ゆきだるまのるんとぷん

  • 偕成社 (2004年11月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (64ページ) / ISBN・EAN: 9784034602706

みんなの感想まとめ

可愛らしい雪だるまたちが織りなす冬の物語は、心温まる魅力に満ちています。作品は、ふたごの雪だるま「るん」と「ぷん」を中心に展開し、帽子の色によって変わる名前の設定がユニークで、子どもたちの興味を引きま...

感想・レビュー・書評

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  •  本書は、「母の友(1989年1月号)」に掲載されたものを、1990年に株式会社クロスロードで出版し、更に、それに若干の改訂を加えて刊行したものです。

     固定観念に縛られず様々な視点を持つ、たかどのほうこ(高楼方子)さんの今回の作品は、一見、それが当たり前のように感じながら、「あれっ?」と考えさせられる、人の尊厳について教えてくれる児童書です。


     ふたごのゆきだるま「るん」と「ぷん」が、一つのお家で仲良く暮らすという、夢のある光景には、とても微笑ましいものを感じるが、中身は、現実味のあるシリアスさが含まれており、その要因として、ある一つの決まり事があった。

     それは、朝目覚めた時に、赤と青、二つの帽子のどちらかを被ることで、その日の名前と役割が決まることであり、赤は「るん」となって、働かなければならず、青は「ぷん」となって、「るん」を歌い踊りながら励ますという、この不思議なルールは、当然のことながら、どちらも毎日「ぷん」になれればいいなと思っているので、ずっと眠らずにしていようとか、電気を消す係を自ら志願して、消した後にこっそり、青い帽子を自分の側に引いておくといった、せこい考えまで芽生えてくるような、そんな日々が繰り返されたが、毎回、タイミングよく早起きすることが出来なかったため、これまでは、上手い具合にそれぞれの役割を兼ねることが出来ていた。

     ところが、ある朝のこと、二人が同じタイミングで青い帽子を掴んでしまい、それを譲らずに引っ張り合っていたら、帽子は半分に千切れてしまい、あらあら、これはどうするのだろうと思っていたら・・・。

     なんと、その半分に分かれた帽子を、それぞれが頭に載せ、両方「ぷん」となることで、最初はお互いに励まし合っていたが、「るん」もいないことから、その必要もなくなって、後は自由に遊び放題となり、喜んでいたのも束の間、内心ではお互いに、「るん」になってくれないかなという、都合の良い願望を抱いていたら、ひとつ良い考えが閃いた。おっ、やっと自分が「るん」になるよと言うのかと思ったら。

     しかし、その考えは、新たに雪だるまを作って、そいつにやらせたらいいという・・・リアルですよね、この一度堕落したら、後はそのまま転げ落ちていきそうな感じといいますか、なんだか、ある人生の縮図を映しているようにも思われて、切ないが、取りあえず、完成した雪だるまに赤い帽子を被せて、さあ、どうなるのか?

     そして、案の定、その雪だるまは、「ぷん」たちのスキーを履いて楽しそうに滑り出し、それを見た「ぷん」たちは、「きみは 『るん』だぞおっ! 『るん』は、そんなことしちゃいけないぞおっ! 『るん』は、おいしいものをつくるんだぞおっ!」と言うものの、「うるさいやーい! ぼくは『るん』なんかじゃなくて、『ぶん』て いうんだーい! スキーしたって いいんだぞおっ!」と、全く聞き入れず、更には、お腹が空いたから何か食べさせてくれとお願いする姿に、二人は、「ゆるせないっ!」、「あんな わがままなやつ はっじめて みた!」と腹を立て、その後、自分たちで食べ物を作るものの、それを一口も「ぶん」に食べさせないで見せつけることにより、悲しみを覚えた「ぶん」は、赤い帽子を半分に引き千切って、二人の頭に投げ返し、一人寂しく、どこかに行ってしまった。


     二人の「ぷん」が腹を立てたことは、一見、正当に思えながらも、その決め事は、あくまでも彼らの中だけのものである上に、役割だけではなく、名前を与える行為には、まるでその人自身の人間性や存在自体を否定するようにも思われて、このような自分の価値観を無意識に押し付ける様子には、学校生活に於いて、理不尽に決め付けるような幼さを感じさせながらも、それは現代社会に於いて、大人が当たり前のような顔をして繰り広げている、自分は楽して他人に上手いことやらせるといった、道徳観を問い掛けているようにも思われて、子どもの場合、まだその意味するところを理解していないから良いようなものの、これを大人がしていると、はっきり言って笑えないものがあって、それならば、一人ではなく一緒にやりましょうとか、役割云々ではなく私がやりますといった志願制に臨機応変に対応するといった、そんな自由さが欠けている点には、世の中の閉塞感も含ませているようで、児童書でありながらも、それだけでは終わらない、たかどのほうこさんの鋭い指摘が印象に残る。

     そして、二人の「ぷん」は、その後どうなったのかというと、勿論、最後まで凝り固まった頭ではなく柔らかい思考法により、新たな気付きを得たことで、最後には、「ぶん」への申し訳ない気持ちも持ってくれて、爽やかな終わり方となりましたよ。

  • ふたごのゆきだるま、るんとぷん。
    赤い帽子をかぶっているのがるん、青い帽子をかぶっているのがぷん。
    そしてふたりは日によってるんになったりぷんになったりします。
    先に起きたほうが好きな帽子を選べるのです!(えっ?!)

    赤い帽子のるんになった日は、歌を歌いながら一生懸命働きます。
    青い帽子のぷんになった日は、歌って踊ってるんを励まします。

    2人は実は毎日ぷんになりたかったのです!(共感!!)

    ある朝同時に起きた2人は青い帽子を取り合い、破いてしまいます。そして半分になった帽子をかぶってどちらもぷんになって遊びます。

    お腹がすいた2人は雪だるまを作って赤い帽子を被せ、るんを作ろうとします。
    しばらくすると、外から声が。新しい雪だるま「ぶん」が誕生しています!
    2人はぶんに、るんになるように言いますが、ぶんは聞かず、遊んでいます。
    2人は怒って、ぶんを無視してごはんを作り、2人だけで食べます。

    ぶんは泣きながら走っていってしまいます。
    (かわいそうだけど、絵がかわいい)

    なんとなく気まずくなった2人。
    ぶんは戻ってくるのでしょうか?
    2人はずっとぷんのままなのでしょうか?


    以上あらすじです。

    さすがたかどのワールド!!面白いです。
    でも予想以上にぶんがかわいそうで、途中ううっとなりました。

    最後、ぶんは戻って来ます。
    2人もぶんを大声で呼びます。(涙)
    家の冷えたこたつの中で、3人はおしゃべりをして過ごすのでした。

    ううっ、3人ともよかったね。
    最後の冷えたこたつのくだりで笑って、本を閉じました。

  • かわいい…☺️✨

    第一声がそれってどうなの?って話だけど、とにかく、絵も文章も、登場雪だるま全員全部可愛いんです(雪だるましか出てきません)

    雪だるまだけあって、いろいろ寒々しい描写があるので、ぬくぬくした部屋で読むのがオススメ!

    今作もリズムよく、声に出して楽しい一冊でしたよ

  • 冬におすすめ。低学年向き。どちらかがするより一緒にする方が楽しいと教えてくれる。

  • ゆきだるまのるんとぷんの赤と青の帽子が破れたところが大変だと思った。
    最後にぶんのこたつに入ったところが気持ちよさそうだった。

  • 最後もいいのだけれど、私としては、帽子で毎日入れ替わるって、いいなぁとw
    こたつがひんやりというのに、にやり。

  • けんかをしているところもあったけど、最後は仲良くしていてよかった。

  • ぶんに何もしてあげなかったのがかわいそうだった

  • 赤い帽子と青い帽子、両方楽しくて面白いと思うけど、私だったら青い帽子かな?

  • るんとぷんは日によってぼうしがかわって役割がかわるのは、おもしろいと思った。

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著者プロフィール

函館市に生まれる。『へんてこもりにいこうよ』(偕成社)『いたずらおばあさん』(フレーベル館)で路傍の石幼少年文学賞、『十一月の扉』(受賞当時リブリオ出版)で産経児童出版文化賞、『わたしたちの帽子』(フレーベル館)で赤い鳥文学賞・小学館児童出版文化賞を受賞。長編物語に『ココの詩』『時計坂の家』『緑の模様画』(以上福音館書店)、『リリコは眠れない』(あかね書房)など。近刊に『トムと3時の小人』(ポプラ社)『黄色い夏の日』(福音館書店)など。大人向けの小説に『ゆゆのつづき』(理論社)がある。2021年野間児童文芸賞を『わたし、パリにいったの』(のら書店)で受賞。札幌市在住。

「2022年 『のはらクラブのちいさなおつかい 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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