セミクジラのぬけがら (ミッチの道ばたコレクション)

著者 :
  • 偕成社
4.09
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本棚登録 : 265
感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (79ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784034394403

作品紹介・あらすじ

なんでもあつめるのがすきな
ミッチがある日、ひろったのは
クジラのかたちをした 木のかけら。
それが、ふしぎな夏の はじまりだった。


ミッチは、花の種やきれいな石ころなど、道ばたでひろったものをコレクションしている男の子。いまはセミのぬけがらを集めています。
ある日ミッチは、クジラのかたちをした木のかけらをひろって、家に持ちかえりますが、うっかり麦茶をかけてしまいます。すると、それはちいさなちいさなクジラになったのです!
セミのぬけがらを食べて、「ミーンミン」と鳴くので、<セミクジラ>と名付け、ミッチはお父さんといっしょにそのクジラを飼いはじめます。でも、クジラはだんだん、元気が無くなってしまい……。

考えたミッチは、セミクジラのために、あるものを探すことにします。

:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

たからばこの なかには、ぼくが 道ばたでひろった、いろんなものが はいっている。
宝石みたいに キラキラしたビーズ、しまもようの 石ころ、
ドクロマークの 絵がかいてある ビンのふたに、みかづきがたの 花のたね、
ほかにも たくさんたくさん。

どれもみんな たいせつな、ぼくの 道ばたコレクションだ!   (本文より)

感想・レビュー・書評

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  • とても開放感があって、いいなぁいいなぁ。
    ファンタジーに大人も参加できているのも、大人としては嬉しい。
    1ページ1ページ、言葉も絵も愛おしかった。
    シリーズの他の作品も読みたい。

  • コマツシンヤさんの優しいイラストが
    物語にぴったりあってとても素敵な本。
    絵本ではないけれど絵が多くて小学一年生でも
    読めるかな。
    まずミッチのみちばたコレクション!!
    母親の私でもわくわくして、イラスト一つ一つを
    じっくり眺めて楽しんでしまった。
    物語はミッチが拾ったくじらの形をした
    木の皮のようなものに水がかかって
    小さな小さなくじらが生まれるところから始まる。
    小さなくじらのなんてかわいらしいこと。
    小さなくじらが、小さな金魚鉢に入って
    小さな潮を吹くところなんて和む。
    物書きのお父さんがミッチの相談によく
    のってあげて、解決策を提案してあげたり
    父と子の優しい物語でもある。
    セミクジラの元気がなくなってからは
    うちの小学一年生もハラハラドキドキ
    悲しい顔をしていたけれど、そのあとの
    物語に、最後のおちまで、とても楽しい。
    心に残る感動ストーリーとかそんな大それた
    物語ではないけれど、みちばたで綺麗な石を
    見つけた時のような、心躍る物語だった。

  • 低学年にぜひ手にとって欲しい作品。
    誰でも一度は通るであろう?セミのぬけがら集め。宝箱の中の「道ばたコレクション」。生き物を育てている時の気持ち。子供達の共感要素が散りばめられていて、本の苦手な子でも飽きずに読み通せるだろう。
    物語はどんどん奇想天外な方向へと進んでいき、爽快感あり「そんなバカな」の笑いありの壮大なクライマックス。想像力をかきたてられる終わり方も見事。
    ミッチの気持ちに寄り添う、文化系お父さんとのやりとりが安心感を与えてくれる。
    コマツシンヤさんのイラストと色使いが、この物語世界にピッタリ。全編カラーにせずに、所々入るカラーページが作品の魅力を何倍にも増している。

  • ミッチが ひろったのは、クジラみたいな かたちをした 木のかけら。

    むぎ茶を こぼして ぬらしてしまったら、
    木のかけらが むくむくと ふくらみだして、ほんものの クジラに なった。

    セミのぬけがらが すきだから、
    「わかった! このクジラ、きっと セミクジラだよ!」

      ・

      ・

      ・

    道ばたでひろったものをコレクションしているミッチが、ひろったものをきっかけにふしぎなともだちと出会う創作童話シリーズの1作目

    たからばこに入っているのは、宝石みたいにキラキラしたビーズ、しまもようの石ころ、ドクロマークの絵がかいてあるビンのふた、みかづきがたの花のたね……

    「なんでこんなものをひろってくるの」とついつい言ってしまいそうになるけれど、子どもにとってはとくべつなもの、魔法によって世界が広がるもの、そしてあこがれとときめきと勇気をもたらすもの

    1、2年生におすすめ
    “ミッチの道ばたコレクション”シリーズは既刊3冊

    『セミクジラのぬけがら』2019年7月=本書
    『ドラねこまじんのボタン』2020年10月
    『うたうラッパ貝がら』2021年8月

  • コマツシンヤさんの絵はいつ見ても、、、、、
    夏という季節、こういう不思議なことが起こってもおかしくない

  • 児童書の入門に最適。
    1年生の娘はとっても気に入って、他のシリーズも読んでみたい!と張り切っていました。
    いいとこで終わっちゃって、続きは??とヤキモキしている姿に読書を楽しんでいるなぁと嬉しくなりました。

  • 図書館本。2023読売こども新聞イチオシ100冊から。長女の面白いが出た本。木肌かと思っていたら、水にふやけたらクジラに変身。ファンタジーの児童書。余韻がいいです。

  • 夏休み真っ最中のプールの帰り道、道端でセミの抜け殻を拾っていたミッチは、手のひらに乗るくらいの、平べったくて黒っぽい、クジラに似た形の木のかけらを拾います。持って帰って道ばたコレクションに加えるミッチでしたが、コレクションを机の上に並べている時に、誤って麦茶を机にこぼしてしまいます。
    タオルを取りに行き、へやに戻ったミッチが見たものは…?
    麦茶のかかった木の欠片は、むくむくと膨らみだし、小さなクジラになって動き出したのです。小説家で、いつも家にいる仲良しのお父さんと一緒に、ミッチは小さなクジラを飼うために色々な食べものを与えてみますが…?

    ミッチことミチルのうちは、お父さんが小説家で家にいて家事をやっていて、お母さんが外で働いているおうち。今っぽくてよいですね。ミッチとお父さんが仲良しなのもほっこり。小さな動くクジラを見ても、ミッチと同じ目線で驚いたり考えたりしてくれるお父さんに癒やされます。
    ミッチ命名の“セミクジラ”が、セミの抜け殻を食べるというのも面白い。
    ミッチの、セミの抜け殻をひたすら集めるという趣味が生きてよかったですね。
    最後はあっけなかったけれど、なんだか壮大な終わりのような気もします。
    そして、お父さんが子供の頃に拾って、ずっとおじいちゃんの家にあったゾウみたいな形の木の欠片…。ロマンを残して終わる終わり方もよきです。
    とにかくミッチとお父さんのやりとりが癒やしの物語でした。

    小学校2年~4年くらい。

  • 自分だけの宝箱に自分だけのみちばたコレクション。自分にとっては特別なものたち。それが楽しい。お父さんも少年に戻ったね。男の子はいくつになっても男の子。

  • みっちという子が木のかけらを見つけて麦茶をこぼしてしまったら木がくじらになってしまったお話です。おわかれするところが悲しかったけどお父さんがぞうの木を見つけてきてくれたから良かったです。

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著者プロフィール

1983年、群馬県桐生市生まれ。東京大学教養学部卒業。『サナギの見る夢』(講談社)で第49回講談社児童文学新人賞佳作を受賞。『ミステリアス・セブンス―封印の七不思議』(岩崎書店)で第7回ジュニア冒険小説大賞を受賞。『カエルの歌姫』(講談社)で第45回日本児童文学者協会新人賞受賞。その他の作品に、『シンデレラウミウシの彼女』『スペシャルQトなぼくら』(講談社)、『給食アンサンブル』(光村図書出版)、『七不思議探偵アマデウス!」(静山社)、「ミッチの道ばたコレクション」シリーズ(偕成社)「なのだのノダちゃん」シリーズ(小峰書店)ほか多数。


「2023年 『YA!ジェンダーフリーアンソロジー TRUE Colors』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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