- 本 ・本 (159ページ)
- / ISBN・EAN: 9784035215707
作品紹介・あらすじ
スペルホーストという元船乗りの孤独な老人が、おもちゃ屋で偶然みつけたパペット人形を買いました。王さまとオオカミ、少女と少年、フクロウの、5体でセットの人形です。老人は少女の人形の目をみつめながら「すまなかった」と涙を流し、1通の手紙を書き残すと、次の日亡くなりました。
人形たちは手紙といっしょに古ぼけたトランクの中に放りこまれ、語るべき物語がはじまるのを待ちました。人形たちにはそれぞれ語りたい夢がありました。偉大な王国を築く夢、森をかけぬけ野生に生きる夢、世界中の美しいものにふれる夢、冒険にのりだし栄光を手にする夢、大空へと羽ばたく夢。
やがて人形たちは、幼い姉妹がくらすお屋敷に引きとられました。姉のエマはさっそく家のパーティーでお客様に人形劇を披露しようと、台本を書きはじめます。「わたし、手紙を読んだの。すばらしい人形劇になるからね。」それは、愛する人を残して海に出た少年の物語でした……。
「完璧にみがかれた小石のような物語」「友情と冒険についての知恵がつまった本」。英米では発売以来つぎつぎと主要な新聞雑誌に書評が載り、ニューヨークタイムズのベストセラー入りした作品。
感想・レビュー・書評
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元船長は5体のパペットを買う。そのうちの1つに恋人の面影があった。没後,トランクの中の人形と手紙は,姉妹の手に渡り,人形劇の舞台で小さな奇跡を起こす。おしゃべりな人形達の味わいのある話。
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表紙に惹かれて手に取りました。5体一組のパペット人形の物語。
パペット人形なので自分では動けません、人形たちの会話と思考、そして人や動物が動かすことによって物語が展開していきます。
淡々とした語り口の中で、人形たちが存在意義や希望を見出していく様子が好きでした。 -
おもちゃ屋さんの店先で売られていた少年と少女と王様とオオカミとフクロウのパペット人形は、年老いたスペルホースト船長に買われ、その後エマとマーサという幼い姉妹の物になる。今までずっと一緒にいた5人は、その家で離れ離れになってしまう。パペット人形たちは再会することができるのか。人形劇はどうなるのか。
ずっとおもちゃ屋のショーウインドウで売られていたパペット人形たちが、初めて世界に出て様々なものを目にしていく。その感動が新鮮で、世界の美しさを感じられる。5人がバラバラになってしまう場面でははらはらさせられるが、全体を通して淡々と静かな語り口で物語は進み、深々と降り積もる雪のような静けさが印象的な作品。人形たちの語る言葉は意味が深く、詩のように響く。これからどんな世界が彼らを待っているのだろう。続編があるそうなので、楽しみ。 -
序盤、
スペルホーストさんの生きて来た日々に思いを馳せて引き込まれた。文章がとても美しくて心地よかったのだけれど…
中盤から私には冗長に思えたのは、
スポットライトを当てるべき登場人物が多すぎて、誰に感情移入したらよいのか戸惑ったからかもしれません。 -
あこがれとか、生きる意味とかが、少し詩的で少しユーモラスで、ペーソスに満ちた短いお話で描かれている。あこがれに殉じて愛を捨てたスペルホーストの生涯は切ないような気もするけど、きっとそれが人生ってものなんだろう。ひとりの人間は同時に2箇所にはいられない。だから愛を選んでいたら、あこがれに想いを馳せて鬱々としていたかもしれないし。
エマとマーサはきっと、あこがれのことも愛のこともちゃんと感じ取ることができるんだろうな。すてきな人たちだなと思う。 -
スペルホーストという元船乗りは、かつて愛した人とそっくりな少女のパペットをおもちゃ屋で見つけた。ほかのパペットとセットで買わなければならず、オオカミ、少年、おうさま、フクロウのパペットをいっしょに買って、持ち帰り……。
パペットたちにそれぞれ個性があって、人知れず話をしているところが楽しい。哲学的なフクロウ、いつも「〜するよう命ずる!」と言っているおうさまがどうにもにくめない。運命に導かれるように物語がめぐっていく不思議さがとてもよかった。
丁寧でシンプル、おだかやな語りが心に染み入るような物語。 -
不思議な本
読み返すとまた違った感想が出てくるかもれない
翻訳が下手かもしれない
追記
また読み直した
前回はちょこちょこ読んだので、一気に読んだ
悪くは無い
ただここがいいとは言えない
不思議な本
パペット達の会話が楽しかった
著者プロフィール
ケイト・ディカミロの作品





