え奏でるチェロの音色が淡い色彩で描かれ、その音色に包まれ偲ぶ情景が素晴らしい。

  • 第一印象は、絵の力強さ。読んでみると、ストーリーもすばらしかった。チェロをみんなで弾いてるところは、音が聞こえてくるようだった。

  • まず、絵がとっても素敵。目には見えない、音楽と気持ちをすくい取る、水彩が超絶の域に達しています。

    そして、物語。誰しも抱えている、消しようのない悲しみをお互い持ち寄り、演奏を通して、空に飛ばしていくような様に、涙がとまりません・・・。

  • 冒頭は少年と少女の出会いである。
    少年はチェロを習っている。
    教室に新しく女の子が入ってくる。
    女の子のチェロはとても上手だ。
    けれど、女の子はどこか、怒っているように聞こえる。

    タイトルとここまでのお話で、はじめはよそよそしかった2人が、音楽を通して仲良くなっていくお話かな、と思う。

    淡い優しい色彩。風をはらむ髪や服の揺れ。動きを捉えた確かな骨格。
    絵のうまさにも引き込まれつつ、物語は進む。

    2人は徐々に友だちになる。ある日、ある集まりで、2人はおじいさんと知り合う。
    おじいさんもまた、チェロを弾く人だ。
    3人に共通しているのは、チェロだけではない。
    皆、何かを失っている。
    失うものを抱えながら、3人はチェロを弾く。

    人はときに、大きな不幸に見舞われる。
    人はまたときに、深い喪失を抱える。
    それでも人は生きていく。
    なくしたもの、もう会えない相手、遠いあの日。
    二度と手には入らない思い出とともに、生きていく。

    著者のいせひでこさんもまた、作中の人たちと同様、チェロを弾く人だ。
    いせさんは、チェロを「人間の形をした楽器 人間の声で歌う楽器」という。

    冒頭の印象を越え、はるかに深い物語である。
    人は、それぞれの喪失を語りながら、それでも1つの希望のうたを歌うことができる。
    鎮魂はまた、自分が立ち上がって歩き出す、再生ともなりうるのだ。

    物語の最後で、1000人のチェロ弾きたちが奏でる音楽が聞こえる。
    1000の風のように、それぞれの思い出を乗せた音楽が、きっと聞こえる。

  • 1000のチェロ。1000の想い。どんな音だったんだろう。

  • チェロを弾く様子がとても素晴らしい.

  • 小学校高学年から上くらいの人に読んでもらいたい絵本。
    特に、大人にはぜひ。

    阪神淡路大震災の復興支援のためのチェロコンサートに参加することになった少年たちの物語。
    被災した少女とおじいさんが登場するのですが、被災したことに関しては簡単にしか触れられていません。
    それでも、こちらに訴えかけてくるような雰囲気のある絵が、被災によって失ったものの大きさや、悲しみを表現しているように感じました。

    我が家のちびちゃんにはまだまだ難しい絵本ですが、大きくなったら読ませたい一冊です。

  • 大人向けの絵本。
    阪神淡路大震災の復興支援コンサート「1000人のチェロ・コンサート」に参加することになった少年が、震災の日に神戸にいた少女とおじいさんと共に練習を重ね、コンサートの日を迎える。

    文章を読むだけでもじんわりと胸に迫るものがあるのですが、それにもまして、語りかけてくるような絵が登場人物の心境を訴えてくるようで切なくなりました。

    鉛筆のラフ画に水彩で色をつけたような絵なのですが、それがとってもよい雰囲気を生み出しています。

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