まちんと (絵本・平和のために(1))

著者 :
  • 偕成社
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感想 : 28
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  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784034380109

感想・レビュー・書評

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  • 原爆に被爆して、「まちんと、まちんと」と言いながら死んでしまった、小さい女の子。
    「まちんと」は、方言で(トマトを)「もうちょっとちょうだい」ということ。
    何が起こったのかも分からない、小さな女の子の姿に、心を打たれます。

  • eduで紹介されたいたので図書館で借りた。
    「まちんと」とは「もうちょっと」の方言。

    広島に原子爆弾が落ち、ひどい火傷を負った少女は母親に
    トマトをもらい、「まちんと」「まちんと」と言って息絶える。

    少ない文字数でも挿絵と共に強烈に胸に訴えかけてくる。胸に刺さる。

    小学初級からとなっているが、年中の長男にも読んであげようと思う。

  • 広島に原爆が落ちた。
    被爆して倒れた女の子はトマトが食べたいと言う。
    お母さんは必死にトマトを探すけれど、原爆の落ちた広島にトマトなんて見つかるものではなかった。
    それでもお母さんは必死に探し回り、やっと見つけて女の子に食べさせてあげる。
    女の子は「まちんと、まちんと(もうちょっと、もうちょっと)」と言いながら死んでいったのだった。
    そうして女の子は白い鳥になった。
    今でも空を見上げれば女の子の鳥は見えるのだった。

    短い文章なのに悲しみが伝わってくる。
    主体は罪もない女の子、子供が戦争の被害に遭っているというところだけれど、死にゆく女の子にせめて食べたがっているトマトを、をきっと自身だった被爆してあちこち傷だらけだろうにトマトを探し回る母親の姿が泣ける。

    タイトルの「まちんと」は町の何かのことかと思ったら、幼児語だったとは。
    松谷みよ子が各地で伝承の聞き取り調査をしている間に聞いた話が元になっているとか。

  • 請求記号E/ツカサ 資料番号020261368

  • 何回読んでもずっしりと胸に残る。
    司修の『本の魔法』にこの作品を書いた時のエピソードが載っているが、画家が苦しみ抜いて描いたからこそ、美しいけれど原爆の悲惨を十分に伝えられる絵になっている。
    個人的には松谷みよ子の母性的な力の強さに(ほとんど呪縛のようなときもある)辟易することも多いが、この作品は文章を絞り込み、語りすぎないので、絵が生きて、絵本としての質が極めて高い。
    ずっと読み継がれる傑作。

  • タイトルなんだろ~と思ったら・・
    原爆絵本だった・・うう・・

    もうじき3歳になる女の子が原爆にあって、
    トマトをほしがって
    「まちんと まちんと」といって亡くなって
    鳥になった
    って話

    かなしい・・

  • トマトがあってよかった

  • 幼児語で「もうちょっと」ということですね。トマトを食べたくて「まちんと、まちんと」と言いながら無くなった戦時中の子どものおはなし。字は少ないですが、多くが絵で語られていて過激ぎみなので、あまり小さい子には向かないかと思います。(4分)

  • 小さい頃、悲しいから読みたくなかった絵本。
    それでも時々、本棚から取り出しては読み返してしまっていた絵本。

    戦争なんて。

  • 強烈だった。

    この本を小学校の図書館で読み聞かせしてくれた、先生が最後泣きながら話してくれた画を、凄い覚えてる。

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著者プロフィール

1926年、東京生まれ。1944年頃より童話を書きはじめ、1956年、信州へ民話の探訪に入り、『龍の子太郎』(講談社)に結実、国際アンデルセン賞優良賞を受ける。以来、民話に魅せられ創作と共に生涯の仕事となる。日本民話の会の設立にかかわり、松谷みよ子民話研究室を主宰。著書に『女川・雄勝の民話』(国土社)『日本の昔話』『日本の伝説』『昔話一二ヶ月』『民話の世界』(共に講談社)『現代民俗考』8巻(立風書房)など。

「1993年 『狐をめぐる世間話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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