びりっかすの子ねこ (世界のどうわ傑作選( 5))

制作 : ジム=マクマラン  中村 妙子 
  • 偕成社 (1966年11月1日発売)
3.70
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  • 本棚登録 :54
  • レビュー :10
  • Amazon.co.jp ・本 (138ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784035320500

びりっかすの子ねこ (世界のどうわ傑作選( 5))の感想・レビュー・書評

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  • 家にはそれぞれの事情があるのよねー

  • 子どもには地味だったようす。しんみりしていて好きなんだけど。

  • 「もう読みたくない。」「嫌い。」何度もそう言って、読むのを拒む娘を説き伏せながら、毎日読みました。最後の日、娘が晴れやかな顔で「この人、すごくいい人だったね。この本、本当は楽しかった。」と言った。びりっかすの子ねこの一晩の冒険は、特に、誰かにいじめられたり、ひどい目にあったりする訳ではなかったのだけれど、娘には、とてもとても辛いものだったらしい。でも、最後の最後には、最高のハッピーエンド。年より犬を男の人が連れてきたときに、はっと息を飲んだ娘の様子が、とても印象的だった。大人にとっては大したことがない出来事が、どれだけ、子どもにとって大きいことなのかを思い知らされる。そう考えると、テレビに氾濫している物語は、刺激的すぎるんだな。きっと。子どもに携わる人は、このことを肝に銘じておかないといけないといけないと心から感じた一冊。

  • 7番目に生まれた小さなびりっかすの子ねこは、兄弟からはみだされお母さんのおっぱいにもありつけずにひもじい思いをします。しかも生まれたのは犬やさんのすみっこの檻。
    そんな不運なびりっかすの子ねこのお話です。こどもむけにシンプルな文章で書かれていますが、ときどきはっとするような喜びにあふれた表現があり、感動してしまいます。
    とくに長い夜があけて太陽が世界をあたためていくときの表現は、じぶんも小さな子ねこになったかのように感じられます。ぬくもりやおいしい食べ物、あたたかい場所そういうものの大切さを思いおこさせてくれるすばらしい童話です。

  • びりっかすの子ねこ。

    なんともストレートな、でも、思わず目がとまってしまったタイトルだ。

    図書館に行けば自動的に書架を猫検索してしまう習性があるのだが、見返しに
    「子ねこは どうやって ほんとうの しあわせを みつけるのでしょうか」
    なんて書いてあった日には、もれなくお持ち帰りとなってしまう。

    自分に自信がなかった存在が幸せになるまでの物語、
    自己肯定感(self-esteem)を得るまでの物語だと思うと、読んでしまいたくなるのだ。

    そして、訳が中村妙子さんだ。

    エイラの翻訳者だと思い出す。

    タイトルで「だめねこのいっしょけんめい」のようなイメージを持っていた。

    だが、だめねこは、ねこが擬人化されていた存在だったのに対し、
    本書は、ねこはねこ、いぬはいぬで、人間から見た世界そのままなのである。

    登場するねこやいぬの内面は描写されない。

    常に三人称で語られるが、登場人物に対するまなざしが温かい。

    著者が動物たちを愛していることが感じられる三人称なのである。

    びりっかすの子ねこという、思い切った翻訳タイトルが与えられた
    本書の原題は、The Last Little Cat。

    びりっかすのくろい子ねこは、
    にいさんやねえさんが、つぎつぎに六匹生まれて、
    おまけみたいに最後に生まれた。

    生まれた場所は、いぬやさん。

    どのいぬもワンワンほえるのだが、
    一ぴきだけほえないいぬがいた。

    そのいぬは、売られているいぬじゃなくていぬやさんのかいいぬ。

    もう年をとっていて目もよく見えないし、耳も聞こえないし、鼻もきかない。

    でも、感じることができた。

    おなかがすいたり、のどがかわいたりすればわかる。

    そして、温かいのや寒いのや、
    かわいがってくれる人のことやさしい人のことがわかる。

    さびしい気持ちも、なにかをうっとり待つような気持ちも感じる。

    おかあさんねこは、ねずみがいぬのえさをぬすまないようにと飼われていたねこ。

    だから子ねこたちもいぬやで生まれたのである。

    びりっかすのくろい子ねこは、小さくて、六匹のきょうだいたちに
    いつもおちちをとられてしまい、おなかいっぱいのむことができない。

    きょうだいたちは大きくなれるのにびりっかすの子ねこはおしだされてばかり。

    あたたまろうとしてもはしっこだから、
    はんぶん、あたたか、はんぶん、ぶるぶる。

    そして、おなかはいつもぺこぺこ。

    目があくのも一番おそかった。

    おかあさんねこは外を歩く練習をするときに
    六匹だけをつれて、びりっかすのくろい子ねこはつれていかなかった。

    びりっかすの子ねこは、なんとかついていこうと自分で下におりようとして
    としおいたほえないいぬのこやにおちてしまうのだ。

    子ねこのすとんとおちたしゅんかん、いぬのあごはミルク皿につかってしまう。

    びりっかすの子ねこの小さな口がとしよりのいぬのしめったあごにさわり、
    そのあごがミルクの味がしたことからはじまるいぬと子ねこの交流。

    偶然から始まった、としおいたいぬと子ねこの静かなる共存。

    子ねこはとしおいたいぬのところで、はじめてミルクをたっぷりもらい、
    あたたかないぬのからだの下でねむる。

    さびしかったいぬは子ねこをかわいがるのだ。

    だけど、こののんびりとした共存生活から、
    子ねこは冒険に出なくてはならなくなる。

    ひたなぼっこのためにとしおいたいぬのこやを外に出したかいぬし。

    子ねこははじめてみる外の世界に興味を覚え、外に出るのだ。

    ところがたくさん遊びすぎてしまった。

    戻るといぬのこやはしまわれてしまって、店もしまっている。

    いぬのかいぬしには、としおいたいぬのあごのしたで
    いつもまるまってねむっている子ねこは見えていなかったのだ。

    だから、いぬが子ねこといっしょに住んでいたなんて知らなかった。

    突然外に放り出されてしまうことになった子ねこは、
    自分を受け入れてくれる存在を求めて、家を順番に訪ねて行く。

    それぞれの家々でのいぬやねこや子どもたちとのやり取りは、
    どこにもありそうで、でも、どことなくユーモラスだ。

    本書は、小学校1年生程度の漢字のみを使って書かれており、
    図書館が児童書のやさしい読み物を別置している場合は、
    やさしい方に置かれる本になるだろう。

    だが、私はこのストーリーを
    児童書のやさしいお話を読んでいるのとは
    違った気持ちで読み進めていた。

    通常大人にとっては、ひらがなが一定以上まじっているテキストは、
    わかち書きしていたとしても逆に読みづらく感じてしまうし、
    またそういうものだと思っていた。

    だが、本書は違った。

    ひらがなが多いゆえの流れていかないという感覚を味わうことがなかったのだ。

    子供にわかるようなやさしい言葉だけで創り上げられているから、
    ひねりが特別に利いた言葉があるわけではない。

    訳文が美しいと思った。

    やさしい言葉が確かに沁み渡っていく。

      ここには、子ねこの 目を ひくような ものは、一つも ありませんでした。

      けれども、このときお日さまが、ようやっと かおを だしたのです。

      しみわたるような よるの さむさ、ふるえるような あさの さむさを、

      みんな すっかり とりはらって、せかいを ミルクの おさらのように、

      ほかほかと、また あたためる ために。

      石だんの 上の ほねと おさら、それから つかれた びりっかすの 子ねこを、

      お日さまは、あたたかく てらしました。

    小さな冒険の果てのお日さまをくろねこと一緒に味わっていた。

    泣きたくなるようなもう大丈夫だという気持ち。

    温かなまなざしがお日様になって降り注いでいるという気持ち。

    行間に静寂や温かみやぬくもりが確かに存在することが分かった。

    文章の流れは、かなだけでも、やさしい言葉だけでも、
    どの音を、どの言葉を選んでいくのかで、
    のびやかにしなやかに作っていけるのだ。

    子ねこが放り出された路地に立っていたのは七けんのいえ。

    七けんめの家で起こった出来事とは?

    ほんとうのしあわせはもとめたら出会えるのだと、
    どこかでこの自分を必要としている存在は必ずあるのだと、信じさせてくれる物語。

  • 2009/12/14

  • 犬屋さんで生まれ、7人兄弟の7番目のびりっかすの子ネコのはなし。
    兄弟の中にいては食事ももらえず、母さん猫の散歩についていくこともできない子ネコ。
    そんなびりっかすの子ネコの友達は、犬やさんの飼い犬の老犬。
    ある日、いつものように老犬のあごの下で温まっていた子ネコは、明るい光で目覚めて、
    そのまま外の世界にでてしまい、家に帰れなくなってしまいます。
    犬はやさしい生き物、人間はミルクをくれる暖かい人と信じて幸せを探す子ネコ。
    子ネコは無事に自分の居場所を見つけることができるのでしょうか。
    やさしさがいっぱいのおはなし。

  • シリーズで惹かれて、
    切なかった記憶
    確か市立公民館の図書室
    そうとう前だ
    公民館でこういう本が手軽に読めるというのはいいですね

  • シリーズで惹かれて・・切なかった記憶

  • 七番目に生まれた子ネコは兄たちに負けて、母ネコのお乳を十分に飲めなかったり、暖かい寝床にしっかりとは入れなかったり。
    それでも小さいなりに頑張って、幸運も手伝って、よい環境にめぐり合うお話。

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びりっかすの子ねこ (世界のどうわ傑作選( 5))はこんな本です

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